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[無料]10分で理解する、登山の計画を作る方法

登山をするなら普通は登山計画書を作ります。作ってますか?作ってますよね?作ってるなら作り方は分かってるはずなので、今回はここで終わり!というわけにもいかないし、人によって計画の作り方や内容が違うでしょう。

今回は、主に私がどうしているか?以前はどうしていたか?を書きます。一例なのでもちろん他の方法や内容でも構いません。

対象読者

登山計画を作り慣れていない初心者向けです。計画を作り、実行し、反省するところまでの内容です。

登山計画の内容

登山計画を作るにあたって決める内容、書いておく内容ですが、だいたいこんな感じです。

・誰と行くか?リーダーを誰がやるか(普通はリーダーが計画を作る)
・どこに行くか?
・集合日時
・行程、予定時間やコース
・持ち物、服装、食料、共同装備の有無や分担
・悪天候の場合どうするか?中止判断のタイミングと条件、山行中のエスケープルート

これらを決めてWordなどで文書を作ってもいいし、フォーマットもあるので印刷して書き込んで提出しても構いません。

私はすべてオンラインで済ませています。

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計画を作る方法その1 ガイドブックを参考にする

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登山計画を作る上でめんどくさいのが、アクセスを調べるのと標準的な歩行時間を計算する部分です。最初はどういうコースが優しかったり難しかったりするのかも分かりません。

登山のガイドブックにはアクセスも歩行時間も難易度もすべて載っています。家からのアクセス方法(自家用車や乗り換えなど)を調べて、登山口に何時に着くかさえ分かればあとは歩行時間を足していくだけなので簡単です。

私も登山をはじめたばかりの頃、計画はすべてガイドブックを元に作っていました。歩くコースもガイドブックの通りで、他の歩き方があるなんて思いもせず、本当にガイドブックのとおりに歩いていました😅。

初心者でも簡単に計画を作ることが出来ますが、自由度は低くなります。

ただ、プロが選んだコースなので無理がなく眺望なども考えられておりバカには出来ません。よく行く山域のガイドブックを2,3冊は持っていてよいでしょう。

北アルプスなど遠くのメジャールートに行く場合はガイドブックを使うとアクセスなどを調べやすく楽出来ます。上手く利用しましょう。

計画を作る方法その2 登山地図を参考にする

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ガイドブックに載っているコースをいろいろ歩いて、山と高原地図を見ていると、このコースとこのコースは尾根で繋がっているな、歩けそうだな?などと思うようになります。

そうなったら登山地図を見ながら自分でコースを設定してみてください。山と高原地図にはコースタイムや山小屋、水場やアクセス方法などもわかりやすく載っており、紙版なら簡単なコースガイドも付いています。

登山道は赤い実線として描かれていますが、たまに破線になっている部分があります。破線は『破線ルート』と呼ばれる経験者向けの難路です。破線も無い部分は更に難しいので、初心者の方は赤い実線部分を選んでください(赤い実線部分でも稀に難路はありますが)。

注意点は、コースタイムの設定です。『40~60歳の登山経験者が2~5名のパーティーで無雪期の晴れた日に山小屋を前提とした登山装備を背負って歩く』と設定になっています。休憩時間は入っていません。

当然もっと速く歩ける人もいれば遅い人もいます。自分のペースがどのくらいか分からない場合は少し余裕を持たせてください。

地図のエリア担当者によってコースタイムの表示にクセがあるとも言われますが、そんなに気にする必要ありません。気にしてもすぐに違いが分かるもんじゃないし。

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計画を作る方法その3 ヤマレコで作る

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私がもっともよく利用している計画方法はこれです。ヤマレコで計画を作る場合は、『らくルート』と『ヤマプラ』の2種類があります。

らくルートは地形図の上にコースの線が引いてあって、ポイントや線をポチポチと選んでいくとルートが引かれて時間も計算されます。ポイント毎の休憩時間や、そこを宿泊地とするなども簡単に設定できます。

歩行時間の計算はおそらく傾斜や距離から行っていると思いますが、実際にどのくらい掛かるかは自分でも計算してみてください。計算より長かったり短かかったりしたら自分で修正できます。

コースが引かれていない部分は手動入力も出来るので、人があまり歩かないマイナーなルートの計画を作ることも出来ます。

『ヤマプラ』は山と高原地図のコースを元にしていて、操作感はらくルートに似ています。コースタイムは山と高原地図の物が元になっています。『計画を作る方法その2』で書いた方法の時間計算が自動になった感じ。

