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FBYと出会ったり離れたりした19年

2024/10/5(土)NEO CLASSICAL 20th SPECIAL@代官山UNIT
FRONTIER BACKYARD(FBY)主催のライブに行ってきた。
FBYは今年でデビュー20周年とのこと。NEO CLASSICALは以前定期的にFBYがやってた対バン企画で、今回は久しぶりの開催だった。
FBYはずっと追いかけていたわけじゃないけど、自分の人生のところどころで深く刺さった大好きなバンド。この夜のライブもすごく良くて、思い出したことなど記録に残しておきたくなったから、初めてnoteを書いてみる。

私がFRONTIER BACKYARDのライブを初めて見たのは2005年のフジロック前夜祭で、前夜祭特有の異様な高揚感もあってめちゃくちゃ楽しくて、SCAFULL KINGのタガミさんたち、ホーンからシンセになってこんなエネルギッシュでかっこいいバンドやってたのか!と感激した覚えがある。
それがきっかけで近くのライブハウスにきたときに見に行くようになった。

どハマりしたのは2008年に3枚目のアルバム『Rock The Boomy Style』が出た頃。
前の年のSCAFULL KING再結成が楽しすぎたからFBYはどうなるのかなーと思ってたところで、急に楽しさが突き抜けたライブをやるようになっていて驚いた。
この曲なんて初めて聴いたときは、音楽の楽しさが詰まりすぎてて衝撃だった。


この頃自分はFBYにかなり支えられていたと思う。もともと余計なことを考えすぎて頭がパンクしそうになってばかりな人間だったから、FBYのライブのごちゃごちゃ考えずに楽しめばいいんだっていう空間がたまらなく好きだった。私の中で第一次FBYブームがきて、2013年くらいまで続いた。

4枚目のアルバム『sunset,sunrise』は東日本大震災のあとに出たのもあって思い出深いし、5枚目の『fifth』も大好きだった。

この曲はツネさんが『fifth』の中でいちばん好きだと言ってた覚えがあるから、今でも聴くとツネさんの顔が浮かぶなぁ。

ライブは毎回来た人を楽しませようとする何かしらの仕掛けを用意してくれている感じで、フロアに降りてきたり、曲の途中で時を止めたり、ライブ終わってないのに楽器片付け始めたり。他にもいろいろあった気がする。
だから何度行っても飽きなかったなぁ。

ライブ以外でも仕掛けを用意してくれることもあって、2012年のフジロックでは、会場内でメンバーに会えたらステッカーもらえるっていうのをやってた。
しかもメンバーは出番の日時とステージがデカデカと書かれたTシャツを着ているっていう。私もFBYの出番前日にレッドマーキー後方でタガミさんにお会いできて、ステッカーいただいてお写真も撮っていただけた思い出がある。

こういう一つ一つが魅力的で、ステージでもそれ以外でも、自分たちがおもしろいと思うことをやってやろうっていう意気を感じることが多くて、素敵な人たちだなーって毎回しみじみ思っていた。

この頃はFBYも大好きだったけど、特にタガミさんのことがめちゃくちゃ大好きだった。
声が好きで、特に高音の歌声が本当に大好き。そして自分の全身とステージとフロア全部を使って来ている全員を楽しませようとするパフォーマンスとか、まわりへの感謝とリスペクトを最大限に表そうとしているのが伝わるところとか、人間味を感じられてすごく好きだった。
タガミさんの弾き語りのライブにも結構通っていた。

そのあと自分が結婚して生活に変化があったのもあり、ライブはあまり行かなくなってしまった。
2016年にギターのケンジさんが脱退したときも、抜けちゃったのかーって少し寂しかったけど、すごく落ち込むわけでもなかった。ただ日常を過ごしていて、音楽はそこまで熱心に聴かなくなっていた。

第二次FBYブームがきたのが2018年。スタジオコーストでやったフルカワユタカさんの周年イベントに誘われて行ったらFBYも出ていた。ケンジさんが抜けてからどんな音楽をやっているのか全然知らずにいたのだけど、まさかのホーンが入っていて衝撃だった。しかもお祭り感が増していて、変化して進化して更にカッコよくもなってて感動したし、この形を創り上げるのにいろいろあったんだろうなーと想像したらウルウルしてきた記憶がある。
この日物販でアルバム『THE GARDEN』を買った。一曲目がいきなりホーンから始まってそれまでとはガラッと雰囲気が変わったけど、でもFBYらしさもあってめちゃくちゃ良くて、ファーストアルバムのような勢いもあったし、タガミさんの声は相変わらず心地よかった。
この曲とかたまらなく好き。


私はもともと「ちゃんとしたい」とか「こうあらねばならない」っていう考えが強すぎて、この時期は家でも仕事でもそういう考えに縛られて自分を追い詰めて、周りにも迷惑かけてしまうことが多かったから、ケンジさんが抜けたあとも、柔軟に自由に音楽を作り続けていたFBYがすごく刺さった。もっと自由でいいんだと思わせてもらえた。

