「"青春"と聞いて思い出す音楽はありますか?」 w-inds. Live Tour 2022"We are"東京国際フォーラムホールAライブレポート
※曲名記載しております。ネタバレ嫌な方はご注意ください。
「この曲を聴くとあの頃を思い出す」
そんな音楽はありますか?
音楽ってこんなに感動するんだと教えてくれた曲
青春と言えばこの曲!
仕事が嫌になった時にそっと背中を支えてくれたあの曲
社会に馴染もうとして、自分を見失いそうになった時に
目を覚ましてくれた曲
皆さんにも思い浮かぶ光景と、思い出させてくれる音楽があるのではないでしょうか。
筆者がちょっと変わっているとすれば、これらの曲が全て同じアーティストという点です。
決して他のアーティストの曲を聴かないという訳ではありません。
素敵だなと思えばMVをチェックして、
サブスクでダウンロードする。
生で聴きたいと思えばライブへ行く。
それくらいには、音楽が好きです。
でも気づくと必ず帰ってくる場所があります。
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10月26日w-inds. Live Tour 2022"We are"を開催中のw-inds.が、3年ぶりに東京国際フォーラムのステージへ帰ってきた。
「Put your hands up into the sky
楽しませるから 今までよりも
We will fly higher than the sky
新たな世界へ 連れて行くから
Let's Dance!」
1曲目は In Love With The Music
このフレーズを歌いあげる涼平と慶太からは、w-inds.としてステージに立つ覚悟が伝わってくる。このツアーは二人体制となり初めてのライブツアーだ。
三人の時と今は比べるものではなく、それぞれの良さがある。
それを踏まえた上で、今日は今までよりも楽しませるから。新しいw-inds.を見せるからついてきて。
静かに、でも熱く燃えるような覚悟に聞こえてきた。
2曲目は「Strip」
デビューから21年が経ち、メンバーは今年37・38歳の誕生日を迎える。数年前には2人とも既婚者となった。
一緒に歳を重ねてきたファンも、当初は学生がほとんどだったが社会人となり様々な仕事や役職、結婚・出産を経て家庭の中での役割が生まれた人もいるだろう。
Stripはw-inds.と同世代の、様々なものを背負い生きる人達には、特に刺さるようなメッセージ性の強い楽曲である。w-inds.はデビュー当時と路線を変え、周りから批判的な声が上がっても、自分たちがかっこいいと思う音楽を貫いてきた。今もなおライブのステージに立ち続け、スポットライトを浴びるw-inds.はまさに歌詞を体現しているようだった。
3曲目はEXIT
慶太の力強い歌声がパフォーマンスを引っ張る。サビに到達すると、同じパワーの涼平の声が重りゾクゾクするような感覚に鳥肌が立ち同時に涙が溢れていた。
なにがそうさせたのか上手く言葉にできないが、二人の声には心と体を大きく揺さぶるパワーがあったのだろう。ボーカル力だけでも充分魅せられることを示すパフォーマンスだった。
この後はDirty Talk、DoUが続く。EXITを含め、昨年のw-inds. Online Show「20XX “We are”」でバンドアレンジが披露され、生で聴きたいと願っていた曲だ。
涼平の「一緒に踊ろう」の言葉に会場のテンションも上がる。コロナウイルスの影響で歓声を出せないライブだが、拍手やペンライトの動き、マスク越しでもわかる生き生きしたファンの表情が会場の高揚感を伝えていた。
DoUでは揃ったダンスと当たり前のようにブレない歌声を披露。2年前からツインボーカルとなったことが信じられないくらい、涼平も安定感のある歌声とダンスパフォーマンスで魅了する。
6曲目はYes or No。慶太の声色が変わりステージの空気が一変した。今までは楽曲から、w-inds.のジャンルに縛られない表現の幅広さを感じていたが、今回のライブでは慶太の声や歌い方のバリエーションからもそれを感じ、改めて驚かされる。20年以上音楽への研究と努力を惜しまず続けてきたからこそ得た実力だろう。
この後は、Say so long、If I said loved youと切ない楽曲が続く。近年は人生観や前向きな励みとなる楽曲の多いw-inds.だが、デビュー当時から言われている切ない楽曲との相性の良さを思い出させてくれるパートとなった。
9曲目のMake you mine ~Trident Rap Editionは、過去に何度も披露してきた人気曲だが、新たに椅子を使ったパフォーマンスが加えられ、グループの持つ品の良さが更に際立つステージとなっている。そしてこの曲の見せ場と言えば終盤にある長めのラップパートだろう。以前は龍一と涼平で分けて歌っていたが、今は涼平が一人で歌い切る。クールな曲だか、涼平の歌声からこのパートを一人で歌う事への覚悟と気迫を感じ胸が熱くなった。
次のSexy Girlでは、慶太がハットを被りスタンドマイクの前に立ちパフォーマンスがスタートする。2番を涼平が歌うのかと思いきやそのままが慶太が歌唱を続け、ソロパフォーマンスであると判明。想像していなかった展開に驚きと嬉しさが込み上げた。
