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東大生が勝手に語る約一年間でデッドリフト 300kg 挙上する方法

概要

私は2020年8月から本格的にウエイトトレーニングを開始し、2021年10月30日にデッドリフト300kgを挙上することに成功しました。


ここでは、僕が約 1 年間でデッドリフト300kg を挙上するために行ってきたことを紹介していきたいと思います。 あらかじめ伝えておきますが、トレーニングの成長具合や身体の強度は人それぞれなので、 僕の方法を真似しても記録が伸びないであったり、怪我をしてしまったりしても一切の責任は取りませんので、そこのところ承知ください。
また、この記事では項目ごとに主に参考にした動画を載せておきますので興味のある方はどうぞ。

Profile

まず、僕のプロフィールを紹介したいと思います。
身長:180cm
体重:2020/8/1(トレーニング開始時)70kg、2021/11/1(現在)約90kg
スポーツ経験:
 小学校時代に野球とソフトボールと水泳、中学から大学の途中までハンドボール。
トレーニング歴:
高校から大学の部活在籍時に不定期に友人と一緒に。本格的にトレーニングを本格的に開始したのは2020/8/5。

最重要事項

まず、個人的に最も重要だと思う点を紹介します。

 ズバリ、根性です。

やはり、Dead or Lift と名前が付いているぐらいなので、死ぬ気であげないとデットリフトは成長しないと考えています。ただ、闇雲にあげようとしても怪我の原因となるので、極限まで集中力を高め、その収集力が持続できるだけの少ないセット数、 rep 数で集中して行いましょう。その集中力を高めた状態で、己の全てを出し切るくらいの 気力を振り絞りましょう。詳しいセットの組み方は次のトレーニングメニューの章でご紹介します。

次点で重要なのは腹圧です。やはりいくら精神統一して集中力を高めてもフォームが崩れてしまうことはあります。その時に腹圧が決まっていば、少しフォームが崩れたぐらいでは怪我はしません。僕もこの一年デッドリフトに注力しましたが、腰は一度軽く痛めたぐらいです。
あとこの話は+αですがバキュームができると腹圧が高められるように感じます。 バキュームを知らない方もいらっしゃると思うので軽く説明します。バキュームはお腹の空気を抜いてお腹を極限まで凹ませることで、クラシックフィジーク選手やボディビルダーがコンテストの際に用いています。

余談ですが、今年のオリンピアのチャンピオンであるビッグラミーがバキュームっぽくフロントリラックスをポーズしていたことには衝撃が走りました。それはさておき、これができるようになると腹圧を入れる際にお腹を少し引っ込 めるのがストレスなしでできるようになり、より腹圧が決まりやすくなった実感がありま す。僕は筋肉翻訳さんの動画を見て練習したので余裕がある方は参考にしてください。

トレーニングメニュー

2020 年中の約 5 ヶ月間は 3~4 分割で週 5 回前後まず、第一期の 3~4分割の時期です。

Day1 ;背中(懸垂とハンマーストレングスのアイソラテラルロー)
Day2 :胸(ベンチプレスとインクラインダンベルプレス)
Day3 :脚(スクワットと相撲デッドリフト)
Day4 :肩

このスプリットルーティーンを採用していた理由としては、胸と足の筋肉痛が回復するのに約 3 日かかるためでした。背中はもう少し早く回復していたのでもう少し頻度をあげても良かった気もしますが、脚の日に行う相撲デッドで多少は背中に負荷がかかるのでちょうど良かった気がします。 

ここで、疑問に思った方いると思います。

デッドリフト300kg の動画はコンベンショナルじゃないの?

そうなんです。実は筋トレを始め約半年はコンベンショナルデッドリフトは行わず、相撲デッドのみしかやっていなかったんです。まあ、理由としては当時パワーリフティングに出たいと思っていたのでより重量が扱える相撲デッドを採用していたといった感じで深い理由はありませんでした。それからワイドスタンスのフォームがカッコ悪いと思い始めたこと、ボディメイク志向になったことが重なり、ナロースタンスのデッドリフトを練習し始め、2021 年 3 月 にはナロースタンスに完全移行し、相撲フォームをやらなくなりました。 

ただ、この経験は非常に良かったと感じていて、ナローデッドリフトを初めたばかりの人は挙上中に目眩がして重量が扱えない人が結構多いと思うんですよ。僕もそうでした。 ただ、相撲デッドだと可動域が狭く、ナロースタンスに比べて目眩がしにくい。あと、背中 や腰への負荷が少なく脚のトレーニングの日に気軽に取り入れることができるという利点 があります。これらの利点からトレーニングを始めてからは相撲デッドリフトを採用して いました。この結果、相撲フォームではありますが約半年で 260kg まで無理なく伸ばすことができました。

トレーニングメニュー②

2021 年に入ってからは分割は行わず、上半身はほぼ毎日週 6~7 回下半身はスクワットと デッドリフトを 5~10 日に 1 回を目安に行っていました。

この頻度は Shofitness さんの中上級者プログラムを自己流にアレンジして導いた数字です。

具体的なメニューは以下の通りです。

ほぼ毎日上半身のメニューを一種目 5 セット程度取り入れ、プラスアルファでスクワットとデッドリフトがある日はそれを追加するという形です。スクワットはデッドリフトの次の日に行っていました。
もちろんその分スクワットの重量は落ちてしまいますが、デッドリフトはフルパワーで行いたかったためと、デッドリフトのサイクルを早めるためにそうしていました。また、ほぼ毎日懸垂を行っていましたが、デッドリフトの前日は疲れを残さないように懸垂は行わないようにしていました。
また、脊柱や腰の疲労が激しい日にはスクワ ットをカットしていました。これもスクワットの成長を遅らせる要因ではありましたが、僕の中ではデッドの方が優先順位がはるかに高いため、そうしていました。このようにメニュ ーを組んだ結果、ナローデッドリフトは半年で 200kg5rep ぐらいだったのが260kg5rep 挙上できるようになりました。

