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夢を紡ぐ枕(短編小説)

執筆者
#有度の里 #Ishikawa・Hironao
#枕
介護施設・枕に関する物語を書いてみました。この物語はフィクションであり、実在の人物と団体とは関係ありません。すこしでも福祉の魅力について知ってもらえると幸いです。


施設「ひまわり」で枕の取り組み


施設「ひまわり」に住む高齢者たちは、人生の終盤を穏やかに過ごしている。この施設の特別な存在が、なんと枕である。それぞれの高齢者の頭の形や好みに合わせて作られており、施設の職員、田中はこの枕の取り組みを始めたきっかけの一人である。

こだわりのきっかけ

ある日、田中が施設に赴任して間もないころ、高齢者の杉村さんに出会った。杉村さんは脳梗塞の後遺症で左半身が麻痺しており、長時間寝たきりの生活が続いていた。

田中:「杉村さん、この枕はあなたのために特別に作りました。少しでも楽に休めるといいですね。」

優しく声をかけると、杉村さんは驚きの表情を見せた。

杉村「私のために?こんなによい枕を、、、ありがとう」

杉村さんがその枕を使用し始めると、顔に苦しみの表情が減少し、安らかな眠りをとるようになった。さらに、杉村さんは日々の痛みや不安感から解放され、最後の日々を笑顔で過ごすことができた。

杉村さんが亡くなる前の夜

ある晩、杉村さんが亡くなる前の夜、田中が彼女の部屋を訪ねた。すると杉村が田中の手を握りだした。

杉村:「この枕のおかげで、わたしは最後まで笑顔でいられる。本当にありがとう」

と涙を流しながら言った。

田中:「杉村さん、笑顔を見ることができて、良かったです。これからも幸せな枕をプレゼントしたいです」

このエピソードがきっかけで多くの高齢者たちが、自分だけの枕を持つようになって、小さな幸せとなっているそうです。今も田中は職場でこの枕へのこだわりを伝えている。

社会福祉法人恵和会をぜひよろしくお願いします。サポート費用はしっかりと活動費用として使わせていただきます。