次に流れたのはIn your warmth。涼平のソロがくるのか?と高まっていた期待を見事に叶えてくれた。期待を裏切られるおもしろさもあるが、ここは叶えてくれる嬉しさを感じる展開だった。白い衣装で登場した涼平は、人間離れした透明感と儚さを纏っている。
体でリズムをとりながら、一言一言が届くよう丁寧に歌う姿が印象的だった。
涼平はツインボーカルになると腹を括ってから、ファンも驚くスピードで進化を続け昔から歌っていたかのような安定感と透明感のある歌声を届けている。プライベートでもw-inds.の曲しか聴かなくなったというほど曲を聴き込み体に覚え込ませた努力の結果だろう。この影には慶太による歌唱指導のサポートがあったこともお伝えしておこう。
ソロパフォーマンスの次はLittleを二人揃って歌い上げる。過去のインタビューで”欲を叶えるよりも、小さいところに幸せを感じられるほうがいいんじゃないかな”と気づきその幸せ観を歌詞にしたと語っている。自分は小さな幸せを見逃す様な人間になっていないだろうか。社会人となり忙しい日々が繰り返される日常を思い出し、歌詞が胸に響くのだった。
この後通常であればMCを挟み次の曲へいくところだが、本公演ではインスタライブの生配信が行われた。真面目に話すのが苦手なw-inds.が前面に伝わるような内容だったのではないだろうか。お互いを撮りあう姿や売れていない追加グッズを自虐的に紹介するなど、思わず笑いが漏れてしまうような内容だった。
ギターの準備を済ませた慶太からの「俺たちもう10分くらい話しちゃってるよ!」という言葉を合図に涼平の歌い出しで、134が始まる。
夏に始まったライブツアーも気付けば10月末となり、夏も終わりを迎える。
「夏の終わりに夏っていいなと感じられる楽曲を皆さんに届けたくて」涼平の言葉通り夏の楽しさを感じられる時間が流れる。
続く夏空の恋の詩は、夏のキラキラとした恋を歌う曲で、リリースから15年以上経った今も色褪せないサマーソングだ。
明るい曲の雰囲気に合わせてふざけながら楽しそうに歌う慶太と、メインパートでは正面を見据え全身全霊歌うことに集中する涼平。
対照的な2人だが、お互いを尊重し、それぞれが我が道を行くスタイルだからこそ良いバランスを生んでいるように感じる場面だった。
※アーカイブは11/3(木)23:59までの限定公開
ここからは最新のオリジナルアルバム20XX"We are"から、Show me your love、With you が続く。
w-inds.とファンが作る平和なライブ空間は、まさにShow me your loveの世界だ。同じ空間で好きな音楽を、好きなようにただただ楽しむ時間が流れていく。
With youはコロナウイルスの影響で、ライブが開催されず寂しい思いをしているファンへ向けて作られた楽曲だった。この曲を聴きながら、きっとまたこの時がくると信じて待ち続けた3年だった。二人がステージに立ちこの曲を歌う姿を見ると、”また”を叶えてくれたw-inds.に感謝の気持ちが溢れてきた。
続くのはWe Gotta Go
昨年末のオンラインショーで披露され曲のかっこよさに気づかされた楽曲だったが、今回はそれを生で見せつけられた。終盤の二人の掛け合いではラップらしい力強さがありながらも、品の良さが残るのはw-inds.だからだろう。最後は肩を組みながら楽しそうに歌う姿が微笑ましく映った。
続くMCは楽屋での出来事が話題となる。マネージャーから最近若者の間で流行っている言葉をMCで言ったらうけますよと言われたという。
慶太が「その時俺が思ったこと言っていい?みんな怒らないで聞いてね?」と念押しした上で、「みんな(ファン)そんなに若くないからうけないと思うよ」と発言した事を自ら告白。
「大丈夫。みんなが僕たちの若くてイケイケだった頃を知っているように、僕らもみんなのイケイケだった頃を知ってますから!」と慶太は続けながらも、俺酷いよね、ライブで現実を見せてしまったと反省。
「みんなであの頃にタイムトリップしよう!ここからはそういう曲だから!」と気持ちを切り替えるようにスタートしたのは、2006年に発売されたブギウギ66だ。
当時と変わらない振付にタイムトリップしたような感覚にすぐなれたのは、w-inds.ファンがw-inds.に負けず劣らずの素直さを持ち合わせているからだろう。当時、間奏で涼平がブレイクダンスを披露する姿は衝撃だったが、ダンスボーカルグループが増えた現代となっても珍しいのではないだろうか。
さらに時間を戻すように披露されたのは2002年発売のNew Paradiseだった。こちらも当時と変わらない振付と原曲キーで歌う姿に懐かしさがこみ上げてくる。
そしてあっという間に迎えた最後の楽曲はLong Road
この曲が流れると2016年に開催されたw-inds. 15th Anniversary Liveが思い起こされる。「20周年を迎える」w-inds.とファンが約束をした日だった。メンバー脱退後のインタビューでも”約束した20周年までは続けようと思っていた”と度々発言しており、無かった事にせず思い続けてくれた約束だったのだ。
