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2回目のアミオダロンは4〜5分後に投与しましょう、、、、、、知らんけど。

心肺蘇生の講習会でよく出る質問の一つが、2回目のアミオダロンはいつ投与するのでしょうか?と言うのがあります。古いですけど、今でしょ!と言えたら良いのですが、違うようです。

血管収縮薬を投与しても心室細動や無脈性心室頻拍(VF/pVT)が続いている場合、アミオダロンを300mg投与し、その後も心室細動や無脈性心室頻拍が続いていれば、2回目は150mgを投与、3回目の投与はない等と書かれているのですが、その投与間隔についての記載がなかなか見つかりません。

「アミオダロンを2回投与するようなシチュエーションはあまりないと思います。なぜなら、そこまで心室細動が続くことはあまりない(私の経験不足?)し、もし心室細動が続いていれば循環器内科の先生が来ていると思いますから。アメリカの救急隊の方がアミオダロンを投与するまでに救急要請から19分かかったというデータもあるようですし(JRCニュースレター Vol.5, No.1)。
また、アミオダロンは半減期が長く、副作用も色々ある薬なので、循環器の先生に相談してから使った方が良いと思います。」

と答えたとしても、たぶん、日本人はまじめなので納得しないかも知れません。よって調べてみました。

日本蘇生協議会のガイドラインには、私が見た範囲では記載がありません。新しく発売された以下の本にも、アミオダロンの投与間隔についての記載は見つけられませんでした。

古い資料ですが、【ダイジェスト版】循環器医のための心肺蘇生・心血管救急に関するガイドライン(P.1504)には3−5分後と書かれています。

ヨーロッパ蘇生協議会のガイドライン2021(P.118)には、3回目の除細動後に1回目のアミオダロン300mgを投与し、5回目の除細動後に2回目の150mgを投与するとあります(P.118)。除細動の間隔は2分ですので、4分後になります。
ちなみに、アドレナリンは3番目のショック後とあって、ヨーロッパのガイドラインはアドレナリンとアミオダロンを同時にいくみたいです(threeとthirdと表現が変えてあるのですが意味があるのでしょうか?)。原文は以下の通りです(順番は変えていますが)。
・Give amiodarone 300mg IV(IO) for adult patients in cardiac arrest who are in VF/pVT after three shocks have been administered.
・Give a further dose of amiodarone 150mg IV(IO) for adult patients in cardiac arrest who are in VF/pVT after five shocks have been administered.
・Give adrenaline 1mg IV(IO) after the 3rd shock for adult patients in cardiac arrest with a shockable rhythm.

ロンドン健康科学センターのサイトには5分後とありました。

クイーンズランドの救急隊?のサイトにも5分後と書かれていました。

よくある記載は「VF/pVTが続いていれば投与する」という物です。例えば、STATPEARLSと言うサイトの記事(これ信頼できるのかよく分かりませんが)にありました。今アミオダロンを投与(電気ショック直後)したら、そのアミオダロンの効果があったかどうかは、次の電気ショック(投与2分後)のあとで、その電気ショックが有効だったかは、その電気ショックのまた2分後ですので、やはり4分後以降になるのでしょう。

AHAは新しいACLSのテキストが現在手元にありませんので、明後日アップデートします。

と言う事で、2回目のアミオダロンは4〜5分後に投与することを私見として、かなり弱く推奨します(エビデンスレベルは未確定どころかマイナス?)、、、、、、知らんけど。

それから、日本循環器学会のガイドライン(P.104)によれば、日本人には初回投与量が300mgではなく、125〜150mgが効果と副作用軽減の面で優れているかも知れないとのことです。

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