就職して1ヶ月たった
無職期間を振り返って
4ヶ月間、無職だった。
この間、今までは感じたことがない感覚があった。
ネガティブな面が多かった。
ずっと無職であることに負い目を感じていた。
敏感で、ちょっとしたことですぐカッとなったり、すねたりする。
人の言っていることを悪く解釈し、「どうせ自分なんて・・・」という卑下した気持ちになる。
就職前の半月くらいは、特に気持ちが塞ぎ込んだ。
採用された職場以外、すべて不採用になってしまったことを何回も、何回も悔やんでいた。
「結局ここしか残らなかった。」と。
新しい仕事への意欲はほとんど湧いてこなかった。
無職期間は今までのような収入がないので、お金を使うことを控えた。
お金なんか使っている身分じゃないと。
なのに家族は今までのペースで消費しており、そのことでずっとイラついていた。
いい面もあった。
今まで気づかなかったことに気づいた。
ワンコの散歩、鳥の鳴き声や木々の緑、そよぐ風が気持ちよかった。
ああ、気持ちいい!
だんだん暖かくなり、いろんな花が咲きはじめる。
お気に入りは梅の花。
梅の花っていいなあ。こんなにきれいなんだ!!
生まれてこの方、梅の花をみたことがなかった。
正確に言うと、視野に入っていても認識できていなかった。
今までの生き方は、バランスを欠いたものだったのかもしれない。
時間があるのでパン焼き機でパンを焼いたりした。
くるみやイチジクを入れてみたら美味しかった。
カレーを作ってみた。
天ぷらを揚げてみた。
自分が好きな具材を入れて好き勝手に作ったので自分が一番美味しかったと思う。
家族もそれなりに食べてくれた。
ゴミ捨て、洗い物、お風呂掃除、洗濯、雨の日の送り迎えなどをした。
すこしは家族のサポートになったかな。
妻と話をする時間が多くなった。
今まで家族や家庭のことに向き合わず、仕事に逃げていたんだなと思う。
就職した
4月から新しい職場で働き出した。
立場は非常勤。
5名の正規職員の皆さんの事務的なお手伝いをする。
皆さん58歳の新人をどう扱っていいのか戸惑っている感じ。
とにかくできるお手伝いをしていこうと思う。
まだ給料の振込はないが、これからは安定した収入が得られるという安心感はある。
通勤時間が短縮されたので、以前より時間の余裕もある。
朝ごはんを食べるようになった。
出勤前に本を読むこともある。
ストップしていた「ラジオ英会話」を再開した。
明確に示された業務は、事務所に入ってくる情報入力の作業。
それ以外はあまりない。
求人票に書かれていた仕事内容はだいぶ違う。
情報入力は大した作業量ではないので、過去のデータ整理や事務所内の整理をやっていこうとしている。
張り切ってなにか成果を出したいと思っていたが、そんな感じではないみたい。
事務所の業務を見ているといろいろ気づくことはあるが、なるべく余計なことは言わないようにしている。
最初の頃、ちょっと言ってみたがへんな感じになった。
言い方が下手くそだったのかもしれないが、私がしゃべると、過去の経験談みたいな感じになる。
皆さん、今までの感じで働きたいのだと思う。
年配者の経験談は不要なのだと理解した。
業務自体が少ないので、必然的に仕事上のコミュニケーションも少なくなる。
かといって無駄話に加わる気もしない。
私はあくまで事務のお手伝いさん。
日々、新たな業務指示を受けることはめったにない。
することがないので差し障りのない範囲で気づいたことをやっている。
入社前にイメージしていた感じとだいぶ違ってしまった。
楽な仕事といえば楽。
でも、けっこう苦痛になってきた。
ちょっと適応障害っぽい感じもある。
1年契約なので、1年はやり切らなければと思っている。
途中でやめたら余計に自分を追い詰めることになるだろう。
無職で仕事が決まらない状況はもうこりごり。
でも、ほんとうにこれでやっていけるのか不安だ。
そんな現状。