事実と意見
いきなり経済とは全く関係ないタイトルで困惑しますよね。最初に「事実」と「意見」の違いについてしっかりと理解しておくことが非常に重要です。正しい事実、嘘、個人的見解といった言葉の意味が、はっきりとわかるようになります。
人の言説は2種類
人が主張する言説は、基本的に「事実」か「意見」のいずれかです。事実とは、他人が検証可能で、誰が検証しても同じ結論が得られます。意見の方はあくまでも個人的な思い・考えで、人によって捉え方が異なります。
簡単な例
事実:「鳥類は翼を持つ」
意見:「猫は犬よりペットとして優れている」
事実の分類
事実とは検証可能なので、検証結果が言説の通りかどうかで、正しい事実か間違った事実のどちらかになります。正しい事実のことを(狭義の)事実と言い、間違った事実のことを嘘・偽りなどと言います。
この「事実」という言葉の二重性のため、ごっちゃにして使うと読者が混乱しちゃいます。そこで今後はなるべく、広義の事実を「事実の言説」、狭義の事実を「正しい事実」と明示します。
簡単な例
正しい事実:「鳥類は翼を持つ」
間違った事実:「犬は鳥類である」
意見の分類
意見とは個人の考えなので、あなた自身が同意できる(賛成)か同意できない(反対)かのどちらかです。また、より深く考えたり、外部からの情報によって、意見に対する賛否が変わることもあります。
意見はあくまでも個人によるので、正しいも間違いもありません。「その考えは間違っている!」という表現に違和感がない人も多いと思いますが、この表現の意図は「倫理的に正しくない」だったり「その意見には絶対同意できない」などであって、意見の真偽ではありません。
典型的な意見の例として、「どこそこの料理は美味しい・まずい」などがあります。評価サイトのコメントは多くが単なる「意見」なので、それを参考にすることの意味はよくよく理解しておきましょう。(他人の「意見」に対して、理屈抜きに同意するのは大変危険)
まとめ
人の言説は、「事実の言説」か「意見の言説」のいずれかに分類されます。
事実の言説は、誰が検証しても同じ結論になります(検証できれば、ですが…)。そしてその言説は「正しい事実」か「間違った事実」のいずれかです。
意見の言説に対しては、個人ごとに「同意できる」か「同意できない」かのいずれかです。また様々な理由で賛否が変化することもあります。
人は驚くほど多くの「間違った事実」を信じています。それは本人が意図せず「正しい事実」だと受け入れただけです。
以降の記事では、なるべく多く検証をしてみせることで、正しい事実を示していきます。これにより、皆さんが知識のアップデート(更新)をする手伝いになれば幸いです。