探偵・癸生川凌介事件譚『白鷺に紅の羽』vol.4
ついに物語も終盤。楓の正体や犯人が気になります。
浜田警部につれていかれた伊綱。その後、病院に戻り藤次郎と話します。
藤次郎を含め、伊綱のことを伊綱と認めていないフシがあります。同じ来興の娘なのにどういうことなのか気になります。
そうしていると伊綱が現れます。警部の監視の目をくり抜けて会いに来てくれました。楓に助けを求める伊綱ですが、藤次郎は伊綱に対し忌み子と言い放ちます。
やがて、連れ去られる伊綱に対し楓は言いました
「例え何があっても…あなたの信じる道を選びなさい」と諭すのでした。
楓は伊綱の無実を証明するために湖に行くと龍希に出会います。彼は伊綱が犯人であれば納得できると言います。楓を落とした人も伊綱ではないかと言います。一方、楓は「自分が実は伊綱の姉ではないか?」と言います。しかし、龍希からは否定します。記憶喪失から鏡を見ていないのでは?といわれます。
伊綱からは似ていると言われているので、年齢的にありえないか、実は性別が違うといったところでしょうか。
龍希と別れたあと、涼二さんに会いにいくとどこかでかけているようです。困っていたとき、現れたのは癸生川さんでした。
彼はこの村は相当に歪んでいるといい、真相を救命するために湖に向かいます。
湖に到着すると、癸生川はロープを使って崖の中腹に。そして万能薬をとって帰ってきました。どうやら中腹に穴があるようで、そこに発見したそうです。
その後、涼二さんも合流し、村の内容を暴きます。
来興の妻、大鳳院若紗は来興の母の近い親類である
村の中で戸籍を改ざんし、近い血族で子を作ってきた
若紗は子供の紗綾を産んだあとに村を離れた
奇形児が生まれる可能性があった中、無事に生まれた子を守りたかったんですね。しかし、兼正は若紗を湖に呼び出し話し合いをします。話は平行線をたどり、兼正は若紗を崖に落とします。若紗は中腹の穴に入って助かりますが、出ることは出来ません。そのまま亡くなってしまいます。
その中腹の穴は昔に万能薬を作ったと言われる伊綱の研究室でした。そこは湿気があり遺体が屍蝋になるには良い環境でした。万能薬は屍蝋からつくっていたようです。
兼正はやがて中腹の穴を見つけます。そして文献と若紗の屍蝋がある場所で研究を続けていたようです。
そして、同じように万能薬を求めた人が今回の真犯人。
それは龍希さんです。
龍希はいずれ、伊綱と結婚するはずでしたが、それでは間に合わなかったため兼正さんを殺害。そして、紗綾さんは中腹の穴で変わり果てた母と、それを利用している龍希さんをみたためでした。
なんか、本当に紗綾さんは可哀想です。。。
そして、楓はそのショックを自分も感じたことを思い出し、記憶を思い出します。そして、自分は伊綱とあってはいけないことを思い出しました。
楓は伊綱と龍希の結婚を止めるために村に来たのでした。
崖の下に行くと、なにか焦げ臭い感じがします。そして龍希に遭遇。彼は松子さんの実の子ではないことを最近知ったそうです。家政婦との間に生まれ、その母親は龍希を産んだあと、大鳳院の家政婦になったそうです。
彼は、育てる気がないのに産むなと怒ります。
それに対し楓は松子さん、若紗さん、そして歓迎されることがないとわかっていながら産むことを望んだ龍希さん、伊綱さんの母親子気持ちもわかってほしいと言います。そして、楓さんは
龍希さんに対する仕打ちについても話します。
龍希は山にすでに火を放っており、山の方へ逃げ込みます。涼二は兄を追いかけます。伊綱も後悔しないために涼二の後を追って山に向かいます。
伊綱は涼二を合うことが出来ましたが、涼二は兄に逃げられたそうです。そして火に囲まれてしまいました。
伊綱は涼二に誰かの代わりに日本一の名探偵になってあげようと考えていた事を話します。
涼二は伊綱を抱きしめ、伊綱はゆっくり目を閉じます。そして彼から最後の言葉を聞きます。
「何があろうとも、強く生きるんだ、…負けるなよ」と
伊綱は忘れることのないように彼の感覚を焼き付けるかのように体温を感じていました。
涼二は身体を使い伊綱を守ることで伊綱は両手に火傷を負っただけですみました。しかし、彼の遺体はなく、指輪が残っているのみでした。
伊綱は涼二を危難失踪という形にしてもらい、彼と結婚することを望みました。
戸籍が残っているため入籍が出来るのだと。
1年後に未亡人になることがわかっていても後悔しないように行動した伊綱は凄いですね。
なお龍希は癸生川に捕まったそうです。驚くほどあっけない幕切れでした。
楓は思い出した本名をいつか伊綱に伝えてほしいと癸生川に伝えます。そして村に来た理由や記憶を失った理由は教えないでほしいことも話しました。
1年後・・・
相続を放棄した伊綱は涼二が助手をしていた癸生川の事務所を訪れます。緊張する伊綱に
癸生川は遅いぞと声をかけます。
そして、それから4年後、伊綱は故郷を訪れるのでした。
ここで物語は終了。ハッキリと明かされないことが多くて気になることたくさんでしたね。
特に楓さんの正体が気になります。
伊綱に似ている
伊綱と龍希の結婚を止めようとしていた
伊綱も龍希も正妻の子供ではない
龍希の母は、産んだ後に大鳳院に行っている
龍希に何かしらの仕打ちをした
といったことから、伊綱と龍希の母親は同じで楓さんってことでしょうかね。そして、本名だけ伝えていることと過去の中に出てきていないのに知り合いということから藤沢珠恵さんなんですかね。
この後のシリーズの中で語られるかもしれません。楽しみにちょとずつ進めていきたいと思います。