電気のおはなしその17・オームの法則と抵抗の直列接続
いよいよ普通の電気回路みたいな話です。
オームの法則は、V=IRとかI=V/RとかR=V/Iとかいう式で表されます。これらは確かに、数学的に式を移項すれば3つの式が表す内容はひとつになりますが、数学の記号の「=」が意味するところである、
という原点に戻って考えてみると、
と意味づけることができます。
さて、ここで2つ目の式
を取り上げて考えてみます。
この式が意味するものは、「(抵抗に流れる)電流の大きさは、抵抗の両端に掛かる電圧に比例し、抵抗の大きさに反比例する」というものです。つまり、抵抗というのは「電流の流れにくさ」を表す値という意味になります。
実際に例題を出してみます。
もし抵抗が200Ωなら、流れる電流は2[A]になりますし、抵抗が50Ωなら、電流は8[A]になります。なーんにも難しくありません。
では、抵抗を直接に接続した場合を考えてみます。これはもうご存じの通り、
になりますよね。例えば、100Ωと50Ωを直列につなげば、合計で150Ωです。
これを、例えば自宅から朝出勤し、車で会社に向かう途中に2か所で渋滞にはまったときの例で考えてみます。
空いていれば、家から会社まで35分で着くのですが、20分走ったところで40分の渋滞にハマり、抜けて走り出したら次は30分の渋滞にハマりました。したがって、全部で70分も多く掛かってしまいました。
このとき、自分が会社に向かうのを妨げるものが渋滞ですから、すなわち電気回路で言えば抵抗です。自分が電流です。一直線に流れる電流に対して、その進むのを妨げられてしまう場合、複数個所でそれが起こればその合計分だけ抵抗を受けることになります。これと同じようなものですね。
「抵抗の直列は、それらの合計になる」と当たり前になっていると思いますが、もう一歩掘り下げ、回路を流れる電流の立場になって考えてみると面白い、ということがお分かりいただければOKOKでございます。
次は、抵抗の並列接続の話をしたいと思います。
以上。