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[無料]山の仲間を作る方法

単独登山は危ないと言われても「一緒に山に登る仲間なんかいねーよ」という人もいると思います。だからと言ってずっと単独で登るのも危険ですし、パーティー登山にはパーティー登山の良さがあります(欠点もありますが)。

今回は、一緒に山を登る仲間を探す方法をご紹介します。

山岳会に入る

王道です。昨今、山岳会は衰退していて数が減ったり新規会員を募集していなかったりしますが仲間を得るには近道です。山岳会は各都道府県岳連のホームページでリンクが張られていることが多いので、嗜好が合いそうな会の例会やお試し山行に参加してみましょう。

ただ、本当に全く登山をしたことがない人が山岳会に行っても、受け入れる側も困るでしょう。初心者歓迎と言っても限度があるし、クライミング系の会に登山装備を何も持っていない人がいきなり行っても断られるかも知れません。

自分の実力と会の雰囲気をよく確認しましょう。そのためのお試し山行です。

利点:多くの仲間を得られる。レベルアップを計れる。
欠点:例会への出席や会への貢献などをしがらみと感じる人には向いてません。会によってレベルや考え方が違う、古い人が多いと技術や考え方も古いことがあります。自分に合う会を探しましょう。

『同会員以外との登山は禁止』という会もあります。それでは困るという方は、入会前によく確認してください。

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友達と山登りを始める

山岳会は敷居が高いと思うのなら、既存の友達と一緒に登山を始めるのもよいでしょう。元々の友達なのだから気兼ねなく楽しく登れるはずです。ただ、体力がしんどくなってくると友情に亀裂が入ったりするかも?互いを思いやる気持ちを忘れないようにしましょう。

途中で登山の方向性の問題から別れるケースもあります。お互いに、自分はどういう登山をしたいのか、相手に無理をさせていないか、負担を押し付けていないか考えてください。

同時に始めたからと言って毎回一緒に登ることもありません。一緒に行ったり別々に行ったり、緩く繋がる程度でいいと思ったほうが気楽です。友達といっても他人ですから。

「絶対一緒!」などと思うと『誘った誘われない』で揉めたりします。いいんすよ、適当で。

かたやお気軽ハイキングをずっとしたい、かたや雪山や岩にも登りたいとなったら、それぞれ別に仲間を探したほうがいいですよね。その後、友達の友達って感じで輪が広がったりもします。嗜好が合うときだけ一緒に登ればいいのです。

利点:始めやすい、気兼ねしなくてもいい。
欠点:成長は遅い、成長は本人たちの努力次第。方向性の違いなどで別れることもある。

成長が遅いという欠点は、一緒に講習会に参加することで解決できます。一人で参加するより敷居が低くなります。おくたま登山学校でも、ご夫婦やお友達同士での参加者をよく見ます。

または、各自で本などをよく読んで勉強し、おすすめの本や雑誌を貸し借りするなどするとよいでしょう。ネット上の情報もお互いに教えあったりしてください。

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山で知り合う

コミュニケーション能力が高い人はこういう事も出来ます。山小屋やテント場で知り合った人と連絡先(ヤマレコのIDとかLINEとかメールとか)を交換して下界で遊んだり一緒に山に登ったり。

同じ山に登るのだから同じくらいのレベルではあるはずで、良い出会いになるかも知れません。ただ、本当にどんな人なのかは分からなかったりします。装備や挙動をよく観察して、危なそうなら付き合い方を考えましょう。

オジサンは女性に声を掛けると普通は嫌がられます。『教えたがりオジサン』も嫌われるので控えましょう。基本的に、オジサンはオジサンと仲良くなるのがいいと思います。

なお、私は全く知らない人と山で一時的に会話することはあっても、その後また連絡を取って一緒に山に登った人はいません。ハードル高いですよ…。

利点:同じくらいのレベルの人と知り合える。
欠点:本当はどんな人か、1回会った程度ではわからない。コミュニケーション能力が低い人には無理。

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講習会で知り合う

私の山仲間はだいたい講習会関係です。自分が受講生だった時に一緒に受けていた仲間や、その仲間の友達などが多くいます。自分が講師をやるようになってからは講習の卒業生とも一緒に登っています。

特に1年間を通して複数回の講習をするような形態の場合、同じ人達と何度も山に登るため自然と親しくなります。泊まりがある講習では夜お酒を飲んで会話をするので親しくならない方がおかしい。

講習会以外で山に一緒に行こうという話が出たりもします。コミュニケーション能力が低い私でも多くの仲間が出来たので、誰でも出来ると思います。

利点:比較的容易に同じレベルの人と知り合える。講習を受けるような意識が高い仲間を得られる。比較的容易。
欠点:講習を何度も受けるため、ややお金と時間が掛かる。

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ガイドツアー登山で知り合う

講習会で知り合うパターンに似ていますが、旅行会社が主催する登山ツアーに参加していると、同じ人に会ったりするようです。仲良くなったら、他のツアーに一緒に参加したり、自分たちだけで登山に行ったりもするんじゃないでしょうか。

