ダウが400ポイント上昇、S&P 500は最高値を記録し5週連続の上昇を達成
米国株式市場は金曜日に勢いを増し、S&P 500とダウ平均株価が新たな高値を記録しました。第3四半期の決算シーズンが好調なスタートを切ったことが投資家の期待を後押ししました。この記事では、主要な市場の動向とその背景について解説します。
市場の広範な上昇
S&P 500は0.7%上昇し、ダウ平均は420ポイント(1%)上昇しました。ハイテク株主体のナスダック総合指数も0.45%の上昇を見せましたが、テスラの株価は自動運転技術イベントが期待外れに終わったため7%下落しました。それでもナスダックは過去最高値から2%未満の水準にとどまっています。
アムンディUSの米国株式リサーチ部門責任者であるクレイグ・スターリング氏は「市場の広がりが見られ、今日は良い意味でその影響が大きい」と述べました。
第3四半期の決算が市場を押し上げる
第3四半期の決算シーズンは、特に金融セクターからの力強い結果が市場を押し上げる要因となりました。JPMorgan Chaseは予想を上回る利益と収益を発表し株価が5%上昇、Wells Fargoも予想以上の利益を計上し6%近く上昇しました。収益が予想を下回り、純金利収入が11%減少したにもかかわらず、投資家はポジティブな反応を示しました。
インフレ懸念の緩和
インフレが予想よりも冷却されていることを示すデータが株式市場をさらに支えました。9月の生産者物価指数が予想よりも低く、消費者物価指数のわずかな上昇を補完する形となりました。これにより、連邦準備制度理事会(FRB)がソフトランディングシナリオを実現し、インフレ率2%の目標を達成できる可能性が示唆されています。
金利政策の見通し
CMEのFedWatchツールによると、11月にFRBが金利を0.25%引き下げる確率は約86%とされています。FRBの政策決定者は今後のデータを注視し、それが金利政策の方向性を決定する要因となります。
銀行セクターの役割
ウォール街では、銀行セクターが経済の健康状態のバロメーターと見なされています。今回の決算発表は、シーズン全体のトーンを設定する上で重要な役割を果たしました。ただし、ボーケ・キャピタル・パートナーズのCIOであるキム・フォレスト氏は、今後の見通しに対する明確なガイダンスが不足していると指摘しました。
テスラ株の下落
テスラは自動運転技術に関するイベントで期待に応えられず、株価が7%下落しました。これは他のハイテク株が上昇する中で目立つ動きでしたが、ナスダック全体への影響は限定的でした。
インフレの影響の減少
TradeStationのマーケット戦略責任者であるデビッド・ラッセル氏は、「インフレが緩和するにつれて、この種のデータの影響力は減少している」と述べ、FRBが次の2回の会合で0.25%の利上げを実施する可能性を示唆しました。
まとめ
今回の米国株式市場の上昇は、第3四半期の好調な決算とインフレ懸念の緩和が主な要因となりました。FRBの金利政策の見通しも市場を支える要素となっており、今後の経済指標に注目が集まります。