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電気のおはなしその51・交流の性質(3)sinのグラフを描いてみるなど

まずは前回まで話したことをまとめますよ。

  • 三角関数は直角三角形の角度と辺の長さの相互関係を求めたもの。

  • 直角三角形はいきなり出現したのではなく、中心に太陽、その周りを円を描いて回転する地球との位置関係から発生した。

  • 円の半径を1とすると、円周上の点のx座標の値がcos、y座標の値がsinとなる。

こんなところでしょうかね。あくまでも、「太陽と地球の位置関係からスタートしている」ということを忘れないでくださいね。

ところで、三角関数のsinのグラフというと、

図1・sin波形の例

こんな感じの、独特の滑らかな曲線を思い浮かべるんですが、これは一体どこからやってきたのでしょうか。
正解は、

「円周上を反時計回りに回転する点の高さを、円の右側から見たもの」

なんですね。ちょっと図を描いてみます。

図2・sin波形の描き方

このように、回転する点を、横軸を時間tとして描いてみると、これがsin波形となるわけです。

図3・sin波形の周期

「電気のおはなしその49・交流の性質(1)全ては円から始まった」の回で、

周波数というのは何かというと、「1秒間に波形が繰り返す回数」というのは知っている方も多いかと思います。50Hzの交流であれば、1秒間に波形が50回繰り返されるわけです。
では、この「1回」って何かといえば、これは三角関数のsin(もしくはcos)の波形が何度繰り返されるか、ということです。

と書きました。「波形の1回の繰り返し」というのは、「円周上を反時計回りに回転する点が、元の位置に戻ってくるまで」のことを指します。上図に描いたとおり、スタート地点Oを基準とすると、図で示したように点Bまでが一周期となります。O~Bの間にかかる時間(=点が円周上を一周回るのにかかる時間)のことを周期と呼びます。
また、「円周上を反時計回りに回転する点が、元の位置に戻ってくるまで」が一周期の定義ですから、図のように点Aからスタートして一周回って点Cに戻るまででも一周期ということになります。円周上を一周戻ってくるまでであれば、波形のどの点を採用してもかまわないわけです。

ところで、三角関数などを定義するさい、円周上の点が反時計回りに回る方向を正の角度として定義しますが、なぜ時計回りではないのか?と疑問に思ったことがありませんか?(私はある)
これは恐らくですが、たまたま地球上の陸地が北半球のほうが多く、たまたま文明が北半球で発展したからではないかと思っています。三角関数の成り立ちは、太陽と地球の位置関係の研究からスタートしたわけですが、北半球に住んでいる自分たちや太陽を上から眺めると、反時計回りに回っているため、これが正の角度となったんだと思っています。
もし、たまたま南半球側で文明が発達したのであれば、今頃三角関数の正の角度は時計回りに定義していたのかもしれません。

電気のおはなしその31」のいちばん最後に書いたことを再度。

↑第31回のいちばん最後で、角度の正の方向が云々、あとで三角関数の話のところでまた書きますね、なんて言いましたが、それはこういうことだったんですね。

次はcosについて…と行こうかと思ったんですが、書き始めるとまた長くなりますので、一旦ここで終わりにしておきます。
次はcosのお話、その次は位相の話に進みたいと思っていますよ。

以上。

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