当座預金と小切手

皆さんがなじみのある銀行預金といえば「普通預金」ですが、「当座預金」というのもあります。当座預金も銀行預金なので、銀行にとっては負債です。

日本の場合、当座預金は通常、法人が開設します。当座預金は、利息が付かない代わりに、小切手が発行できます。小切手は、当座預金を担保に、金額を任意に記入して支払いに利用できるものです。


小切手も実は「貨幣」すなわちお金そのものです。小切手は、発行人の負債証明書です。小切手を発行した人が負債を計上し、受取人がその資産を受け取ります。


小切手を受け取った人は、担保となる当座預金のある銀行に行けば小切手を「銀行預金」と交換してくれます。

銀行は、他人(発行人)の負債証明である小切手と引き換えに、預金を新たに発行して交換したことになります。

このとき、双方の資産負債総額に変化がないことにも注目しましょう。銀行は±ゼロ、小切手の受取人は資産が小切手から銀行預金に変わっただけです。


小切手を入手した銀行は、小切手の発行人の当座預金と小切手を相殺し、消しこむことで貨幣を消滅させます。

なおこの処理でも、双方の資産負債総額に変化はありません。(小切手の発行人は、もともと当座預金を持っていたのを、支払いの分だけ消滅させたことになります。)


まとめ

以上のやり取りをスライドに再整理しました。

やり取りの前後に、小切手は現れません。つまり、小切手は単なる「媒体」であり、最終的に起きたのは、小切手の発行人の当座預金を、受取人の預金に移しただけです。

これ、とても大切なので、もう一度書きます。

小切手を媒体にして、小切手の発行人の当座預金を、受取人の預金に振り込んだのです。結局、支払いのためにこれをやりたかっただけです。

これが、当座預金と小切手に関するオペレーションです。これも「正しい事実」です。しつこいですが、概念上のイメージではなく、実際に起きている会計上の正しい事実です。

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