コースの手動入力は出来ないし、山と高原地図がカバーしていないエリア(例えば千葉県とか愛知県とか)の登山計画は作れません。

私はらくルートとヤマプラをなんとなく使い分けていて、一般ルートを歩く時はヤマプラを使っています。バリエーションルートが入る場合はらくルートを使っています。

最初は、見慣れた登山地図が表示されるヤマプラがとっつき易いと思います。

計画を作る方法その4 地形図を読んでコースや行動時間を決める

一番複雑なやつですが、一番楽しいです。

地形図などを見ながら歩けそうな尾根を探して自分でコースを決めます。登山地図や地形図に道が載っていなくても、特に東京近郊の山だと踏み跡があったりするので、意外と歩けますし、ヤマレコで検索すれば記録も出てきます。

時間の計算は標高差や距離で計算します。登りなら1時間に標高300~350m登れます。下りなら1時間に500~600m程度ですが、登りも下りも傾斜がキツければ時間が伸びます。自分のペースや仲間のペースを考慮して計算してください。平坦な林道は距離を測って分速70m程度で計算します。上りなら60m/分、下りなら80m/分くらいかな(結構適当)。

コースは地図を見ながら決めるとして、時間の計算はらくルートを使うと楽です。傾斜によってはやや長めに計算されますが、実はけっこう合ってます。

水場やアクセスなど細かい情報は載っていないので、適宜登山地図を併用するか、ネットなどで調べてください。

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計画を作る上のチェックポイント

15時までに下山を終える計画が望ましい
年間を通して、出来れば15時に行動を終える計画にしましょう。冬は日が短く、夏の午後は天候が崩れやすいためです。トラブルが起きて行動が遅れることも考慮して、余裕を持った計画を作りましょう。遅くても、15時くらいには登山道を終えて林道に出られるようにしてください。

コミュニケーションを取りましょう
メンバー同士のコンセンサスが重要です。Zoomやメッセンジャーなどでもいいですが、面識が無かったり付き合いが浅いなら出来れば顔を合わせて事前にミーティングを。リーダー以外の各メンバーも主体的に取り組みましょう。

プランBやエスケープルートを考えましょう
天候の悪化や事故など、状況が悪くなっても自分たちで対処できるか考えましょう。対処できないコースなら計画の変更を。エスケープルートは必ず設定しましょう。もっとも速く林道や車道に降りられるルートを見ておきます。エスケープルートが無いコース(ショートカット出来るルートが他になく、進むか戻るかしかない場合)は撤退時刻を決めておきましょう。

避難小屋や山小屋など、悪天候時やトラブル時に身を寄せられる建物があるかどうかも調べてください。

メンバーの体力に合わせた計画を
体力がない人に無理なハイペースを強いると事故に繋がります。歩くのが遅い人に合わせて無理のないペースで設定しましょう。

1日の行動時間を日帰りなら普通、5時間程度にすると無理がありません。標準タイムで7時間を越えると体力がない人には厳しくなっていきます。

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作った計画は提出してください

計画を作ったら仲間と共有して、警察等にも提出してください。山岳保険によっては計画の提出が事故時の適用要件になっていたりします。

ヤマレコで山行計画を作ってコンパスに提出するのが楽で、私はその様にしています。ただし、ヤマレコプレミアムプランへの加入が必要です。嫌ならコンパスのサイトで直接入力してください。けっこうめんどくさいです。

提出した上で、メールでもいいので、家族、友人、同僚など送っても大丈夫な人に文字情報で行き先を伝えておきましょう。曖昧な情報を口頭で伝えるだけでは不十分です。

登山をしない人に朝の出掛けに「埼玉の両神山に登ってくる」と言っても「埼玉だか茨城だかのなんとかさん」くらいにしか認識されません。

『この時間までに帰ってこなければ通報を』というタイムリミットも伝えておきましょう。伝えておかないと、遭難してもたまたま連絡が無くて遅れてるだけど思われて捜索開始が遅れます。

もちろん、下山したら家族には一報を入れてください。じゃないとのんびりお風呂に入ってる間に捜索が始まってしまうかも知れません。

jROの会員証アプリには登山の開始や途中、終了時に現在地の座標を含んだメールを簡単に送る機能があります。この機能は会員でない方でも使えるのでインストールして、現在地メール送信用として使ってもよいと思います。

