お着物で作られたケニジャンとは
皆様こんにちはkeniamariliaの座波ですさて今回は、ついにようやく約1年の開発期間を経て完成しました、新商品の発表となります。
このお品はとにかく着物の可能性と着物生地の美しさを日常着にどうやって再現をしようかと考えに考え、悩みに悩み生まれた一品です。着物生地でここまでのことができると証明したく、そしてこのブランドのテーマでもある「新しい和服のスタンダードを」作り、着物の可能性の道を切り開くために絶対に完成させたかった品です。いえ、完成させなくてはいけないと確信したお品でございます。
早速ではありますがお品こと、ケニジャンの紹介をさせていただきます。
Gジャンの3rdモデルをリアレンジし着物でお作りした品でございます。開発は本当に苦労しました、解かれたお着物は1反で繋がっておらずパーツはバラバラです。これらのばらつきのある着物幅に型紙をパズルのように当て込み、勿論限りある生地を余すことなく全部使うが条件です。そしてパターンサイズの微調整を繰り返しながら、こちらが立てばあちらが立たぬの繰り返しでした。
さらにデニムの風合いを再現するため、着物生地と相性の良い布芯を探し連日、芯を張っては固すぎる柔らかすぎるの実験を繰り返すところから始まりました。
洋服には少し使わない柔らかで厚みのある芯が無事見つかり厚さもしっかり再現することができました。
画像は技術者4人でどう型に入れるか唸ってる図です
縫製も勿論こだわりました。なるべく和裁の仕上がりに近づけるため、本来ステッチがデザインであるほど、ポイントになる部分ですがやはり縫い目を表に出すことはしたくなく、胸ポケットの縁以外は全て内縫いで縫い目を無くして1着ずつ国内にて縫製いたしました。
また、パーツが多く細かいので極力縫い合わされた柄が一枚絵に見えるように、やはりステッチは不採用としました。しかし総裏ですので生地を合わせた時重なる縫い代は中で前身頃後見頃合わせて縫い合わせしましたので全く表からは見えない部分ですがそれによって前後生地がずれ動くことがなく、とても安定感のある着心地に仕上がりました。見えない部分の縫製までこだわりました。
そしてもちろん今回も釦ホールはシームレスを採用。全ての必要ヶ所は、穴を開けずに釦ホールを生地を縫い合わせることで開きをつくるシームレス仕様。これだけで何倍も工数増えますが着物に穴を開けることだけ避けたくこの仕様を選びました。
裏地は長袖同様、福井県にて120年の歴史をもつ「東野織物」さんにて実際の着物にも使われる裏地の「同裏」と同じ羽二重を織ってくださって作りました。新しい絹はとてもしなやかで軽く品のある光沢を放ち袖通しが本当に気持ちが良いのです。新たな絹織物と歴史を重ねた絹織物を合わせてお作りしました。本当にたくさんの工数と変数を経て世界でたった1着だけのお品が完成しました。
釦は「ソーオン釦」本来穴を開けピンで固定するタック釦ですがやはりここでも穴を開けることは避けたく縫い付けのさまざまなメタル釦を採用しました。それぞれの柄や質感に合わせて釦が違う種類ですので是非ボタンも注目していただきたいです。
最後になりましたが、この1着が完成されるまでに関わってくださった皆様本当にありがとうございました。
本当に幸運だなと、本当に嬉しかったのはこのケニジャン製作に関わってくださった多くの方の誰もが全く諦めずに最後まで実現させようと尽力くださり関わってくださったこと。次はこの作品を多くの方に届けたいと思います。
まずは近日ございますポップアップにてお披露目でございます。
【日時】
4月14日金曜日12:00~21:00
4月15日土曜日11:00~18:00
【会場】
〒153-0043 東京都目黒区東山3-1-11 サンサーラ東山105
全ては、着物産業の発展、着物文化永続のため
keniamarilia 座波