[第一話]何かを捨てれば何かしら入ってくる
会社を辞めて早3ヶ月が過ぎようとしている。会社を辞める間際の出来事は、もう遠い昔すぎて、あんまり思い出せない。その時は鬱状態でこれ以上続けたら自分が壊れそうな感覚があって、あまり人に相談せずに逃げ出してきた事だけは覚えているのだけれど、今となってはものすごく他人事な感覚になってしまっている。
少なくとも今私は生きている。だから、逃げる判断ができた当時の自分は、地味に勘が良かったんじゃないかと思っている。脱出成功、おめでとう。
会社を捨てたその後
いつものカフェのマスターと、カウンター越しに駄弁っていた。もちろん話題は「次の仕事はどうするのか?」という話。そんな事何も考えずに逃げて来たのだから「わからない」としか答えようがない。ただ前職のトラウマだけはあったから、「私、会社員できないんだと思う。」という分析もクソもないとっても雑な考えを持っていた。
悩んだマスターは、カフェの立ち上げ期にマスター自身がお世話になった、起業家や組織運営のサポートを生業にしている先生を紹介してくれた。お会いさせて頂いた際、ちょうど翌月の頭から先生が担当する企業塾が始まる事を知り、参加させて頂く事にした。会社を捨てたら、先生や起業塾の同期生メンバーとの新しい縁が入って来た。捨てる神あれば拾う神がなんとやらってコトワザ、あれって本当だったんだ。
異色であるということ
起業塾に集まってきた方々は、皆何となくでも自分の「やりたい事」や「自分はコレで食べていく」っていう自身のコンパスを持っていた。Mapもコンパスも無しにうっかり参加してしまった私は、控えめに見ても浮いていた。だがしかし、来ちまったものは最後までやるしかない。好きな事、自分の適性、それらを鑑みた上でビジネスにできそうなアイディアを、形を変えながら何度も捻り出していった。途中詰んで友達に協力してもらいながら、同期メンバーからアイディアを頂きながら、考えて練っていった。
結果、そのどれも「やりたくない」と思ってしまい、振り出しに戻った末今に至る。
諦めでも何でもなく、少し思った事がある。頭で考えているうちは、多分答えなんて出ない。もし答えが出せたとしても、直感や感覚が伴っていないと、自分の判断に説得力が無くなってしまう。私がそう思っているだけかもしれないが、感覚人間にとって、これは結構、大事なことなのだ。
そして、中に浮かせたまま、しばらく迷ってみる事にした。
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