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登る山の選び方

ガイドブックで計画を作るなら難易度も載っていますが、地図から計画を作る場合は難易度がよく分かりません。その場合は『山のグレーディング』を参考にしてください。

主要な山の各コースについて体力10段階、技術5段階でグレーディング
されています。

信州だけでなく百名山や各県ごとのグレーディングもあります。

例えば、雲取山は『技術度B 体力度5』です。

技術度B=登山経験が必要で地図読み能力があることが望ましい。沢、崖、場所により雪渓などを 通過、急な登下降がある。 道が分かりにくい所がある。転んだ場合の転落・滑落事故に つながる場所がある。

体力度5=一泊以上が適当

雲取山は最近日帰り出来る山とされていますが行程の長さを考えたら一泊が妥当だし、一泊したほうが楽しく歩けると思います。そこまでルートファインディングが難しいとは思いませんが、行程が長い分分岐は多いですし、一部の区間には滑落や転落のリスクがあります。油断は禁物です。

グレーディングは無雪期の晴天が基準

グレーディングは無雪期の晴天時を想定して付けられています。日本アルプスの山は6月いっぱいまで雪があり天候が崩れれば吹雪になります。

山の難しさはピークの名前だけでなくコースや季節で大きく変わります。同じ山でもコースが違えば全く違う難易度になると覚えておいてください。

グレーディングを参考にして、危険な山を選ばないようにしてください。

最強の危機回避=危険な山に登らない

危険な山とはなにか?

どうあがいても登れそうにない山や自分の実力以上の山は分かりやすく危険です。これは誰でも分かると思います。

条件が良ければ登れるけど、天候や体調次第で危機的状況になる山も危険です。登山は常に良い条件がつづくとは限りません。ある時はたまたま登れても、次の機会も安全に登れるかは分かりません。

グレーディングは自分にとってギリギリの山ではなく、条件が少し悪くなっても登れそうな山を選んでください。ギリギリの山を選んだなら、条件が悪化したら中止や撤退の判断をしてください。

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適切な山を選んでください

自分や仲間に合った山
技術や体力的に、最も弱いメンバーが踏破出来るかどうかが重要です。ブランクがある仲間は直近の体力状況を聞いておきましょう。体力があったはずの人も、ブランクがあると歩けなくなっています。ブランクがあるなら事前にリハビリ山行を企画してください。

目的に合わせて山を選ぶ
植物が見たいのか?雪の上を歩きたいのか?ゆっくり写真を撮りたいのか?テント泊で宴会をしたいのか?食べ物は質素でいいから岩に登りたいのか?など、目的によって装備や山行スタイルが変わります。

テーマを決め、目的のためになにを妥協するかはパーティー内でコンセンサスを得てください。

メンバーが集合時刻に集まれる山
大前提ではありますが忘れがち。始発電車で行っても間に合わないと計画が根本から無理になります。メンバーの居住地から無理なく来られる場所を設定しましょう。当日朝の電車移動が無理なら、前泊や車中泊、マイカー(レンタカー)での計画を考えてください。

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日程調整

複数のメンバーで行く場合の日程調整は『調整さん』が便利です。

山岳イベントやトレランの大会などもチェックしておくとベターです。イベント時は当然混みます。

冬は山小屋が閉鎖されることが多いので、行く予定の山小屋が空いているかどうか調べましょう。普通は予約するので「行ったら閉まってた!」なんてことは少ないと思いますが、計画を完成させてから休業と分かると計画が作り直しになります。年末年始だけ営業している小屋もあります。

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待ち合わせや交通手段を考える

各自の自宅から集合場所、登山口までの移動手段も考えます。公共交通でのアクセスなら、「この時間にこの駅(またはバス停など)に来られる?」と確認してください。無理だと計画が破綻します。

もし始発やマイカーなどでも集まれない場合は計画を見直しましょう。もしくは前泊も考えます。

マイカーの人が多い場合、登山口などの駐車場は狭い場合が多いのでどこかで乗り合わせるなど台数を削減してください。

公共交通機関を使うなら、バスの路線図が見られる『やどココ』が便利です。

ただし、個人で運営されているサイトでデータが古いことがあります。バスが実際に運行されているかどうかはバス会社のWebサイトなどでよく確認してください。

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山行前のチェックポイント

メンバーを決めて計画を作ったらあとは当日までなにもしなくていいかと言えば、そんなことはありません。

最新情報をチェックしましょう
ヤマレコや山小屋のSNSアカウント、現地のビジターセンターなどで最新の情報を入手しましょう。コースの状態(崩壊や積雪、増水など)をチェックしておかないと現地で通行不能だったりして詰みます。

