電気のおはなしその20・電験3種の抵抗の直並列問題を解いてみる(2)
前回に引き続いて、電験3種の理論の問題から1問ピックアップしてみます。
前回の問題(電験3種・平成25年・理論・問8)の考え方が理解できれば、解くのは簡単ではないでしょうか。
はい。上の5Ωは、外周をぐるっと回って両端が接続されているため、抵抗の両端の電圧はゼロです。したがって、この5Ωには電流が流れません。
そこで、この抵抗を取り外してしまいます。
すると、2本の10Ωは、外周をぐるっと回った経路を通じて、並列接続されていることが分かります。
…う~ん?と思った人は、次の図で。
こうすれば、10Ωの抵抗は、青いラインと赤いラインによって互いに接続され、確かに並列接続されていることが分かります。
したがって、この回路は、
という問題になりますから、答えは1Aということになります。
もう一問いってみましょう。
第一級陸上特殊無線技士の、2021年2月期無線工学Aの問3です。
はい、このような回路の合成抵抗を求める問題です。
初見では「なんじゃこりゃー!?どう考えればいいんだ…」となるかもしれません。私も最初そうでした。
ここで使う考え方は、
というものです。
この回路の対称性を考えて、a~b点のうち同じ電圧である点を接続した回路は、次のようになります。
はい、ここまでくると、答えが見えてきたかと思います。
この回路は、
と接合された回路になるんですね。ビックリですね。
出題文より、抵抗が50Ωですから、25+12.5+12.5+25=75ということで、答えは75Ωということになります。
今回紹介したように、
というテクニックは、意外と有用です。
この後、どこかの段階で三相交流のお話をすることもあるかと思いますが、三相交流はこの理屈のうち、「電流の流れない電線は取り去ってしまうことができる」というのを利用して電線を減らしたものなんですね。
今回はこの辺にしましょう。
以上。