大学受験を終えて【ポケットモンスター スカーレット バイオレット 構築記事】

まえがき

こんばんは。世の中、苦しくてつらいことはたくさんあるものです。
その中でもとりわけ苦しいことは「暇」でしょう……。

私事ですが、この度大学への進学が決定し、浪人生活に終止符を打つこととなりました。そうして現在は一切の義務から解き放たれた生活を送っています。義務のない世界とはまことに素晴らしいもので、この世のほとんどのストレスは義務から生じているのではないか、と思いたくなるほどです。朝は9時半まで悠然と睡眠をとり、夜は2時台まで粘り強い夜更かしを披露する。先日、モヤシやニンニクがこんもりと盛り付けられたタイプの健康志向のラーメン屋に行ったところ、注文の仕方を間違えて女性店員に半ギレで対応されたのですが、怒られるという体験が久々すぎて一種の新鮮さすら覚えました。あの店には二度と行きません。

このように素晴らしい生活を送っている私ですが、反対に現状に辟易してもいます。義務のない生活、これでもかというほどに暇なのです。レジャー施設に出かけようにもアルバイトを入れようにも、今は手の空いた学生が大量に街に放牧されているシーズンであり、良さげなものはあまり見つかりません。完全に出遅れたのです。ローマ皇帝出遅れティアヌス、といったところでしょう(笑うのには知性が要る知的なギャグ)。こうして、体力もやる気も有り余っているのにそれを向ける先がない、という状態になってしまいました。貞操帯をつけられたような気分です。人はこれを暇と呼びます。

さて、本題に入ることとしましょう。ポケモンです。小学校の頃、放課後に友達と公園に集まってやっていた、ポケモン。あの頃の友達の顔はもう数人しか思い出せませんが、ポケモンは今でも全部言えます。種族値を言えるポケモンもいます。こんな大人になってしまいました。

暇を持て余した私はせっかく時間があるからポケモンのランクマッチに挑戦してみよう、と思い立ちました。10年近くポケモンシリーズを遊んでいながらランクマッチをしたことのなかった私が育成から始めてパーティを組み、カジュアルマッチで実戦して調整、という流れで組んだ構築。ひとまず、メンツを見ていただくことにしましょう。

画像はパルデアカードマン (cardman.org)というサイトで作らせていただきました。とりあえず、パーティのコンセプトとしては「役割分担」といったところでしょうか。当初は遠山葛西スペシャルよろしくサイクル戦を想定していたのですが、結果は……。ここからは一体ずつ技や特性、割り当てられているポジションを確認しつつ、実戦でどのくらい活躍できたかを見ていきましょう。


シャワーズ

個体値はA欠けの5V。努力値は中学時代の私が適当に振ったままです。熱湯+溶けるで物理アタッカー相手に要塞化しつつ特殊技は数値受けを狙う型。
感想としては、中々積むチャンスが見つからない。後述のピクシーが退場するころには相手も出来上がっちゃってることが多かったです。物理受け要員で入れてはいるものの、元の数値は高くないので交代した途端最初の被弾で落ちるパターンもありました。
あわよくばアタッカー兼任もという魂胆の透けて見える努力値と性格のせいなんじゃないか、という指摘もありそうですが、Cにこれだけ振ってあるおかげでごり押ししたいときに役立ったのでこれでいいんじゃないかなと思っています。ランドロス狩りもできたし。
技の4枠目は初めは冷や水だったのですが、威力が低くて選択する勇気が出ず死に枠になっていました。その後は寝言や守るにもしていましたがピンとこず。今はカイリューを狩るために冷Bにしていますが、カイリューはテラスするので、結局負けそうなときに「凍れ凍れ凍れ!」と連呼しながら選択するだけになっています。今後、バトンや甘えるも試したいところ。


ピクシー

個体値はA欠けの5V。先発出場してステロと電磁波を撒き、あとは交代を読みつつムンフォを打つのがお仕事。このパーティ唯一の皆勤賞です。妨害役でありながら高いDと特性天然のおかげで瞑想を積んでくる相手にはめっぽう強く、テラスを切ったこともあります。
感想としては、相手の一体目が鈍足高耐久だった時にリターンが少ない点が気になりました。撃破もできず、電磁波の意味も薄い。こうなると私が早めの判断で引かなければならないのですが、対戦初心者のためそこの判断が遅れて引っ張りすぎてしまい、相手の起点になる展開が目立ちました。私の成長に期待です。
また、先発に拘り過ぎなくてもいい気もします。先述のシャワーズが途中出場だと持ち味を生かしきれなかったので、物理に偏りがちな相手の時はお休みにしてもいいかもしれません。
いいところを挙げるなら、まずは高い耐久。一発で落ちることはほぼなく、電磁波を当てればさらに2回目以降の行動も保証できます。また、タイプ的にウーラオスに有利なこと、補助技が豊富で何がしたいか読まれにくいこともプラスに働いた要因。私の使い方次第でより活躍できると思います。


