元社畜の回想❷
前回の回想はこちらから
https://note.mu/kekke_/n/n2fc8443a616a
前回の回想で無事に内定をもらった私ですが、せっかく採用された会社を約4年後には辞めます。
そこには大きく3つの理由があります。
時系列に沿って一つづつその理由をお話ししていきます。今回は1つ目の理由であり、私が元社畜を名乗るきっかけにもなった理由をお伝えします。
私が会社を辞めた一つ目の理由。それは「炎上案件」でした。
IT系ではしばしば耳にする「炎上」という言葉。人によって定義は様々あるかと思いますが、私にとっては炎上というとこの案件を思い浮かべます。
あれは社会人1年目の冬のことでした。当時の私は文系SEとして新人研修を無事に終え、初配属でWeb系の案件で働いていました。当時は四苦八苦しながらも末端機能を実装させてもらえたり、下っ端テスターとして単体テストを任されたりしていました。
そんな中、上司から翌月から案件移動の話を聞かされました。
どうやら他部署の案件で機能拡張の話が持ち上がっており、そこに要件定義から加わってほしいとのことでした。
就活中に「要件定義から持ち前のコミュ力(←文系お決まりのワード)を駆使して、お客さんの要望以上のシステムを作れるSEになりたいです(๑⁼̴̀д⁼̴́๑)ドヤッ‼」とか現実を知らずに上部だけの業界研究知識でアホなことを語っていたので、願っても無いチャンスが早速回ってきたと思いました。
これで結果を出したら同期に一歩リードだなとか浮かれて引き受けたところ、
上司 「じゃ、来月からそっちに参加で。あっ、PMはS君だから頑張って!」
私 「えっ、Sさんですか…」
Sさん。関わったことはないけれど、社内では怖い人、キレキャラ、辞めさせ屋等の良くない噂を頻繁に耳にしていました。
それでも1年目が「Sさんの下では嫌です」なんて言えず、ビクビクしながらも新案件が始まりました。
本案件は客先での常駐作業でしたので、お客さんの会社でSさんと2人で要件定義業務を行なっていました。
要件定義といっても、まだペーペーの私は議事録を作成することが主な仕事だったのですが、Sさんにレビューしてもらおうとしては「何が言いたいかわからない」、「何も知らなすぎ。研修で何やってきたんだよ」、「報・連・相もできないの?」、「そのくらい俺に言わなくても自分で考えて動け」、「なんで動く前に報告しないの?(←矛盾)」、「もうすぐ新人が入ってくるのにこれで大丈夫か」等のありがたいゴミみたいな説教を毎日2時間ほどされ、意見を言うと「はぁ?(威圧)」と言われ、結局議事録の社内レビューが完成するのに2日かかることもザラでした。マジ時間の無駄だったなぁ。
Sさんが帰っても残って作業してたら常駐先のお客さんから「Sさんがイジメてるようにしか見えないんだけど大丈夫?」と心配されたほどでした。それでもなんとか心折れずに辛抱強く耐えていました。この時点で社畜として訓練されていたんだと今になって思います。
ある日、私たちが拡張しようとしている大本のシステム(本システム)の進捗がよろしくないとSさんから聞かされ、そちらのテストと不具合修正を手伝うことも私たちの仕事に追加されました。
本システムの案件にはIさんと言うPMがいました。
この人はSさんと折り合いが悪く、社内会議でもお互いに嫌味を言い合い、他の参加者に「この会議、俺たち参加する意味なくね?」と毎回思わせてくれました。
そんな状況でしたので、本システムの進捗が改善されるわけもなく、メンバーの稼働時間が上がり続けました。残業時間は日に日に増え、私がヘルプに入り始めた月の残業時間は早速80時間以上となかなかの忙しさでした。
それでも本システムのリリースを目指して作業してると、Iさんが通院のため午前休、体調不良で休暇と徐々に休みがちになっていきました。
私はまぁ、忙しいし体調も崩すよなくらいに思っていました。
そんな中である日、Sさんが珍しく2人で話しがしたいと言い、わざわざMTGスペースに行き、こう切り出しました。
Sさん 「Iさんが辞めた…」
本システムリリースまで3ヶ月前のことでした。