【共通パートのみ】桜花裁き感想 逆転裁判システムはやはり偉大



前書き(読み飛ばしてOK)

皆さんはエロゲを購入される際の判断基準って持っていますか?

・このライターさんなら即買い!
・体験版をプレイして期待がもてそうだから!
・好きな声優さんが出てるから!
etc…

各々がプレイしてきた過去のゲーム経験や、自身の性癖に照らし合わせてプレイするタイトルを決めているかと思います。
一方で自身の判断基準に加え「他人の評価」を参考にする方も多いのでは?

特に私のようなエロゲ初心者は自分の中で明確な判断基準がまだ完成されておらず、歴戦のエロゲーマー達の熱いレビューには非常に助けられています。

個人ブログやXの情報も参考にはしているのですが、世の多くのエロゲーマー達は批評空間というサイトには一度はお世話になったことがあるかと。(匿名がゆえに信頼性が低い、工作疑惑、シナリオ偏重のユーザーが多い等の声もありますが…)

「桜花裁き」は「批評空間」に掲載されていない作品となります。(諸般の事情でブランドページごと削除)

プレイして面白かった作品だからこそ、多くの人が目にするであろう批評空間にページが存在しないのは大きなデメリットと思い、今回感想記事を作成させていただきました。

私のプレイ状況は共通パートまでクリアが完了し、個別ルートが残っています。今回の記事では共通パートのみでの感想とし、個別ルートは別途記事にできたらと…。

桜花裁き(共通パート) 全体を通しての感想

個別での良い点・悪い点は記事後半にまとめようと思いますが、全体を通して質の良いシナリオで、先が気になる展開となっていました。

まさにエロゲ版逆転裁判と言える作品で、共通ルートでは「ADVパート」「捜査パート」「裁判パート」に分かれてストーリーが進みます。

「ADVパート」では裁判パートに繋がる導入、キャラクターの掘り下げ
「捜査パート」では裁判パートに向けての証拠品や証言の収集
「裁判パート」ではこれまで2つのパートで集めた証拠を基に真相の究明
という流れでプレイします。

一つ一つの事件の解決までの流れが統一されているからこそメリハリの効いたストーリーになっていますし、各事件によってキャラクターに感情移入し世界観にのめり込めるよう作られています。

桜花裁きをプレイして、やはり逆転裁判システムは偉大だなと感じました。(裁判システムはダンガンロンパに少し似ているかも…)

もちろん単純に裁判システムが似ているだけでなく、桜花裁き独自の要素も作品としての面白さに貢献していましたね。

桜花裁きの裁判の舞台として、お白洲をモデルに採用しており、現代の裁判の流れとは少し異なります。
町奉行が大きな権限を持って裁きを進めるため、弁護士vs検事のような対立構造ではなく、主人公である「大岡志明」を中心としたプレイ体験となります。
これは主人公への感情移入が重要なエロゲでは上手く機能しており、常に自分事として裁判パートへ臨むことができます。逆転裁判は成歩堂を主人公に据えつつも、俯瞰した立場でキャラクターの心情を追っていたのでエロゲでは白洲式の裁判スタイルの方が合っている印象を受けました。

ネタバレは避けますが、シナリオとしては尻上がりに盛り上がっていくタイプで、後半になればなるほど予想を裏切るような展開が次々と発生し、最後まで飽きずにプレイを終えることができました。

今回私はセールでの購入をしましたが、定価でも十分に満足できるゲーム体験だったと自信を持って言えます。

良かった点

あくまで軽めな歴史要素
人によってはネガティブポイントに捉える方もいそうですが、フレーバー程度の歴史要素は好感でした。

思いっきり史実は無視していますが、あくまでエンタメ作品として深い歴史知識を求められずに気楽にプレイすることができました。

無理に歴史的な言葉遣いを入れず、カタカナ語も普通に登場する割り切り方はよいですね。

テンポよく進む操作パート
一度操作が完了した箇所は選択不可となり、サクサク証拠を集めることができます。
次にどこに行ったらよいかもアドバイスが貰えるため、捜査パートで詰まることはほぼ無いでしょう。

