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高配当ETF比較: SCHD、VYM、HDV、SPYDを徹底分析!

米国株投資における「高配当ETF」は、安定的な配当収入を得る手段として人気があります。特に、SCHD(シュワブ米国配当株式ETF)VYM(バンガード米国高配当株式ETF)HDV(iシェアーズ・コア米国高配当株ETF)SPYD(SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF)の4つは、多くの投資家にとって定番となっています。

今回は、それぞれのETFの基本情報、構成銘柄を比較し、どのETFがあなたの投資目標に合うのか判断する手助けとなれば幸いです。



各ETFの特徴

まずは、各ETFの基本的な情報を見てみましょう。

SCHD(シュワブ米国配当株式ETF)

基本情報

  • 配当利回り: 3.55%(SEC Yield, 30日, 2024/11/21時点)

  • 経費率: 0.06%

  • 配当情報: 配当は四半期ごとに支払われ、長期的に安定した分配が特徴。

  • 構成銘柄数: 103銘柄

  • 設定日: 2011/10/20

  • 特徴: SCHDは、低コストで税効率が高く、ダウ・ジョーンズ米国配当100指数に基づくパッシブ運用のETF。高品質かつ持続可能な配当を提供する企業を重視しており、長期的なポートフォリオの基盤として適している。

構成銘柄上位10社 (2024年11月22日時点)

セクター比率 (2024/09/30時点)

https://www.schwabassetmanagement.com/products/schd


VYM(バンガード米国高配当株式ETF)

基本情報

  • 配当利回り: 2.66%(30日SEC Yield, 2024/10/31時点)

  • 経費率: 0.06%

  • 配当情報: 配当は四半期ごとに支払われ、持続可能な高配当を提供することを目的とする。

  • 構成銘柄数: 536銘柄

  • 設定日: 2006/11/10

  • 特徴: VYMは、FTSE High Dividend Yield Indexを追跡し、高配当株を中心に構成された低コストETF。REITを除外し、安定した配当収益を重視する設計で、長期的なポートフォリオの一部として適している。

構成銘柄上位10社 (2024/10/31時点)

セクター比率 (2024/10/31時点)


HDV(iシェアーズ・コア米国高配当株ETF)

基本情報

  • 配当利回り: 3.56%(30日SEC Yield, 2024/10/31時点)

  • 経費率: 0.08%

  • 配当情報: 四半期ごとに分配。財務的に健全な高配当株に特化したETF。

  • 構成銘柄数: 75銘柄

  • 設定日: 2011/03/29

  • 特徴: HDVは、Morningstar Dividend Yield Focus Indexを追跡し、高配当株を中心にポートフォリオを構成。持続可能な配当を重視し、資産収益を最大化することを目指している。

構成銘柄上位10社 (2024/11/22時点)

セクター比率 (2024/11/21時点)


SPYD(SPDRポートフォリオS&P 500高配当株式ETF)

基本情報

  • 配当利回り: 4.10%(30日SEC Yield, 2024/11/21時点)

  • 経費率: 0.07%

  • 配当情報: 四半期ごとに分配。S&P 500の中で高配当な上位80銘柄で構成されている。

  • 構成銘柄数: 80銘柄

  • 設定日: 2015/10/21

  • 特徴: SPYDは、S&P 500 High Dividend Indexを追跡し、低コストで高配当の米国株式に投資するETF。インカム重視のポートフォリオを構築するのに適している。

構成銘柄上位10社 (2024/11/21時点)

セクター比率 (2024/11/21時点)

株価推移

S&P500も合わせて、それぞれのETFのパフォーマンスを比較してみましょう。

Investing.com
  • S&P500(黒線)

    • 他のETFを大きく上回るリターンを示しており、2015年10月ごろから2024年11月時点までで約187%の上昇を記録。

  • SCHD(紫線)