ポリゴン2

個体値はA欠けの5V。怪電波で特殊受けしつつ冷Bで攻め、物理アタッカーに対してもイカサマができるというコンセプトなのですが、出番はほぼありませんでした。特殊アタッカー相手なら後述のチョッキバンギラスで殴り合いを挑んだほうがいいのに加え、積み技に乏しいためサイクルを回せなければ「数値で受けれるけど数値でしか受けられない」という印象を受けることが大きいです。ポケ徹の育成論を見ていると育て方は間違っていないようなので、きっと自分の起用方が悪いんだろうなと思いました。でも、新しく使いたいポケモンが出てきたら入れ替えるかもしれません。


炎オーガポン

個体値は、横着して金の王冠を使ったので6Vになっています。俊足物理アタッカーです。はじめは「Sは1でも負けていたら全部無駄になるので振らないほうがいい」という持論に基づいてHに多めに振っていたのですが、オーガポンミラーで先手を取られる事態が多発したこと、そして何よりHに多めに振っていても結局「耐えても等倍2発だろ」というマインドでいる自分自身に気づいたため、Sにしっかり振り切りました。
感想としては、俊足アタッカーとして申し分ない働きでした。炎エスカリボルグとウッドホーンで多くの相手に等倍以上を取れ、またタイプの耐性も良いためハッサムなどに対しては撲殺音頭を踊る余裕もありました。テラスを切るとAが一段階上がるのも助かったポイント。
ガチグマや水ウーラオスといった自分より遅いアタッカーをシンプルな暴力で蹂躙してくれるので大変助かったものの、スカーフウーラオスには一敗。上を取れば勝ち、取られれば負けという分かりやすい構図が成立していたので、ピクシーの電磁波撒きが成功するかどうかに左右される面もあります。今後、ねばねばネットを絡めた戦術も考えてみたいな、と思っています。


マルマイン

個体値はA,C,Sの3V。この配分からわかる通り、一切耐える気がありません。有利な相手に上から10万ボルトを打って一体は持っていきたい、あわよくば襷ミラコでもう一体持って行って最後の一体にも挑発を入れたいという型になります。今見たら性格補正つけ忘れてましたね……。
感想としては、使っていてかなり楽しかったです。上からの10万ボルトで必ず一体は仕留められるし、ガチグマを襷ミラコで粉砕→後続のハバカミに先制挑発で瞑想封じという戦術が決まった時は爽快感がすごかったです。なおその試合は負けた模様。
ただし、見せ合いで電気技の刺さる相手が最低2体はいないと選出しにくいこと、水ウーラオスを狩りたくても選出画面ではフォルムが分からないこと、ボルチェンで引いてもステロを撒かれると襷がつぶれて出しづらいことなど、決まれば楽しくても戦略的には粗削りに感じました。とりあえずボルチェンを別の技に変えるのは要検討だなという感じです。


バンギラス

個体値は6V。SもVなので性格を意地っ張りに変えてもいいかもしれません。砂とチョッキで特殊技を耐えながら殴る鈍足物理アタッカーです。チョッキなのでもちろんフルアタ。
感想としては、役割が多すぎる印象を受けました。ハバカミ、カイリュー、サーフゴー辺りの処理を全部任せてしまっているため、「バンギが1体じゃ足りない!」という感覚でした。
しかしながら与えられた役割をこなすことについては流石といったところで、特殊技は余裕で耐えるので特にハバカミにはめっぽう強い。物理技も積まれていなければ2発くらいまでならしっかり耐えてくれるので殴られる前提で戦っても問題なく、最低でも2体持っていくのは当たり前、と言っても過言ではないように思います。
気になる点は選出するとほぼ確実にテラス枠を持っていってしまう上に砂嵐の仕様上岩タイプ一択になってしまうところで、弱点の多さはやはりバンギラスの永遠のテーマと言えるでしょう。


総括

このパーティで戦った結果、25戦して14勝11敗でした。防御率は3点台中盤なのに他にまともな先発がいないからエース扱いされている投手のような成績です。
当初のサイクル戦構想はどこへやら、ピクシーは電磁波を撒き終えても居座って起点にされ、物理受けシャワーズは不用意に出して積む前に叩かれ、ポリ2はベンチを温める日々が続きました。彼らの持ち味を活かせなかった自分が情けない、というのが率直な感想です。
ビギナーランクから始めてこの成績なので、おそらくマスターランクを目指すのはまだ早いと思いますが、少しずつパーティを改良しつつ彼らを軸に勝負できるチームを作りたいな、と思っています。そして何より、その過程で私自身も成長できれば、という気持ちです。
二郎系のラーメン屋の女性店員の冷ややかな目が見つめていたのは、もしかすると未熟な私の中身なのかも知れません。
あの店には二度と行きません。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?