[無料]夏山を歩くための基礎知識4『虫刺され編』
夏は虫が活発になります。中には刺されるとひどい目に遭う虫もいます。今回はそういうものへの対処法です。
どんな虫がいるか?
ブヨ、ヌカカ、蚊、マダニ、ツツガムシ、スズメバチ、ヤマビルなどが代表的です。どれもそれぞれ厄介ですから刺されたり血を吸われたりしたくないものです。
虫よけ&ヒル避け
ブヨ、蚊、マダニ、ツツガムシなどはディートが入っている虫よけスプレーが効きます。濃度が濃いほうが持続時間が長く、30%で8時間程度効果があります。濃度が薄いものは効果時間が短いので、こまめに再スプレーしましょう。
ディートが嫌いな方は天然系虫よけを。ただし、効果はディートよりは弱いと言われています。
ヌカカ(1mm程度の吸血ハエ)にはハッカ油が有効です。ハッカ油20滴、無水エタノール90ml、水10mlをスプレーボトルに入れて混ぜます(消毒用エタノール+ハッカ油でもいい気がする)。刺激が強いので粘膜(目や口、鼻など)には使用禁止。乳幼児への使用もご注意ください。
虫刺され対策としては、長袖長ズボンが望ましいです。手足の肌が露出していると刺されやすいので虫よけを忘れずに。
顔を覆う防虫ネットなんてのもあります。沢登り中の沢キャンプではこれが便利かも。
ヤマビル避けはコチラ。忌避剤が市販されています。
ただしちょっと高価です。ストッキングや食塩を浸した布を足首に巻くという方法もあるようです。
肌についたヤマビルを無理に取ると歯などが残って化膿の原因になるので、塩やメントール系ボディローションなどを掛けて自分から剥がれるように仕向けてください。
スズメバチは黒い服や帽子に近寄ってくるので、ウェアや装備に黒を選ばないようにしましょう。スズメバチの天敵である熊の色が黒だからと言われています。黒髪も狙われますので、スズメバチが活発な7月から10月くらいは特にご注意ください。
スズメバチは虫よけも効きません。近くにいたら手で払ったり声を出したりせず、反応しないようにして通り過ぎましょう。数が多かったり顎を鳴らして警告してきたら、近くに巣がある可能性があります。低姿勢で速やかにその場を離れましょう。
刺された時の対処法
ブヨ、ヌカカ
沢沿いやキャンプ場などに多い。刺された場所が分かればポイズンリムーバーや5円玉の穴で押して毒液を絞り出してください。絞り出しておくと予後がけっこう違います。ポイズンリムーバーに意味は無いという人もいますが、私は吸い出したほうが早く治ると実感しているので使っています。
ポイズンリムーバーは吸うと人の体液が付くため個人装備です。各自が持ちましょう(人から未使用のポイズンリムーバーを借りたら買い取るか新品を返しましょう)。
抗ヒスタミン軟膏やステロイド軟膏を持っていたら塗り、酷い場合は皮膚科に行きましょう。一度、足がパンパンになるくらい刺されたことがありますが皮膚科で飲み薬と塗り薬を処方してもらい、数日で治りました。
マダニ
マダニは体長2~5mm程度で血を吸うと数倍に膨れ上がります。指で無理に取るとダニの体液が人体に逆流したり、口が残ってしまうので、リムーバーなどを使って除去。ワセリンなどクリームで覆って30分ほど放置して窒息させる方法もあります。
マダニは致死性のウイルスを媒介するので、体調に変化があったら迷わず医療機関へ行きましょう(変化が無くても行ってもいいんですよ)。
ツツガムシ
ツツガムシも刺されると多くがリケッチア症を発症し39℃以上の高熱を発します。山にでかけて2週間以内に高熱が出た場合はリケッチア症を疑い医療機関へ行きましょう(39℃以上の高熱が出たら病院に行くでしょうけど)。
ヤマビル
関東では丹沢と千葉 赤褐色で2~5cm程度
。血を吸われても痛みを感じないので気づきにくいです。血液凝固を妨げる成分が唾液に入っているため出血が止まりません。
消毒後抗ヒスタミン軟膏などを塗りガーゼや絆創膏を貼ってください。
スズメバチ
刺されたらポイズンリムーバーで毒を吸い出し、抗ヒスタミン軟膏を塗ってください。
アナフィラキシーショックは少量の毒でも起こるため、ポイズンリムーバーで吸っても起こりえます。頭や首を刺されれるとアナフィラキシーショックによる呼吸困難のリスクが高まるので状態によっては救助要請をして、刺された本人は動かさないほうがよいでしょう。
と言っても、短時間で進行するので重症の場合はエピペンが無いと死ぬかも知れません。スズメバチに刺された経験があり、アナフィラキシーショックが心配な方はエピペンを携行するという選択肢もあります(実際に持ってる人はとても少ないと思いますが)。
刺されないのが一番です。スズメバチを山で見かけたら慌てず騒がず敵意を見せず距離を取ってください。
まとめ
・初夏から秋の山は毒を持った虫が活発になります。
・虫除けスプレーやヤマビル忌避剤を使って予防してください。
・ポイズンリムーバーは各自持ってください。
・スズメバチに刺されないように注意してください。
夏山を歩くための基礎知識はここで終わりです。夏山のリスクを知って安全に楽しんでください。
わぁい、サポート、あかりサポートだい好きー。