六甲全山縦走ノ記①
「加藤文太郎」という人物をご存じだろうか?
登山界隈では(多分)知らぬ人がいない偉人だろう。
彼は、パーティ登山が常識の時代に、単独行メインで数々の山を制覇し「単独行の加藤文太郎」と呼ばれましたが、槍ヶ岳北鎌尾根で帰らぬ人になりました。
そんな加藤文太郎の代表的な山行が六甲全山縦走です。
兵庫県の塩屋から宝塚までを歩きとおす、そしてその道を再び帰ってくる、ということを何度もやっていたので、彼の健脚を表すエピソードとしてたびたび語られます。
今回はそんな加藤文太郎ゆかりの六甲全山縦走を歩いてみたい!という思いで挑戦しました。
年末年始に京都一周トレイルを踏破して気をよくしたワタクシは、GWに燕岳への遠征も決行。
自己肯定感いっぱいの状態でGW後半を捧げました!
しかし、この縦走は50キロ以上ある行程のため、さすがに一日はきつい。よって2日に分けることに。
それでも、以下の理由によりチャレンジングな計画と言える。
・これまでの経験では25キロ/日が最長で、連日この距離を歩いたことはない
・六甲縦走はアップダウンがかなりあるので京都一周トレイルよりしんどい
今回の挑戦もYAMAPで記録しました。以下から見れます。
一泊二日 六甲全山縦走ノ記① アップダウントレイル、時々猫 / こうじさんの六甲山・長峰山・摩耶山の活動データ | YAMAP / ヤマップ
■出発の須磨浦公園駅
現在、六甲全山縦走大会が行われる際の公式ルートは、須磨浦公園駅から宝塚駅までを踏破するルートである。
六甲全山縦走コースの地図・登山ルート・登山口情報 | YAMAP / ヤマップ
よって、電車でのアクセスがすこぶる良い。
だって駅から駅なんだもの。
ところが、今の居住地からすると、始発で行っても7時前の出発しかできない。一日目の目標地点新神戸駅まで、日没前に到着するには、どうしても5時台には出発したかった。
よって車での移動を選択。
須磨浦公園駅を5時前に出発することができた。
■鉢伏山、旗振山、鉄拐山、高倉山
須磨浦ロープウェーはもちろん動いてないので、徒歩で最初の山頂鉢伏山に登る。すぐに旗振山の山頂も行ける。少し歩いて鉄拐山。
少し下って少し登ると高倉山にも登れる。この連続登頂は結構楽しい。
ここまではいい運動程度で、楽しい山行だ。ここまでは。
動画もとってみました。インスタからどうぞ。
■住宅地、横尾山(栂尾山はピーク見逃した)
高取山を下ると住宅街を抜ける。まだ6時台なので静かな街。
平坦な道最高。
と、喜んだのも束の間、横尾山(栂尾山)の登りほんとにきつい。
息を弾ませながら登頂し、長めに休憩。
■馬の背、東山
横尾山を下ると、石灰岩系の山肌で通称「馬の背」と呼ばれる場所を通る。
この辺りは街の景色も遠くなり、山の景色を楽しめる。
■高取山、丸山町、鵯越駅
山を下り、街を抜け、また山を登る。
「標高を稼ぐ」というが、稼いだものがすぐさま無に帰す感覚。
これは修行に近い。
街を抜ける間に自販機で水分補給。
自販機がたくさんあるので、水を大量に持ち歩くことはしなくていいというのがこの縦走の良いところ。
高取山の山域に入る直前に公園があり、そこで休憩。
結構疲れてきました。
高取山に登ると神社があり、お参りする。
この辺り景色の良い場所が多い。楽しい。
下山方面は参道として整備されているので、歩きやすい。人もいっぱい。猫もいっぱい。
下山すると丸山町。
この町良い町だった。傾斜地に並ぶ住宅街が個性的なものも、懐かしさを感じるものも混在同居、かつ共存していて歩いているだけで楽しい。
丸山町を抜けると、鵯越駅の脇を通る。
田舎の駅として素晴らしい魅力を醸し出すこの駅もよかった。
このパートが一番楽しかったかも。
■菊水山、鍋蓋山
川沿いを歩き、家族がバーベキューをしているところを抜ける。
爽やかほっこりしながら再び休憩。荷物の重量感を感じる。
疲労もたまってきたころなのに、ここからだんだんと登りがきつくなり、しんどい。
菊水山の登りほんとしんどかった。
菊水山の頂上で昼休憩。ごはんうま。水うま。
頂上めっちゃ人いた。景色も最高です。
で、下山、そして登山。。
この鍋蓋山も急登でしんどい。
途中でカップルに追い抜かされて悔しかった。
■再度山、市ケ原、布引ハーブ園
鍋蓋山を越えたら、本日の行程も終わりが見えてくる。
もう少しと自分を励まし、歩を進める。
大龍寺を参拝して、下っていく。
市ケ原というところに出ると、ここもバーベキュースポットでみんなが楽しんでいる。
櫻茶屋さんでから揚げとビールをいただいてしまう。
疲れ切った体にしみわたっていく。うめえ。
このまま下山する方法もあったが、ビール分もう少し頑張ろうと
ハーブ園経由でのルートを選択。
また少し登り、ハーブ園の脇を抜け下山。華やかな方々を横目に、心をしっかりと持って下山。
■新神戸駅へゴール!
明日この道登るのしんどいなあと思いながら下山し、とうとう新神戸駅到着!
山に、まさに隣接していて驚いた。
すぐに街になる。
予約していた宿にチェックイン。
シャワーを浴びてしばし休憩。疲れた。腹減った。
近くでラーメンを食った。写真は忘れた。
疲れすぎて意外と食えんかった。
■エピローグ
ラーメンを食いながら、おいてきた車を想う。
駐車代えぐそうやなあ。
取りに行くかあ。
疲れて回ってない頭でざっくり計画し、まあ遅くはならんやろと結論づける。
電車で須磨駅まで行って、歩いて須磨浦公園へ。
車を出したら3000円以上の出費だった。宿泊費より高いやん。
財布を見ると一万円しかなく、精算機が対応していない。
駅には駅員不在で、両替ができない。すぐ近くにはケーキ屋さんがあるが閉店している。そのほかに店はない。
途方に暮れる。早く帰りてえ。
しばらく思案して、閉店後作業しているケーキ屋さんに相談したら、快く両替してくれた。
女神様だった。
ようやく駐車場から車を出した。
どこへ車を置くか決めてなかったが、天才的発想が発現し、宝塚へ向かう。
宝塚に置いておいたら一番ええやん。
宝塚まで運転し、安いところを見つけ、駐車する。
宿へかえるか、、
駅から乗り換え案内を見ると、めっちゃ時間かかるやん。と気づき途方に暮れる。
結局宿に帰ったのが23時を過ぎた。
悲劇だ。
明日は6時起き。
ビールとから揚げで晩酌してすぐに寝る。回復しろ!と願いながら。
次回!「死す!」デュエルスタンバイ!
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