トレーニングメニューからの学び

以上の経験より、重要だと思ったポイントを 3 つあげます。

 1つ目がナロースタンスのデッドリフトと相撲デッドリフトを上手く使い分けるのが重要なのではないかということです。先ほども説明したように相撲デッドだと可動域が狭く、ナロースタンスに比べて目眩がしにくい点、背中への負荷が少なく、スプリットルーティーン の場合は脚のトレーニングの日に気軽に取り入れることができる点、重量慣れできる点か ら初心者こそ相撲デッドリフトを行うべきではないかと個人的には思います。

2つ目が、背中のトレーニングボリュームを増やすということです。僕はほとんど毎日懸 垂を行って、背中の筋力向上に努めました。グリップの持ち方を変えたり荷重したりすることで刺激を変えながら毎日 5 セット程度行っていました。ただ、追い込みすぎると次の日 以降高いクオリティの懸垂が行えなくなるため、追い込み過ぎは厳禁です。次の日がオフの場合は回復時間が長いのである程度追い込んだ方がいいかもしれません。

3つ目はデッドリフト最優先のトレーニングを行うことです。どの種目にも言えることです が、伸ばしたい種目はできるだけフレッシュな状態で行った方がトレーニングのクオリティが向上し、重量アップに繋がります。具体的には、デッドリフトを行う前日は高重量種目や腰回りに負担の大きなハイブリッジのベンチプレスやミリタリープレスを行わないこと、スクワットの頻度を下げて腰回りの疲労を残さないことを意識してデッドリフトをトレー ニングに組み込めるよう計画していました。 以上が僕のトレーニングルーティーンから伝えたい重要なポイントでした。

セットの組み方

最後にセットの組み方を紹介します。僕はアップの段階での調子を見てセットの組み方を 変えていました。具体的には

調子の良い日:ドロップセット
調子の悪い日:ストレートセット


調子の良い日ですが、3~5rep の REPMax を狙いに行きます。理由としては、最初にも述べましたが、デッドリフトは根性といったメンタル面が最も重要と考えていて、そのために重さ慣れが必要不可欠だと考えているためです。ただ、1~2rep の Max だと神経系の疲労が溜まりや すいため、潰れてもそこまで問題ない 3rep 以上をチョイスしていました。6Rep 以上を行 わないのは、僕が腹圧が綺麗に入るのが 5Rep までで、もし、腹圧が入らず、集中力が切れ た状態で rep 数を重ねても怪我の原因になると考えたためです。
僕が腰回りを唯一痛めた のは、200kg 挙上の 10rep 目でした。その時も筋力的にはまだ余裕はありましたが、息が上がっていて腹圧が入らなかった上、集中力が切れていたかと思います。

調子の悪い日ですがストレートセットを組みます。理由としては、Max 更新がほぼほぼ不可能であり、もしそこで高重量にチャレンジして失敗すると、次のセット以降に影響が出てしまうためです。
また、ストレートセットにはボリュームを稼げるというメリットがありま す。ボリュームの需要性に関しては最近の研究で多く言及されており、個人的に特に上半身 の発達においては最重要事項の1つではないかと考えています。 以上が僕のセットの組み方の紹介でした。

食事

最後に食事をついて紹介します。食事には減量、リーンバルク、ダーティバルクなど様々な種類があると思います。僕が行っていた食事ルーティーンを一言で表すと、クリーンバルクです。

増量過程としては、

トレーニング開始時:身長180cm体重70kg 体脂肪率13%
1年3ヶ月後の現在:身長180cm体重93kg 体脂肪率18%

と考えられるので非常に順調にバルクアップに成功しているでしょう。

この過程の中で僕が意識したことは 3 つです。

 1つ目は自分が本能的に欲している量を我慢せずに食べるということです。まあ要するに 食べたい時にたくさん食べて、食欲がないときには無理に食べないということです。正直食が細いハードゲイナーの方に該当するかはわかりません。
これによるメリットは、トレーニングをフルパワーでできるということです。お腹が空いていたり、逆に食べすぎてゴロゴロしていたりする状態ではトレーニングの質が落ちてしまいます。特にデッドリフトなどの 全身の筋肉を使う種目においては顕著で、健康状態がトレーニングの質に直結してきます。 そのために、食べたい時に我慢せず食べる、ただ、体調が悪くなるほど食べすぎない、逆に 食欲がないときは多く食べない、ただ、お腹が空いてパフォーマンスが下がらないようにす る最低限は食べるということを意識していました。

2 つ目はクリーンな食材を多くチョイスするということです。これに関しては実体験でしか ないですが、できるだけ自然に近い食材や、砂糖や脂肪分が少ない食材を摂取した方が、疲労が蓄積されにくく、体調が優れるように感じます。先ほども説明しましたが、デッドリフ トなどのコンパウンド種目は体調がパフォーマンスに直結してきます。

3つ目は自分に合った食材を探すということです。僕の場合、鶏もも肉と卵、牛肉を主なタ ンパク源として利用していました。鶏胸肉とささみは喉に通りにくく、消化器系が疲労やすいと感じたため、豚肉や、海産物は筋肉がパンプしにくいのと力が出にくい気がしたため好んで摂取していません。おそらく、ある程度脂分を含む肉の方が僕には合っているような気 がします。
以上が僕の食事に関するポイントでした。

総括

以上が、僕が1年3ヶ月間行ってきたことの全てです。参考になる部分があればぜひ自分のトレーニングに取り入れてみてください。最後まで読んでくださりありがとうございました。