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東京ヴェルディのサポーターを増やすには??

2001年の東京移転から20年の節目を迎えた東京ヴェルディ。しかしコロナ禍の影響もあり、2020シーズンは債務超過に陥るなどクラブ経営は順風満帆とは言い難い状況である。事態を好転させるには、とにかく東京ヴェルディが好きと思えるファン、サポーターを増やす事が先決ではあるものの、なかなか増えない状況が続いている。

ヴェルディの平均入場者数

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これは、1999年以降の年間平均入場者数をグラフ化したものである(コロナ禍のため、2020シーズン以降は割愛)。一時期はJ1にいながらも平均1万人を割る事があり、東京移転を機に平均入場者数は倍以上に増えたものの、その後はJ2暮らしが多く、平均入場者数が1万人を超えるケースは皆無となっている。

また、1試合あたりの入場者数が1万人を上回ったケースは、直近の5年間では以下の通りわずか3試合のみとなっている。

2017/6/10 J2第18節 vs名古屋グランパス(○2-1) 12,659人
 これは、当時のメインスポンサーであるISPSの冠試合「ISPS DAY」として開催された試合で、小生が東京ヴェルディのサポーターとなった試合でもある。「ISPS DAY」という事で、会長の半田晴久氏が主宰する宗教法人「ワールドメイト」関係者が数多く来場した事で大台を超えた試合であった。
 なお、翌シーズン2018/8/4の大宮アルディージャ戦でも「ISPS DAY」が開催される予定だったが、諸般の事情(恐らくスポンサー更新交渉の決裂)により開催が見送られている。

2017/11/19 J2第42節 vs徳島ヴォルティス(○2-1) 14,541人
 2017年J2最終節は、プレーオフ進出が掛かった大一番であった。NHK BS1でも生中継されるほどの注目を集めた試合でもあり、後半終了間際のMF内田達也(現・ザスパクサツ群馬)のゴールにより勝利し、プレーオフ進出が決まっている。

2018/11/11 J2第41節 vsカマタマーレ讃岐(○1-0) 10,529人
 2018年ホーム最終戦となった一戦。長きにわたりサポートを頂いているMJS(ミロク情報サービス)の冠試合「MJS DAY」として開催され、小中学生5,000名無料招待の試合でもあった。このシーズンもプレーオフ進出に向けて負けられない戦いが続いており、この試合の勝利で実質的にプレーオフ進出が決定した試合であった。それ以降について語るのは、またの機会にしておこう。

これらの様に、「集客力のあるスポンサー冠試合」や「J1昇格が掛かった大一番」である試合については、それなりの集客が見込めるという事が言える。また、アウェイサポーターが数多く集結するという点でも集客に非常に影響が大きく、特に松本山雅やJ1常連のガンバ大阪、セレッソ大阪、近隣ライバルの横浜FCやジェフユナイテッド千葉等の試合では、それなりの集客が見込めると言える。

シーズンチケット、ファンクラブ会員数

現時点でクラブから発表のあった数字をまとめると、以下の通りとなる。

【シーズンチケット会員数】
2019シーズン:1,196人 
2020シーズン:1,113人(▲83人)※2020/3/28時点
【ファンクラブ会員数】
2019シーズン:1,763人
2020シーズン:1,625人(▲138人)※2020/3/28時点

シーズンチケットもファンクラブも伸び悩んでいるのが数字に現れている。スタジアムに観戦せずにファンクラブだけ入会するというファンは、主に遠隔のサポーターでは一定数いるものと思われるが、基本的に首都圏のファンクラブ会員は、ほぼ全員がスタジアム観戦実績があると考えて良いだろう。しかし当然ながら不甲斐ない成績により、退会するサポーターもおり、特にシーズンチケットはシーズン開幕前に購入(事前割引利用など)するケースが多く、昨シーズンの結果を考慮してシーズンチケット購入を躊躇うというサポーターが存在する事もあり、これらの数字を増やす上では、当然ながら「結果」が求められる。

因みに永遠のライバルであるFC東京を例に挙げると、シーズンチケットは約10,000人が購入し、ファンクラブ会員は約20,000人(2018年のデータ)との事で、ともに10倍近くの差がついているのが現状である。2010年にJ2に降格したものの1年でJ1に復帰し、その後はJ1でも有数の規模を誇るチームとして成長を続けているのである。

どうすればファン、サポーターが増えるのか

ファンやサポーターを増やすには、それなりのUX(User Experience)が必要となるが、これはスタジアムへの来場者だけでなく、日頃の生活の中で東京ヴェルディをより感じてもらい、その結果スタジアムに来場してもらう。そしてスタジアムでのUX効果により、継続的にスタジアムに来場してもらうという流れが最も望ましいと考える。

東京ヴェルディは主に稲城市、多摩市、立川市、日野市、八王子市、北区、板橋区がホームタウンとなっている。街頭フラッグの掲示や稲城駅発車メロディ、郵便ポストのヴェルディカラー化など、数多くの取り組みを行っている事は評価したいところだが、実際にこれらの自治体で東京ヴェルディのホームタウンを実感する事は、残念ながら少ないと言えよう。

東京ヴェルディがイベントを開催しても、ごく一部の住民が触れあうという事にしかならないケースが多いと感じられる。特に稲城市や多摩市を管轄する多摩中央警察署の一日警察署長交通安全キャンペーンについては、コロナ禍の影響もあるものの、是非とも復活してもらいたいものである。また実現にはいくつものハードルがあるが、将来的にはスタジアムとクラブ施設、ショッピングモールや高齢者養護施設等を一体化した施設を設ける事で、常に近隣住民に東京ヴェルディを感じさせられる事は可能となる。

自治体の規模的に難しいところはあるが、少なくとも東京ヴェルディの地域活動に協力的な稲城市、多摩市、立川市に関しては、身近なところで東京ヴェルディを感じられる取り組み(大型ショッピングモールでのイベント等)が必要なのではないだろうか。ハードルはかなり高いかも知れないが、多摩ニュータウンを代表する施設である「サンリオピューロランド」で、サンリオのキャラクターとリヴェルンとコラボさせるというのも有効かも知れない。

首都・東京の「ロンドン化」

現時点での有効打はこれ、というのはなかなか見つからない。ただ、現在クラブが取り組んでいるスタジアムでのUX以前に、スタジアムに足を運んでもらう為の取り組みが足りないのは確かである。人口約1,400万人の東京都に、今後FC東京や町田ゼルビア以外にも、クリアソン新宿や南葛SCといったJリーグ百年構想クラブに認定されたチームが数年後にはJに参入してくる。因みにイギリス・ロンドンをホームとするサッカーチームは、アーセナル、チェルシー、トッテナム、ウエストハム、クリスタル・パレス、QPR、チャールトン、フルハムと少なくとも8つのクラブがあり、各々の地域をホームタウンとして活動を続けている。今後東京でも同様に「国盗り合戦」的な方向になる事が予想される。

今からどう取り組んでファンを増やすか、東京で3番目以下のチームとなる前に、早急に対応すべき課題である事は明白である。

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