例えば奥多摩なら、奥多摩ビジターセンターの情報は必須です。

ヤマケイオンラインの現地情報も要チェック

天気予報をチェック
嵐は来ていないか?低気圧や前線の動きは?地上天気予報だけでなく
山の天気予報もチェックしましょう。

基本は気象庁。

直近の雨予想ならSCWが鉄板。

tenki.jpもよく見ています。

私はヤマテンに課金しています。

雨が少しでも降ったらやめるのか、多少の雨なら行けるのかは事前に決めておきましょう。とりあえず登山口まで行ってみて、無理そうならやめて観光をして帰るという選択もありです。

でも、さすがに台風が来てたらやめておくのが無難です。台風一過でも山では風が残ったり沢が増水したり道が荒れていたりします。

メンバーの体調をチェック
自分を含め体調を崩しているメンバーは無理させず欠席してもらいましょう。リーダーやサブリーダーが欠席など、計画に支障が出るなら中止してください。

足らないものや忘れ物がないかチェック
チェックリストを作っておくとよいです。慣れてくると忘れ物をします。登山の目的や季節別にリストを作って、準備する時にチェックしましょう。

足らないものがあったら買う必要があるので、出来れば山行の数日前に確認してください。どうしても揃えられないものはメンバーに聞いて、借りられるものなら事前に頼んでください。

テント関連でポールやフライシートを忘れたとか、本体とフライシートの組み合わせを間違えたとかは誰しも一度はやる失敗です。各パーツの有無と組み合わせをよく確認してください。

装備が壊れていないかチェック
登山靴は靴底が壊れていないか、久しぶりに使う場合は30分ほど外を歩いてから靴底を捻って劣化していないか確認してください。足裏で音が鳴ったりボロボロと崩れるようなら廃棄かリソールになります。リソールは6週間ほど掛かるので冬靴なら夏にリソールしましょう。

山行当日や前日に靴が使えないと分かっても買いに行けないので、最低でも3日前には確認しましょう。

他に、バーナーの点火、ガスの残量、水タンクの漏れ、ザックやウェアの破れなども要チェックです。

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水、食料の量はどのくらいにするか?

慣れてくるといちいち計算せずに、夏の日帰りならこれくらい、冬ならこれくらいって感じで持っていけますが、自分の必要量が分からないと最初は不安です。

行動中に必要なカロリーと水の量は同じ計算式で求められます(※)。

5 ×時間(H)×体重(kg)= 脱水量(ml)、消費カロリー(kcal)

60kgの人が7時間歩いた場合は2100mlを失います。
60kgの人が7時間歩いた場合は2100kcalを消費します。

水も消費カロリーも使った分の7割を摂取するようにします。

60kgの人が7時間歩いた場合は約1.5リットルを飲んでください。
60kgの人が7時間歩いた場合は約1500kcalを摂ってください。

宿泊する場合は昼食、夕食、行動食で1500kcalの摂取を目指します。

日帰りなら帰り道や家で食べればいいのでここまで食べなくても大丈夫です。行動食と昼食、万一の場合の予備食を持ちます。私は1800kcalの摂取を目指す登山でも、食べるのは昼食が500kcalで行動食も500kcal程度です。

昼食はパンでもおにぎりでもお弁当でも構いません。 行動食と予備食は糖質、脂質、タンパク質を補給できる物がよいです。エナジーバー、ゼリー、ようかん、ナッツ、せんべい、柿の種、プロテインバーなど。

ハンガーノック(糖質不足で動けなくなる)に備えて、速攻性がある粒ラムネを持っていくのもオススメです。ブドウ糖の塊なのですぐに効果が出ます。

最初は行動食を多めに持ってみて、多すぎたら減らして、少なすぎたら増やして、自分の必要量を見つけてください。

※…歩行距離や累計標高、荷物と体重の重さで計算する方法もありますが、複雑になるのでここでは簡易な計算を紹介しています。知りたい方は下記PDFの71ページをお読みください。なお、拙作のGPSアプリ『ジオグラフィカ』はトラックログによるカロリー計算で『登山における行動中のエネルギー消費量の推定式(中原ら:登山医学,26 巻,2006)』を使っています。

