【リリーのすべて】 ★★★★☆ 4/5点。
4月3日鑑賞。2016年 48本目。
#2016映画メモ
世界初の性転換手術を受けたデンマーク人画家
アイナーと、その妻ゲルダとの愛を描いたドラマ。
実話ではないが、実際の彼女の手記を元に作られている。
妻ゲルダも画家で、
アイナーに女性モデルの女装をさせたのがきっかけでアイナーは内なる女性人格を感じ取る。
やがてその人格は「リリー」と名付けられ、
次第に実生活でもリリーとして生活する
比率が増えていき、心と体の不一致に苦しみ始める。
映画としてのクオリティは素晴らしい、
キャストと衣装、全体的に曇りがかった雰囲気に
効果的なピアノの演出は
「キャロル」
と似ていて美しかった。
80年前の時代にトランスジェンダーは
「精神分裂病」
と認識されていた時代に、
勇気を持って、命を懸けて
自分の信念を貫いたリリー(元アイナー)
の姿に心打たれた。
内容は暗い。そして複雑な感情を抱いてしまう、
難しい映画。ただ、それらを美男美女(!)すぎる
リリー役のエディ・レッドメインと
ゲルダ役のアリシア・ヴィキャンデルの悲痛ぶりがすごすぎた。
愛していたアイナーがリリーとなる様を
目の前で受け止められない状況でありつつも
次第に理解していく様は見ていて辛かったが、
最後のふたりの”友情”が起こす結末は感動的だった。
全体に一つのアート作品を見たような印象。