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円相場が150円台に下落:日米金利差と経済指標が影響

円が対ドルで150円台に下落し、これは2カ月半ぶりの安値となっています。主な要因は日米金利差の拡大にありますが、その他にも経済指標や市場の反応が影響しています。今回の動きを詳しく見ていきましょう。


円安の背景にある日米金利差

日米の金利差が想定ほど縮まらないという見通しが強まり、低金利の円を売って高金利のドルを買う動きが活発化しています。これにより円は対ドルで150円台に下落し、2カ月半ぶりの安値となりました。

円の下落ペース

円は9月中旬に1年ぶりに139円台を付けましたが、その後10円以上の下落となり、今では150円台に突入しています。

米経済指標の影響

米国で発表された9月の小売売上高は市場予想を上回る伸びを見せました。これは米個人消費の堅調さを示しており、米国債利回りが大幅に上昇しました。

利下げ見通しの後退

この堅調な経済指標により、米連邦公開市場委員会(FOMC)の利下げ予想が後退しています。11月と12月の会合での利下げ幅は当初の45ベーシスポイントから43ベーシスポイントに縮小し、来年1月の会合でも利下げが行われるかどうかは不透明な状況です。

円安へのさらなる圧力

バークレイズの外為ストラテジスト、スカイラー・モンゴメリー・コニング氏は、米国経済が堅調である限り、円は売られやすくなるとの見解を示しています。特に米国債利回りが上昇する中で、円はアンダーパフォーマンスを見せている状況です。

FRBと日銀の対応の違い

FRBのウォラー理事は、最近の経済データを受けて、利下げの緊急性が以前ほど高くないと述べています。一方で、日本銀行の植田総裁は円安の修正が進む中で利上げには「時間的余裕」があるとし、利上げのタイミングには慎重な姿勢を示しています。

日本経済の現状と円への逆風

足元の日本経済は依然として逆風が吹いており、実質金利はマイナス圏にとどまっています。加えて、海外への資金流出や貿易赤字も続いており、円相場にとって厳しい状況が続いています。

まとめ

円が対ドルで150円台に下落した背景には、日米金利差の拡大や米国の経済指標の強さが影響しています。米国の利下げ見通しが後退する中で、円にとってはさらなる逆風が続きそうです。日本経済がこの円安にどう対応するかが、今後の注目ポイントとなります。


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