重きを置くべきは裁判パートのため、捜査パートであまり手間取らせないような親切な造りになっていました。
(調べるべき個所が光って強調されているのは非常に有難かった)

好感の持てる主人公
エロゲ主人公は欠点を持たせることによってキャラクターを成り立たせる手法もよく取られますが、今作の主人公である志明は不快要素も無いプレーンタイプでした。

一概にそれがベストとは言えませんが、桜花裁きでは町奉行という立場上、人間的に出来ていて冷静な判断を下せる必要があるので必然的にこういったキャラクターにしたのでしょうね。

ただ新米ではあるので所々感情的になったり、判断ミスももちろんあります。それも周囲のキャラクターからの指摘を素直に受け入れ修正が速いため、成長物語としても満足できるような人間性でした。

メリハリの効いた演出
殺陣のシーンでは水墨画風のCGが用いられ、差分によって動きを表現していました。なかなか一枚絵で戦闘を表現することが難しいADVというジャンルですが、白黒の色彩で外連味を持って描かれており印象的でした。

また、一話が終わるごとにアニメ風の次回予告が挟まれ、次へのプレイ意欲を持たせています。
UIも和風で統一されており、世界観への没入も高かったです。

話が進むたびに見えてくるキャラクターの人物像
本作では各キャラクタごとに「部屋」が用意されており、捜査パートにおいてそれぞれの部屋を覗くことができます。

各話ごとに私物が増えてゆき、同じ間取りでも段々と個性を持った部屋になっていくのを見るのが面白いです。

対話ではなく、捜査によってキャラクターを知ることができ、主人公のモノローグで各キャラの印象が語られるのはまさに逆転裁判システムだからこそ実現できたと言えます。
平気で他人の部屋のタンスを漁る主人公として描写されていましたが 笑

気になった点

ミステリ物としての完成度
本作に期待するべきポイントでは無いのかもしれませんが、序盤は特に気になりました。あくまでもゲームとしてプレイヤーに推理してもらう必要があるとはいえ、序盤はトリックの完成度がイマイチです。

本格推理もので無い場合は犯人や被害者のキャラクターを掘り下げて「動機」に注目させることもありますが、本作ではそちらも弱く、ミステリとしどうかと言われると微妙なところではあります。

舞台の都合上、科学捜査ができないのも痛いですね。「○○が□□していたのを見た」とか「この時間は○○していた」等の証言頼りな展開も多いです。
後半は非常に盛り上がる展開が続くため、序盤を乗り越えたら最後まで一直線ではあります。

「共通パートでは」ヒロインの掘り下げがイマイチ
まだ個別パートがプレイできていませんが、共通パートのメインがやはり裁きであるため、ヒロインとの交流が薄くなっています。
どうしてもヒロインに魅力を感じるというよりは主人公に魅力を感じるような構成になっていますね。

また、各話ごとに主人公の相棒ポジションが変わるのもエロゲとしてヒロインの顔見せをしておきたいという作劇の都合を感じました。

特に幼馴染である平賀理夢の発明家としての活躍を共通パートでもっと見せてほしかった。科学捜査の分野で活躍するかもとは思ったんですがね、、
主人公を支えるヒロインとしてはGoodでしたね!やはり幼馴染は強い。

一番印象が薄かったのは沖田でしょうか。
こちらは個別パートでの挽回を非常に期待しています。

総括

今回はあくまで共通パート終了時点での感想記事のため、これから個別パートをプレイする中で印象が変わることもあると思います。
個別パートがクリアできたらまた記事を書こうと思いますので、その際に全体の総括をさせていただけたらと思います。

というかエロゲの感想記事なのにシーンの話が一切できていない、、、
だって共通ではシーンが一個も無かったんだもの…

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