    • S&P500に次いで高いリターンを示し、約125%の上昇。

    • 長期的に安定した成長を示しており、配当重視ながらもキャピタルゲインも期待できるETF。

  • VYM(赤線)

    • 約96%の上昇。

    • 安定した配当収入とリターンのバランスが良好。

  • HDV(オレンジ線)

    • 約60%の上昇。

    • 他のETFに比べてリターンは控えめだが、配当利回りを重視する投資家に適した選択肢。

  • SPYD(青線)

    • 約55%の上昇。

    • 高配当を維持するが、キャピタルゲインは他のETFに比べて控えめ。

SCHDは配当収益とキャピタルゲインのバランスが良く、安定志向の投資家に適しています。VYMもバランスの取れた選択肢ですが、HDVとSPYDは配当重視でキャピタルゲインは低めです。

どのETFを選ぶかは、リスク許容度や配当収益の必要性、成長期待に応じて判断する必要があります。

配当利回りと経費率の比較

配当利回りは、SPYDが最も高く約4.10%、次いでSCHDとVYMが約3.60%、HDVが約3.56%となっています。経費率は、SCHDとVYMが0.06%と最も低く、SPYDが0.07%、HDVが0.08%です。経費率が低いほど、投資家の手元に残るリターンが大きくなるため、長期投資を考える際には重要な要素となります。

構成銘柄数と分散効果

VYMは536銘柄と最も多くの企業に投資しており、分散効果が高いと言えます。一方、HDVは75銘柄と最も少なく、特定の企業やセクターへの依存度が高くなる可能性があります。分散投資はリスク管理の観点から重要であり、構成銘柄数はその指標の一つとなります。

セクター比率の違い

各ETFのセクター比率を比較すると、以下のような特徴があります。

  • SCHD: 情報技術、金融、ヘルスケアセクターの比率が高い。

  • VYM: 金融、生活必需品、ヘルスケアセクターが中心。

  • HDV: エネルギー、生活必需品、ヘルスケアセクターの比率が高い。

  • SPYD: 不動産、金融、公益事業セクターの比率が高い。

セクター比率の違いは、各ETFのリスクとリターンの特性に影響を与えるため、投資家のリスク許容度や市場見通しに応じて選択することが重要です。

ETFの購入可否

日本の主要な証券会社を通じて、VYM、HDV、SPYDは直接購入可能です。

一方、SCHDは直接購入が難しいものの、2024年9月18日にSCHDに連動する投資信託「楽天・高配当株式・米国ファンド(四半期決算型)」(通称:楽天SCHD)が設定され、楽天証券で購入可能となっています。

さらに、SBI証券では2024年12月20日より、SCHDに連動する投資信託「SBI・S・米国高配当株式ファンド(年4回決算型)」(愛称:S・米国高配当株式100)の取扱いが開始されます。

これにより、SBI証券の利用者もSCHDへの投資が可能となります。

また、SBI証券では米国高配当株ETFであるVYMおよびSPYDに連動する投資信託を提供しています。具体的には、以下のファンドが該当します。

  1. SBI・V・米国高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)

    • 投資対象: バンガード・米国高配当株式ETF(VYM)

    • 特徴: 年4回の決算時に分配金の支払いを目指すファンドです。

  1. SBI・SPDR・S&P500高配当株式インデックス・ファンド(年4回決算型)

    • 投資対象: SPDR®ポートフォリオS&P500®高配当株式ETF(SPYD)

    • 特徴: 同じく年4回の決算時に分配金の支払いを目指すファンドです。

これらのファンドは、米国高配当株ETFに間接的に投資することで、円建てでの投資が可能となり、為替リスクや税務上の手続きが簡略化されるメリットがあります。

まとめ

高配当ETFであるSCHD、VYM、HDV、SPYDは、それぞれ異なる特徴とメリットを持っています。配当利回りや経費率、構成銘柄数、セクター比率、株価推移などを比較し、自身の投資目的やリスク許容度に合ったETFを選択することが重要です。


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