私はツアー登山に参加したことがないのでよく分かりませんが。

利点と欠点:講習会のパターンと同じ。

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ネットで知り合う

最近はこういうのも多いかも知れません。ネット上ので付き合いでも、お互いに普段の活動や発言を見ていればなんとなくレベルや人となりが分かるでしょう。

とは言え、ネット上の様子と実際に会ってみてではギャップがある可能性もあります。ネット上の活動がウソだらけだったり…。

本格的な山に行く前に、1回街で会ってみたり、お手軽な低山に行ってみたり、山岳会と同じ様にお試し山行をするとよいでしょう。お試し山行で『ヤバいな』と思ったらそれ以上はやめておくといいかも知れないし、きちんと指摘して(お互いに)改善するとよいでしょう。

いきなりネットで不特定多数の参加者を募集して登山をするのはあまりオススメしません。10年くらい前にそういうことをしてましたが、いろいろ大変でした😅。主催者に相当な知識や経験、統率力が求められます。当時の私にはそれが足りていませんでした。

体力レベルやどれくらい歩けるか分からない人達を統率して安全に登山をするのは本当に難しいです。

なので、ネットでメンバーを募集して、初対面の人といきなり登山をするタイプのマッチングサービスなど見てると「大丈夫かよ…」と心配になります。

利点:出会いのチャンスが広い、多くの人と知り合える。
欠点:どんな人なのか本当のところ分からないのでお試し山行などをしましょう。

ヤバいパーティー登山はリーダーが決まっていなかったり、リーダーが頼りない、メンバーが各自バラバラに行動しているなど統率が取れていません。リーダーが仕事をしているか、メンバーが協力しているかよく観察してください。

パーティー登山で大事なこと

単独でずっと登山をしていた人がパーティー登山をすると、その煩わしさにイライラするかも知れません。単独は気楽ですからね。

特に自分がリーダーになった時、急ぎたいのにメンバーがのんびり写真を撮ってるとか、登山に対する向き合い方が自分と違うとか、『違い』に気を揉むかも知れません。他人のペースや行動、嗜好は自分の思い通りにはならないものです。

複数人で登る時は、各自がどういう登山をしたいのか共有してください。写真を撮りたいのか、山頂で30分まったりしたいのか、お昼ごはんは短時間で済ますのか火を使って料理したいのか、長距離を短時間でガツガツ歩きたいのか、それぞれやりたいことは違います。

その上で計画を作り、特にお互いのことをよく知らない最初の頃は細かく説明してください。「写真を撮りたいメンバーがいるので余裕がある計画にしました」とか「距離が長いのでご飯は短時間ですませます」、行動中は「少し予定より遅れてるので気持ち早めに歩きましょう、でも慌てなくていいですよ」なんて具合に。

黙ってイライラする前に、きちんと言うべきことを言ってのんびりするなり急ぐなりしてください。でないと楽しいはずの山行が楽しくなくなってしまいます。

最も簡単なのは、余裕がある計画を作ることです。時間的な余裕がたっぷりあればカリカリすることなく帳尻を合わせられます。欲張ってはいけません。

予定より遅れても大丈夫と思ってください。リーダーはどっしり構えましょう。多少遅れてバスを逃しても死ぬわけではありませんが、慌てて歩くとバテたり怪我をしがちです。メンバーを思いやり、無理をさせないようにしてください。「思いやり」は大事です。リーダーに最も必要な資質です。

多少の煩わしさはあっても、パーティー登山はいいものです。

山の話をしながら登り、同じ苦しさや楽しさを味わい、1日の体験を反芻しながら帰路に着く経験を積み重ねることは単独では出来ません。仲間がいないとか単独が気楽だからという理由で一人で登っている方は、是非仲間を見つけて登ってください。

私は単独登山もパーティー登山もどちらも好きです。

まとめ

山仲間を作る方法はこんな感じ。

・山岳会に入る
・友達と一緒に登山を始める
・山で知り合う
・講習会で知り合う
・ガイド登山で知り合う
・ネットで知り合う

登山をする人はみんな山が好きという点は共通しているので、なにも共通点がない人よりは仲良くなりやすいと思います。

2021年現在は感染症対策があるので、山小屋でお酒を飲みながら談話するのは難しいかも知れません。が、いずれまたそういう事が出来るようになったら大いに交流するとよいでしょう。

お酒を現地で買えば、山小屋の収益にもなりますし(ただし、飲むのはその日の行動が終わってから)。

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↑涸沢でスーツを着てビールとおでんっていう写真。一人で飲んでた方に頼んで撮ってもらいました。単独の人は単独の人を探すといいですよ。

そしてこのあと、ツアーで来てた団体さんとも仲良くなって一緒に飲みました。そういう交流も楽しいですよね。


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松本圭司@ジオグラフィカ開発者
わぁい、サポート、あかりサポートだい好きー。