きーすの放言 #88
こんにちは。
今回は実体験して来たサッカーのお話。
この冬休みに遠征に帯同させていただきまして。
これがとても貴重な時間でした。
実際にめちゃくちゃ良い経験でした。
サッカーの深みにハマってドップリでした。
沢山、審判をさせて貰って、
自分とは違う基準でプレーする選手の感覚を学び、
これがまた良い経験でした。
そして、サッカーに関しても、とりあえず唯一無二。
「こんなの見たことねぇよ」って感じでした。
疎い説明で真意を外しているからも知れませんが、
僕なりの解釈なので、そこはお許しを。
とにかく分類するならば、
俗に言う「ドリブルサッカー」というヤツです。
そして『ドリブル練習なんかしていない』と、
監督が言うのですから、まあ、そうなんでしょう。
ただし、足元のスキルは、その類です。
平気でドリブルで抜いて行くし、
ボールキープや距離感などもバッチリ。
僕なりのボールの置き所の解釈も同様。
つまりドリブルにそれなりに詳しい指導者が、
「それって正しいよね」と思うんですから、
大したものですよね。
それをドリブル練習無しで具現化していると。
むしろ認知も良かったです。
殆どの選手が認知もしっかりしています。
これも認知には自信を持っている僕でも、
「うん!それは正しいよね!」と、
そう思うものでした。
そして、僕と同じ様にスローペース。
僕は高い位置で相手を押し込みたいのですが、
こちらは『自陣でも良いから持っとけ』と。
まあ、形として成立している訳ではないので、
失点する時はあっさりでしたが、
属人的な分だけ、人が強ければ失点しないかと。
つまりそこは選手も鍛えられるのかなと思いました。
そして、僕とは全く違う点に驚きました。
世間と違うと言っても良いでしょうか。
僕は「幅を使ったポゼッション」を嗜好しますし、
その際にはサイドチェンジは多様です。
幅で相手を揺さぶって、
前が開いたらスイと前に進むと。
彼等はそうではなく、
幅を無くして前進を目指します。
幅なんて、ない。
4-4-2のフォーメーションなのは間違いないですし、
列降ろしを多様で後方に数的優位を作成。
そこで保持をして、前線がレーン移動の連発。
レーン移動、レーン移動、レーン移動。
それも弧を描く様に動いて、
いかにもフットボール的要素ありありです。
こんな感じかな。
ダメならダメで、また動き直し。
ここはあまり形にこだわっていなさそう。
「仲間と邪魔をしない様に連動」
「相手を連れて行って動かす」
なんてことを意識していそうです。
幅を使ったポゼッションではなく、
深さを使ったポゼッションなのです。
「そんなんアリ?」と僕も思いましたが、
やってんだからしょうがない。
2FWはピン留め要員で落ちて来ない。
誰かを落とす為に最初から大外レーンに入らない。
そんな瞬間も見られましたね。
規則性はあんまり見出せず。
サイドが張って高い位置もそんなになかったな。
オーバーロードからのアイソレーションも無し。
単純にオーバーロードオンリー打開。
選手達も「3 on Line」なんてのも、
しきりに声を上げるので、
戦術的な部分もしっかり教わってる。
不定形に見えて、菱形にも見えるし、
当てて落としての3人目は多様。
この3人目の動きは特に素晴らしくて、
余裕が出て来るとワンタッチの連続で、
スパンスパンとパスを通してましたね。
身体の向きや視野の方向で騙したり、
そういう技術屋のスキルも必修済み。
そうやっている間に相手のプレスが停止します。
ピタリと止めちゃう。
釘付けにされるというより、
奪えないから出られない。
上手く説明出来ませんが、
ドリブルサッカー的な現象です。
押し付けられる力強さがある訳ではなく、
守備側が出られないという感じ。
後はそのままコンビネーション、
パス&ムーブ、ワンツー、スルー、
スイッチ、フリック、
ピヴォ当て、ポケットランなどで、
攻略して行くという感じでした。
この手のチームにありがちな、
シュートど下手問題も、
彼等は抱えている程でもなく。
ま、上手くはなかったですが。
おまけに守備時も特殊です。
ウルトラハイラインで、
ボールロストや相手のバックパスには、
一気にハーフェーラインまで押し上げ。
オフサイドポジションに残る、
相手選手も4〜5名いるのは当たり前。
超高速の超高線。
エスナイデルより速く、エスナイデルより高い。
J下部相手に8人オフサイドを取ったと。
さすがに街クラブっぽ過ぎる。
で、一気に絡めとる。
控えめに言って気が狂ってる。笑
一番近いのは、
クライフが選手時代のオランダ代表。
「これ、モデルはオランダ代表ですよね?」と、
監督に聞いたら、
『知らん。誰も見たことないやろ。そんな時代の』と。
いや、俺はあんねんけど。笑
つまりあの時の「ボール狩り」と全く同じ無鉄砲さ。
要領も一緒なので、興味のある方は是非。
ちょっと探して来たらすぐ見つかりました。
試合で一回見ただけで「オランダ代表やん」と、
言えてしまうきーすはサッカー大好きですね。笑
いや、これ、現代でやってるんですよ。
指導者は頭カッ飛んでますよ、マジで。
図にするとこんな感じかな
「Go、Go!」なんて掛け声で、
怒涛の如くボールプレス&ハイライン。
慌てた相手ホルダーは、
ボールを前に蹴るか下げるか。
前に蹴ればオフサイドだし、
下げた相手が前に入れれば、またオフサイド。
どっちにしろオフサイド。
これ、俺なら打開策も浮かびますけど、
アイデア浮かんで、選手に授けて、実際に動かすって、
指導者には難しいみたいで。
いや、俺、楽勝やねんけど。ま、良いや。
だから愚策にも引っ掛かりまくる。
ま、エンバペでも、バルセロナのハイラインに、
引っ掛かりまくってましたしね。
不思議ではあるんですけど、
よほど普段から気にしていても、
普段はありえないハイラインと、
ありえないラインアップの速さで、
どうしてもオフサイドになるみたいです。
待ってから出たら良いのにとか、
2列目から出たら良いのにとか、
そういう野暮なことは言わない。
現場の指導者と選手はやってこんのや!
