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本当の優しさってなんだろう?

 お文具さんのアニメをご存知だろうか?Youtubeで公開されている2~3分で楽しめる超ショートアニメなのだが、これがまたとっても癒される。小さな子供でも楽しめそうなシンプルでかわいいキャラクター達と、誰も傷つかない柔らかいストーリー。少しずつ頭のネジが抜けているキャラクター達が、作品にとても良い味を出している。私は疲れた時、よくこの作品にお世話になっている。

 令和の世で大人の時間を生きていると、本当に様々な人に巡り合う。ただ一刻の出会いならそんなに気負う必要もないのだが、長い付き合いを見越さなければいけない会社関係の付き合いだと、相手との距離感を、どうしても気にせざるを得なくなってくる。長く付き合う人でなければ分からない事も勿論ある。相手の人と成りとか、好きなこと、苦手な場面、沸点がどこにあるのか等・・・。
 私の所属している会社は部署という概念がない小さな組織なので、今の上司とはもう4年の付き合いになる。だから根にある性格は十分分かっているつもりだ。それでも、当たり前だが人は年月と共に変わっていく。彼もそうだが、私もそう、意識せずとも変わっていく。いくら明確に上下関係があろうとも、口から飛び出す言葉達を制御しきれずに、結果メンタルが自滅する事もある。

 もしあなたの友達が日々のストレスと疲労でげっそりしていたら、あなたならどんな風に関わるだろうか?最近「しんどい」を共有してもらえて救われた場面があったので、ふとその事について考えてみた。

 あの時の救われた記憶を辿って、どうして楽になれたのか、思い返してみようと思う。
 その日、元々は別な話があって、それなら会ってお茶しよう!という名目で一緒に喫茶店に入った。だが、私のメンタルがズタボロすぎて、いつの間にかその話題が主になってしまっていた。気心知れた方だったので、甘えもあって勝手に話し始めてしまったのだが、遮らずに話題に乗ってくれて、ひとしきり吐き出したあたりで、やっと心が現実世界に降りてきた感じがした。吐き出す事って、大事なんだなぁと改めて思う。
 会社は違えど同じ業界で働いていたからこそ、な部分もきっとあった。話をする前は、自分がやらかしてしまった事を、近日社内ニートが爆誕するレベルなのでは?と大事に捉えていた。そんなとき、「私も経験ある」と言われて、もしかして成長過程のあるあるなのかも知れない、と思えた時、少し元気が出た。「上司もきっと分かっていると思うよ」と言ってもらえて、まだ頑張れそうと思えた。

 何よりも嬉しかったのは、一緒にいても絶対に楽しくないであろう状態の時でも、隣で一緒にコーヒーを飲んでくれた事。吸ってしまって申し訳ないと思いつつも、相手を思いやる人のエネルギーには、浄化の作用があるんだなとしみじみ感じた。

 お文具さんの世界にも、どこか近しいものがあるなと、ふと思う。ちょっと疲れたなと思った時、あったかい飲み物を、隣で一緒に飲んでくれる。ただそれだけ。アドバイスをするでもなく、一緒になって、くつろいでくれる。
 本当は、人のエネルギーを浄化するのに「言葉」なんていらないのかもしれない。考えてみればそう、温泉、美味しいもの、サウナ・・・、これらはみんな、ただ心地よさを感じているだけだ。そうか、感じるだけでいいんだ。

 ということは、側にいるだけで十分なんだ・・・。

 

  

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