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秋の記憶(短編小説)
執筆者
#有度の里 #Ishikawa・Hironao
敬老の日に関する物語を書いてみました。この物語はフィクションであり、実在の人物と団体とは関係ありません。
山田婆さんの家にドアを開ける男の子
山田婆さんは、小さな山の町の一軒家に住んでいた。家は古く、庭には柿の木や花々が咲いていた。彼女は毎日、庭を見ては季節の変わり目を感じていた。
敬老の日の朝、山田婆さん家ののドアを叩くと音がした。彼女は長い間、訪問者を迎えたことがなかったので、驚いてドアを開けた。そこには、小さな男の子が立っていた。
「おばあちゃん、こんにちは。近くに住んでいる太郎といいます。今日は敬老の日だから、おばあちゃんにプレゼントを持ってきました。」太郎は嬉しそうに言った。
山田婆さんは目を細めて言った。「あら、どうしたの?」
少年が持ってきたのは花と手作りクッキーだった。
彼が持ってきたのは、花と手作りのクッキーだった。山田婆さんは感動して涙がこぼれそうになった。
「ありがとう、太郎君。こんなに素敵なプレゼントをもらったのは久しぶりだよ」庭でお茶を飲みながら、山田婆さんの昔の話や太郎の学校の話をした。山田婆さんは、太郎に自分の若い頃の話、恋の話をした。太郎はその話に目を輝かせ聞き入った。
「おばちゃん、今日は楽しかったよ。また遊びに来るね」
山田婆さんは微笑んで太郎を送った。少年の訪問は彼女の心に深く温かいものを残していった。
敬老の日は、ただの日ではなく、世代を超えて心を繋ぐ大切な日であることを、この日の出来事は教えてくれた。山田婆さんは、花を手に取り、微笑んでいた。
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