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アセチルシステイン内服液は0.8mL/kg初回投与しましょう

先に結論を書きます。アセチルシステイン内服液17.6%を投与する場合、

初回 0.8mL/kg(体重50kgならほぼ40mL、つまり2本)
その後 0.4mL/kg(体重50kgなら20mL、つまり1本)

投与しましょう。

先日アセトアミノフェンをたくさん飲んだ患者さんが来られました。アセトアミノフェンは分解されて肝臓を壊すことがあるので、Nアセチルシステインと言う薬を投与して治療します。

その薬は17.6%の飲み薬として売られています。世界には注射薬もあるらしいですが、日本では未発売です。日本で売られている内服液をそのまま注射しても問題ない(理論上)そうですが、それをやって良いかどうかは病院の倫理委員会を通さないといけません。内服液が発売される前は吸入薬を飲んでもらっていましたので、病院が許せばやって良いでしょう、、、、、、知らんけど。
硫黄の臭いがしてとても飲めたものではないらしいですので、注射薬が日本でも発売されると良いです。

さて、そのアセチルシステイン内服液は、初回140mg/kgを内服し、その後4時間毎に70mg/kgを合計(初回も含めて)18回内服するという方法で使います。17.6%溶液をどのぐらい投与したら良いのか?緊急時に計算が出来ません(私だけ?)。何故初回0.8mL/kg、その後0.4mg/kgと併記してくれないのでしょうか。Googleで検索しても(英語のサイトでも)、持っている本でアセチルシステインについて書かれているもの全て、140mg/kg初回としか書かれていませんでした。

よって、ここに書いておきました。緊急時に役立てば幸いです。ちなみにインタビューフォームという書類(「インタビューフォーム 薬剤名」で出てきます)のP.11には以下のような表がありました。0.8mL/kgとも書かれており、ちゃんとあるじゃん!!と思わず言ってしまいました。


何故0.8mL/kgなのかというと、140mg/kg÷176mg/mL≒0.8mL/kgと言う計算です。
17.6%と中途半端な濃度になっているのは、たぶん、50kgの人で1本(継続投与の場合)で済むように作ったのでしょう。

私のブログにも同じ記事を書きました。


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