水はしっかり持ってください

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多少は食べなくても死にませんが、脱水症状になると命を失うリスクがあります。特に夏季は水を十分な量を持ってください。水場で補給できる場合もありますが、涸れる場合もあるので最新情報を入手しましょう。

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普通の人はそれなりに食べましょう

訓練すると食事を減らして体脂肪を燃やして行動することも可能だそうです。行動中はあまり食べない人もいます。

普通は食べないと体温が上がらず、天候や装備によっては低体温症になります。特にテント泊での縦走などでは食事の量が減りがちです。ご注意ください。

登山に慣れてくると山中で食べる量が減っていきますが、トラブルが起きたときのための行動食や予備食は持ちましょう。カロリーメイト1箱でもいいですからザックに入れておいてください。

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行程管理のコツ

計画を実行する際は、計画に合わせるためにメンバーに無理をさせないようにしてください。特に歩きはじめでバテさせると行動不能になってしまいます。

開始時間は守りましょう
スタート時間の遅れは1日を通して響きます。スタート時間の遅れをハイペースで取り戻そうとするとバテたり転んだりします。そうならないように、集合時間や計画全体に余裕を持たせてください。

遅れても焦らない
予想より歩くのが遅くて行程に遅れが出ても焦らないようにしましょう。帰りのバスなど、交通機関を使う場合は遅れた場合も考慮して遅い時間まで時刻表をチェックしておいてください。

計画と現実のズレは常に頭の中で計算しておいて、これくらいに下山できそうだというのは意識して行動します(なのでリーダーは結構頭の中が忙しい)。トラブルで遅れて下山が夜中になるなと思ったら腹をくくってビバークも考慮してください。

遅い人を置いていかない、パーティーを分割しない
行動は歩くのが遅い人に合わせてください。遅い人のお尻をひっぱたいても速くはならないしバテれば行動不能になります。

「ゆっくり行くから先に行ってて」と一人で残すのもNGです。人数が多くて班を分けて、無線などで連絡が取れるのならいいのですが、連絡が取れない状況で単独行動をさせると遭難の原因になります。みんなで一緒に仲良く行動しましょう。

記録は大事
各ポイントごとに時刻を記録しておき、次回以降の計画やペース配分に活かしましょう。GPSアプリでログを記録しておくとあとで時間を調べるのに便利です。

反省しましょう
計画や行程管理に不備があったら反省して、次回以降に生かしてください。細かい反省も積み重ねれば大きな財産になります。人は失敗して反省することで成長します。

偉そうに書いてる私も、すべて完璧だった!という山行はあまりありません。毎回反省しています。

こちらもどうぞ。リーダーの振る舞いを長々書いてあります。

完璧でなくても大丈夫です

完璧な計画や行動を目指すととても大変で、登山自体が楽しくなくなってしまいます。ここまで書いたのは理想論であって、完璧でなくても大丈夫です。だいたい、完璧と思っても人間の仕事には穴があるものです。

「奥多摩の高水三山に、軍畑駅から9時から登りはじめて15時に御嶽駅に降ります」も登山計画ですし、それを家族に伝えてあれば事故があっても探しようがあります。

完璧な計画書を作るのが億劫でなにも残さず山に登って行方不明というのが一番困ります。探せません。

最低限、いつどこに行っていつ帰ってくる予定なのかを家族などに伝えておいてください。まずはそこからです。

まとめ

・登山計画はガイドブックやヤマレコを使うと楽に作れます。

・よく情報を集めて、無理のない余裕を持った計画を作りましょう。

・計画を作ったら必ず提出し、家族にも残しましょう。

・山行までの間、天気、道具、体調などをチェックして当日は万全に整えてください。

・水と食糧は必要な量を十分持ちましょう。余るくらいがちょうどいい。

・行程管理は安全第一。時間優先は事故のもとです。

・取り返しがつく失敗なら大丈夫。反省して次回に生かしてください。

・完璧でなくてもいいので、計画は誰かに文字で伝えておきましょう。

余裕を持った計画で楽しく安全登山!

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松本圭司@ジオグラフィカ開発者
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