そのプレス&ラインアップで、
守備が詰めてボールを止めるか、
あるいは裏へボールが抜けても、
前線は軒並みオフサイド、と。
で、さらに巧妙なのは、
散々、ゆっくり歩いて攻めて来たのに、
この時ばかりは、
一気にGKがダッシュして来て、
フィールドの選手が素早くボールをセットし、
そのままGKが前線に大きくフィードして、
擬似カウンターアタック発動と。
相手の心理や世間の一般常識を逆手に取った、
非常に巧妙な戦術の融合でした。
監督曰く、そして僕も感じた如く、
『初見では打破できない』と。
実際、対戦した指導者も、
「オフサイドラインを見ろよ!」と、
仲間の前線を叱責したり、
「相手ハイラインだから早く戻れよ!」と、
前線を叱責するのみ。
ウルトラなハイラインなので、
上手く破れば一発で得点なのですが、
選手の守備の巧みさ、
ラインアップの息の合った連動、
状態を加味した駆け引きのタイミングと、
非常に練り込まれた策で、
戦術で打開して来るチームは皆無でした。
それでも、たまたま背後を取られると、
こればっかりはGK止めてくれって、
まあ神頼みな感じでしたけどね。
でも、基本的にはそうならない様に、
奥の手としてハイラインアップ、
エスナイデル・ラインアップをやっていました。
もう1つ特徴があるとすれば、
ヘディングとスライディングは無しでした。
・・・分かる。
それをさせない指導者って、
結構いるんですよね。
僕の敬愛する社長もそうでしたね。
スライディングをやっていると怒りました。
ま、必死になってる姿が嫌だとか、
そういう気取った理由もあるんですけど、
次の手が無くなるのもそうなんですよね。
ヘディングは弾くだけ、
スライデングは倒れるだけ。
次のプレーが出来ないと。
だから彼等もヘディングはしない代わりに、
胸でのコントロールなんかは見事でした。
でも、明らかに弱点だったのは、ヘディング。
遠征中の失点の殆どは、
セットプレーのコーナーキックでした。
ヘディングに競れない・競らない。笑
多分、信じられない人には、
信じられない話ですが、
ま、あるんですよね。
そういうチームもね。
『卒業までに練習しよう』と。
というところで、今回はこんな所まで。
僕の見て来た魅力あるチームのサッカースタイル。
唯一無二ではあるものの。
儚くも美しいフットボール。
余りにアヴァンギャルド。
曰く『得点と勝ち点より、芸術点とクオリティ点』と。
「そんなこと言わずに、1点入れさせましょうよ。
分けや負けだと相手がイキリますって」と、僕。笑
攻撃的思考を詰め込んだ尖ったスタイル。
この大低燃費時代に、
リッター6kmのランボルギーニみたいな。
アヴェンタドールだな、あれは。
めちゃくちゃ攻めてる。
何処かから拝借して来たものでもあるでしょうし、
最先端の戦術も織り込み済み。
攻撃的過ぎるけれど攻防一体ではある。
ゲームモデルのサイクルは回っている。
フットボールの魅力に溢れていました。
残念だったのは、相手が何も対応しないこと。
ずっと同じ一方的な展開で、
2日目ぐらいに「飽きて来ました」と僕。笑
サッカーの指導者としてあるまじき発言ですが、
相手も対応策ややり方変えれれば良いのに。
そんな色んな思いを経験しました。
4泊5日。良い時間でした。
ちなみにこの遠征から帰って来て、
体調不良で3日寝込んでました。
本当に初日から色々あった遠征でした。
「腹減りました」『Me too』のやり取りは、
一緒忘れることはないでしょう。
豊かで実りある良い遠征でした。
矢沢で盛り上げ、
ブルーハーツでスベるという、
レアな経験もしました。
頼んだ練習試合も組まれないまま。笑
夜は一旦引き返してのエラいことに。笑
色々あり過ぎ。もっとエピソードはある。
自動ドアが開かないとか、
3時に帰って来て6時起きとか、
色々あったんですよ。
副審出してないのに、
『黙っておこうぜ。笑』とか。
いやぁ、楽しい遠征でした。
めっちゃ笑える豊かな活動でした。
子供達も暖かく迎えてくれて、
「サイドチェンジやった方が良いですか」と、
めっちゃイジってくれました。
「要らんサイドチェンジはすんな」が、
今回の主要テーマでした。あしからず。
内輪ウケが多くてすいません。
詳しく聞きたい方はきーすまで。
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と言われたので、書いて、無料で公開です。
読んでいただけたら幸いです!
皆様よいお年を!
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