次のアルバム『Fantastic  every single day』もめちゃくちゃ良かった。メロディックな曲が増えて、ゲストボーカル入れたり遊び心もたくさん感じられて、ライブで聴きたくなる曲ばっかりで、このアルバムも大好きになった。

この頃は自分が病気になってしまって、体調の浮き沈みもあったからあまりライブには行けなかったけれど、『Fantastic  every single day』レコ発のO-WESTのライブはサポートフルメンバーで豪華すぎて、最高に楽しかったのを覚えてる。確かタガミさんがインフルエンザになって延期になっちゃったんだよな。だからこそ溜めが効いてて余計に楽しかった。タガミさんがアルコールで喉を消毒するみたいなこと言ってビール飲んでた記憶も。

このあとコロナ禍になって、同じタイミングで自分が中間管理職になってしまい四六時中頭と心が休まらない日々に突入した。また音楽からは少し離れてしまった。
結婚してから夫の影響で格闘技やプロレスを見るようになっていて、この頃はそういうのを見ている方が気持ちが落ち着く感じだった。
身体を壊しやすくなったのもあって、自分の身体と頭と心のバランスを整えるためにブラジリアン柔術の道場に通いだしたりもした。
ちゃんと栄養をとって睡眠とって運動して、身体を労わって生活を整えるのが最優先、みたいな毎日だった。

少しずつコロナも落ち着いてきて、自分の身体と心を乱しすぎない程度に保てるようになった頃、FBYがアルバム『million feelings』を出していたことを知った。
聴いてみたら、ちゃんと生活をしようとしていたこの頃の私にめちゃくちゃ刺さった。今までよりも少ししっとりしていて、寄り添ってくれる感じがあって、でもFBYらしさもあって、すごく沁みた。

このアルバムを出すまでにいろんな試みを続けていたことも後追いで知って、私が悶々としている間もFBYはこの時期の異様な世の中の思いに向き合って、それを音にしていたんだなーと思った。ずっと変わらないFBYの芯みたいなものが伝わって、やっぱり素敵なバンドだなと改めて感じた。

またちょこちょこ情報を追うようになって、今年5月に出た赤いジャケットのアルバム『frontier』は発売されてすぐに聴いて、6月はレコ発のFEVERでのライブにも行くことができた。
私がFBYのライブに行くのは5年以上ぶりで、ステージには二人だけだったけど、ゆったり踊れたり、しんみり聴かせる曲もあったり、すごくよかった。某曲でグラサンかけてちょいディス入れながら歌ってたのとかも笑えて最高だった。ステージ上で全身で表現しながら歌ったり、しっとり伸びやかに歌い上げたりするタガミさんからは、あの頃と変わらず来た人を絶対楽しませる覚悟みたいなのを感じられたし、本当に楽しいライブだった。

ライブの最後に赤いジャケットの『frontier』と初めて見る青いジャケットのアルバム『backyard』を持って出てきて、実は『backyard』も作っていて、ツアー会場限定でこっそり先行販売していたと。
今でもこうやって仕掛けを用意してくれているんだなーとなんだか感動して、やっぱりFBYは素敵だなと思った。
しかも「赤」と「青」っていうのがまた良いなと思った。赤コーナー・青コーナー的な(『極悪女王』見たばかりの今なら長与千種とライオネス飛鳥的な)、見る方向によって見方が変わるっていうか、ここ数年何度も考えさせられたことを思い返したりもした。

そして10/5のライブにも行くことができた。
最初は二人で、途中からサポートが入ったバンドセットになって、最後はまた二人だった。いろんな空気を味わうことができたし、バンドセットのFBYは久しぶりに頭空っぽにして楽しめて、この感じがすごく懐かしくてあっという間だった。「Parties and our music echoes.」ではちょっと泣いてしまった。この日対バンだったthe band apartの荒井さんも一緒に歌った「wish」もよかったなー。最後に二人だけでやった「TOUR CREW」はめちゃくちゃグッときた。

整理番号がよかったから10年以上ぶりに最前列で見たのだけど、タガミさんがステージ前の柵に立ったときに手を握って支える役をさせていただいた。このとき身体のフレームを活かして支えられた気がしたから柔術やっててよかったとも思えた(完全に自己満足だけど)。途中柔術の話を差し込んだのはこのことも書いておきたかったから。

お二人のいでたちもよかった。タガミさんはキャップとTシャツが黒で、パンツとスニーカーが白。タダアキさんはロンTが白で、パンツとスニーカーが黒。黒と白。これも仕掛けだったのかな。

この日会場で来年1月のライブのチケットを売っていたから購入してしまった。これが第三次ブームなのかはわからないけど、まだまだ続きがあるのが楽しみ。
これからの人生がどうなるかわからないし、また離れることがあるかもしれないけど、しばらくは時の共有を続けられたらいいなと思った夜だった。


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