昨年20周年を迎えた日にもオンラインでお祝いはしていたが、ステージでLong Roadを披露する姿を見て、この瞬間こそが約束への答えに感じた。w-inds.の想いに応えるように動きが揃うファンが持つ青いペンライト。
サビでは振付に合わせて、w-inds.とファンが空に向けて指を指す。
そう、この光景が見たかったの。
約束を守ってくれてありがとう。
また涙が込み上げてきた。
今度はきっと一緒に歌える。
そんな未来への予感を残し、拍手に包まれながらライブ本編が終了した。
その余韻のままアンコール1曲目の
Forever Memories へ。w-inds.のデビュー曲である。21年間の記憶が蘇ると共に、20周年・21周年を同じ空間で祝えなかったファンへ向けて、今までの感謝を伝えてくれているようにも感じる時間だった。
「これが本当に最後の曲です」
流れ始めたのは、Beautiful Nowだった。二人体制となり初めてリリースした、w-inds.にとってもうひとつの始まりの曲。今までに何度この曲がファンを支え、背中を押し、w-inds.とならまた同じ空の下で会えると信じてさせてくれたことだろう。
この日を迎えられたのは紛れもなく、w-inds.が自分たちの力を信じ、ファンを信じ、光が見えなくても歩みを止めず、挑戦し続けてくれたからだ。
「また会いましょう」
久しぶりにこの約束を残して、
w-inds.がステージから去って行く。
20周年Yearにはアルバム名やオンラインショーの時に、ずっと付けていた20XX(トゥーオー)が無いライブタイトル
20XX"We are"の収録曲で唯一歌われなかった(クリスマスソングと再録された曲を除く)曲
そして、二人の始まりの曲で終わる最後
寂しさが0かと言ったら嘘になるが
このLiveがw-inds.にとってまた新たな始まり。
そう言っているような気がしてw-inds.との未来に期待と希望が膨らむ次へ繋がるライブだった。
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彼らを昔聴いていた人たちからよく聞く言葉
「w-inds.は青春だった」
その青春から離れたのは、w-inds.が変わったから?
それとも社会の中で、その人が青春から離れざるおえなくなってしまったから?
いつも青春の時のようにはいられないかもしれません。
それでもライブ会場に来て様々なものを取っ払って、あの頃みたいに目の前の光景に目をキラキラさせて、思いっきり笑って、泣いて、自然と体が動いて、かっこよさに声が漏れそうになる。
そんな自分に戻れる時間を久しぶりに取り戻してみてはいかがでしょうか。
私にも行けなかった年があります。これからまた行けない時がくるかもしれません。
それでも帰る場所がある。
それだけで日常の景色が変わる。
そう思っています。
2022.10.29
「w-inds. LIVE TOUR 2022 “We are”」
千葉・愛知公演(振替)チケット一般発売中!
■11/5(土)17:00開演 【愛知】日本特殊陶業市民会館 フォレストホール
受付期間:10月19日(水)10:00〜
▼チケットぴあ
https://w.pia.jp/t/w-inds-a/
▼ローソンチケット
https://l-tike.com/w-inds-tour2022/
▼キョードー東海チケットオンライン
http://kyodotokai.pia.jp
▼イープラス
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▼楽天チケット
http://r-t.jp/winds
■11/18(金)18:30開演 【千葉】市川市文化会館 大ホール
受付期間:10月19日(水)10:00〜
▼チケットぴあ
https://w.pia.jp/t/w-inds22/
▼ローソンチケット
https://l-tike.com/w-inds2022/
▼イープラス
https://eplus.jp/w-inds/
「w-inds. LIVE TOUR 2022 “We are”」大阪公演の振替日程が決定
【振替公演】
■【大阪】グランキューブ大阪公演
9/19(月・祝) 17:00開演 【大阪】グランキューブ大阪 メインホール
↓
12/18(日) 17:00開演 【大阪】グランキューブ大阪 メインホール
w-inds. FAN CLUB LIVE TOUR 2023 開催決定
〜Bring back memories〜
これまでライブで披露したことのない楽曲で構成される予定です!
■2023年1月7日(土)
16:00/17:00 【福岡】Zepp Fukuoka
■2023年1月9日(月・祝)
16:00/17:00 【東京】Zepp Haneda(TOKYO)
■2023年1月12日(木)
17:30/18:30 【愛知】Zepp Nagoya
■2023年1月14日(土)
16:00/17:00 【大阪】Zepp Namba(OSAKA)
w-inds.公式サイト
https://www.w-inds.tv
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