電気のおはなしその18・抵抗の並列接続
いきなり問題です。
シンキングタイム・スタート!
・・・チッ、チッ、チッ、チッ…
はい!おっかさん!
すいません土居まさる&クイズヒントでピントを知らないと分からないネタで失礼しました。
改めます。
1秒間に3リットルの水が流れるホースと、1秒間に2リットルの水が流れるホースを並列に接続した場合、当然1秒間に5リットルの水が流れるはずです。
つまり、
わけですね。極めて直感的に理解できる話だと思います。2本ではなく3本であろうと5本であろうと、全く同じ考え方で水の総流量が求められます。
抵抗の並列接続でも全く同じ考え方でいけます。めでたし、めでたし。
(; ・`д・´)<いや、何だかわからねーよ!
…すいません、端折りすぎました。
オームの法則を学校で習ったとき、まずは抵抗の直列接続の場合の合成抵抗値を習ったと思います。たとえば、8Ωと10Ωが直列であれば、合計18Ωになります。
ここまでは良いんです。ここまでは。
直列の次に出てくるのが抵抗の並列接続なんですが、並列接続の公式は、途端に難しい式になり、何だか良く分からないままに暗記させられ、その辺から難しくなって嫌になっちゃうんですよ!(賛同多数)
そこで、抵抗の並列接続の考え方について、とーっても簡単に説明しますね!目から目ヤニウロコ間違いなしですよ奥さま!
抵抗R1とR2を並列にしたときの合成抵抗値は、
こんな式で習いませんでしたか?もしくは、
だったかもしれません。式1は、式2の両辺の逆数を取って、左辺をR=の形に変えたものです。
「何故そうなるのか」を教えられずに、「とにかく暗記しろ」と言われると嫌になるパターンですね。ありがちです。
さて、ここで前回の話に戻ります。
抵抗値Rというのは、電流の流れにくさを表す値でした。Rの値を求めるためには、これも前回の引用で、
ということでした。
最初の、水のホースを並列にした場合の例では、
ということでしたので、「電流の流れにくさ」を表す抵抗値に対して、その逆数、つまり1/Rとして「電流の流れやすさ」を考えます。
そして改めて式2を見てみます。
そうなんです。抵抗は「電流の流れにくさ」を表す値なのですが、並列接続の場合でも「電流の流れにくさ」だけで何とかしようとするから難しい式になっていたわけですね。
なお、抵抗2本の並列の場合に限って、
という公式がありますが、これは式1をちょっといじくれば導出されるものです。しかし、計算してみれば分かりますが、この式は抵抗が2本の場合にしか使うことができないため、3本以上の場合は「どれか2本で和分の積の式で値を計算し、その結果と残りの抵抗とでもう一度公式を使う」という、ひじょーーーに面倒なやり方が推奨されたりするので、これもイヤんなっちゃう原因かもしれないですね。もちろん、式2は何本並列になってもそのまま使うことができます。
今回お話したように、「電流の流れやすさ=抵抗の逆数」というたった一つの視点を取り入れるだけで、
抵抗の並列接続の場合(式2)は、ホースの並列と同じように、個々の電流の「流れやすさ」が和になる
ということを表しているに過ぎないんです。
このように、
直列は、電流の流れにくさが和になる。
並列は、電流の流れやすさが和になる。
という視点を持てるかどうかが、大きな(いや、大きすぎる)分かれ道になりますので、これはぜひ覚えておいてくださいね。
電気の勉強をしていくと、コイルとかコンデンサなど、複雑な挙動をする部品などが出てきますが、コイルだろうがコンデンサだろうが、三相交流だろうが、全ての場合にこの考え方は通用します。
なお、電流の流れにくさである抵抗値「R=V/I」に対して、電流の流れにくさを表す値はコンダクタンスと呼び、「S=I/V」で定義されます。日本語で言えば、電気伝導度とか伝導率なんて呼んでます。もちろん、S=1/Rですね。
以上。
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