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【第4回】企業の成長可能性に関する説明資料を読もう ~freee株式会社~

こんにちは。株式会社ホロックスの社長、鷲尾です。

今回は時価総額1,200億円越えのIPOで話題、freee株式会社の成長可能性に関する説明資料を読み解いていきます。

freee株式会社とは『スモールビジネスを、世界の主役に』をミッションに、国内唯一の統合型クラウドERPを提供する企業です。

ちなみにERPとは、Enterprise Resources Planning の略であり、情報の一元管理やITによる業務効率化によって、企業活動に必要な資源要素を適切に分配し有効活用する考え方を指します。

freee株式会社の概要

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画像出展:freee株式会社 成長可能性に関する説明資料

freee株式会社は2012年設立の後に爆速で成長、売上高CAGRは94%以上となっています。

売り上げのほとんどをサブスクリプションによるものが占める構造となっており、freee株式会社は典型的なB2BSaaSの企業ということができるでしょう。

freee株式会社が提供するサービスは多岐に渡りますが、その中でも中核をなすのが『統合型クラウド会計ソフト』と『統合型クラウド人事労務ソフト』です。

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画像出展:freee株式会社 成長可能性に関する説明資料

いずれも主な顧客基盤は中小企業やベンチャー企業などであり、有力スタートアップ企業の42%が利用しているという高いシェア率を誇ります。

freee株式会社の特徴・強み

freee株式会社の特徴としてまず挙げられるのが、中小企業のライフイベントのほとんどをカバーできる幅広いサービスの提供です。

創業準備期よりサービスを提供することでかなり初期から顧客を抱え込むことにができる他、基幹サービスを利用している顧客に対してはクロスセルによる顧客単価の上昇を狙えます。

また、企業活動におけるオンラインのインフラの大部分を抑えることで莫大なスイッチングコストを発生させ、既存顧客のチャーンを防ぎます。

実際、2013年と比較して顧客単価は2.9倍と大幅に上昇している他、チャーンレートも2%ほどと低水準を維持しており、この点がfreee株式会社の大きな強みの1つとなっているともいえるでしょう。

そして、なんといってもfreee株式会社最大の特徴であり強みでもあるのが,国内唯一の統合型クラウドERPを提供している点です。

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画像出展:freee株式会社 成長可能性に関する説明資料

今までの会計ソフトはオンプレミスのモノが多く、クラウド型は単機能のものがほとんどでした。

一方、freee株式会社においては、革新的なテクノロジ―の導入やパブリックAPIによる外部ソリューションとの積極的連携によって統合型クラウドERPたるを実現しており、市場において国内唯一というかなりユニークなポジションを獲得しています。

これによって、freee株式会社はクラウド会計業界をけん引するマーケットリーダーとしての地位を得ることに成功しており、クラウド会計サービス主要3社におけるユニークユーザー数 No.1である他、前述したように有力スタートアップ企業の42%が利用しているという高いシェア率を誇ります。

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画像出展:freee株式会社 成長可能性に関する説明資料

外部環境からみる、freee株式会社の今後

freee株式会社がIPOした際、赤字上場にも関わらず、公開価格を大きく上回る2,834円を初日の初値として付けた要因の1つとして、今後の成長を後押しする外部環境があると思われます。

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画像出展:freee株式会社 成長可能性に関する説明資料

freee株式会社のTAMは1.1兆円から最大30.4兆円とかなり大規模です。

また、生産年齢人口の減少や最低賃金の上昇、新設法人の増加や副業の拡大など、国内の様々な環境の変化が追い風として作用しています。

そして、国内の統合型クラウドERPの市場は海外と比較してまだまだ開拓余地の広いブルーオーシャンと言えます。

また上記のような追い風となる外部環境の他にも、ロイヤリティユーザー数や顧客単価、売上総利益率などが右肩上がりで推移している点なども評価された点の1つであると思います。

そんなfreee株式会社の将来ですが、不安な点もあります。

その1つが、海外進出が難しいという点です。

海外は日本と比較して人事・労務ソフトにおけるクラウドの割合が圧倒的に高く、英語圏のほとんどにおいては50%を超えています。

全体的にシュリンクしていくことが見込まれる国内市場のみに依存する状態は、限界効用を早めるだけでなくリスクヘッジの観点からもよくありません。

freee株式会社の今後に関しては、海外展開の有無も含めた更なる展開のあり方をしっかりと注視する必要があるでしょう。

まとめ

・freee株式会社の強みは、”中小企業のライフイベントのほとんどをカバーできる幅広いサービスの提供”と”国内唯一の統合型クラウドERP”という2点

・既存顧客からの圧倒的支持により、低いチャーンレートとアップセルとクロスセルによる顧客単価の上昇を実現

・今後の成長を後押しする外部環境

・ただし、海外展開が難しい点が不安(国内の市場は全体的にシュリンクしていくことが見込まれる他、限界効用への到達が思いのほか早い?)

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