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#28 めでたさも中くらいなり
1月15日は小正月。
宮中では、
一年間の健康を祈り
小豆粥を食べるそうです。
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コロナ禍は、
なかなか収まりませんが、
今年一年を健康に
過ごしたいものです。
めでたさも
中くらいなり
おらが春
と詠んだのは、
江戸時代の俳人
小林一茶
春とは正月のことですが、
「めでたさ」が
中くらいなのは
なぜでしょう?
江戸時代は、
今と違って、
1月1日に
誰もが一緒に
年を取りました。
これが数え年。
今でも、
厄年の時などに
登場しますね。
正月はめでたいと
誰もがお祝い気分ですが、
冷静に考えれば、
ひとつ年を取って、
残りの人生が
一年短くなったと思うと、
無邪気に
喜んでばかりもいられない
と言ったところでしょうか。
アニメでもおなじみの
一休さんも、
正月は冥土の旅の一里塚
めでたくもあり
めでたくもなし
と、
皮肉っぽく詠んでいます。
いずれにしても、
人には必ず
生と死が、1回ずつ
平等に与えられています。
避けられない現実から
目をそらすのではなく
楽しむくらいの
心の余裕を
持ちたいものです。