100日後に花咲くビリオネアトレーダー……になれるのか?~ロスカットまつりのFXトレード日誌~4
登場人物紹介
・keith.w 通称キース。
仮想通貨からトレードを始めていま6年目。
なんとなくまつりを拾ってしまう。
![](https://assets.st-note.com/img/1710777039513-RC2GynAaoI.png)
・終乃(あとの)まつり 通称まつり。
24歳。ギャンブル廃人の元ホームレス女子。
キースにFXを習って億り人を目指す。
![](https://assets.st-note.com/img/1710777040470-jdHw86Romj.png?width=1200)
第3話 「まつり、資金を溶かすも復活する」
前回、まつりがパチスロで六万を作ってきたことで、トレード資金がどうにか回復したと安心していたキース。
まつりはもう、ギャンブルをやらないと誓ってくれた。
キースはその誓いを信じてもいいと感じていたから、トレードに関してあまりとやかく言わなかった。
座学をして、学んだことを指定したポジションで取引させて、後からの理由を伝える――。
……という方向性でやっていくはずだったのだが。
「師匠――、3万8千円溶けました……」
「おいっ!」
いきなりの訃報。
いやまだロスカットまつりにはなってない。
だが、残り残金はたった1万ちょい。
ここで全額ベットしてポジションを持てとは、到底言えない。
「どうしたらいいですか、もうここが私の底値なんでしょうか?」
「人生の底値にはまだまだ早いと思うけどな。今日はトレードしない方がいいな。三日休みだ、休み!」
「そんなああっ! 見捨てないで下さいよ、師匠っ」
涙ぐんでがっしりとしがみついてくる不出来な弟子に、キースは当惑を禁じ得ない。
だって、勝手に取引して勝手に負けているのだから、フォローのしようがないのだ。
「負けたら三日休む。それが精神の安定をもたらすんだ。だから、今は休め。脳を休ませて、リベンジするためにはなぜ負けたのかを、自分で取引の分析をするんだ」
「ああ……。自分の戦略を俯瞰する、みたいな?」
「そういうことだな。自分がどうしてそうしたのか、なんで損切りできないのか。それは失いたくないって恐怖感が作用してるからだ。でも損切りしろ。10万の軍資金で8万溶かしても損切りしろ。2万あればやり直せる。そのためのハイレバだからな」
「あー……だから、海外FXでやるんですね?」
「国内みたいにレバ25倍じゃないし、500倍もあれば1日で証拠金を数倍にもできる。トレードで安定して利益を継続して叩きだせるのはスキャルピングトレードだからな」
「ほえー。スキャルピングトレード?」
「数秒から数時間のポジションを複数取引して、小さな利益をコツコツと積み立てる手法だな。お前はまだ知らなくていい。ほら、座学!」
「はいーっ」
結局、この日はFX取引における決済方法について学ばせた。
STPとかECNとかそういうところだ。
大人しく勉強していると思っていたまつりが、キースの配信したポジでデカいロットを持ち、資金を全額回復させたと報告が入ったのは、翌日のことだった。
約定方式について
・STP方式とECN方式
→FXの約定は距離によって決る(サーバーの位置と約定速度)
→FXの約定は繋いでいるLPによって決る(反対売買の板の厚みとTier1~Tier5)
→APIとFIXAPI