スポーツバー物語12ー男のプライド(格闘技編①)ー
前々回のサッカー編、前回の野球編はいかがだったでしょうか。今回からは3大スポーツのラストを飾る「格闘技編」です。熱すぎる格闘技ファンのお話です。
コブラツイスト禁止令⁉︎
1970年代、ジャイアント馬場の全日、アントニオ猪木の新日を柱とするプロレスブームが巻き起こりました。
TVではゴールデンタイムで放映され、学校では〝コブラツイスト禁止令〟が出されるなど、ちょっとした社会現象でした。
その頃、恰幅の良かった児童生徒のあだ名は皆〝ブッチャー〟で、学校ではなぜか〝ブッチャー〟が「地獄づき」をやられる役でした(上の写真はブッチャー氏ご来店時にフォークで襲撃されている写真です)。
時代は巡り、2000年代、新たな〝格闘技ブーム〟が到来します。
高田延彦氏を総長とする「PRIDE」です。
放映はPPV方式、プロレスとは違った階級別総合格闘技で、世界中のプロファイターが日本に上陸しました。
全員評論家、全員セコンド
ケイタズバーでは、「PRIDE」を中心にLIVE放映をしていました。
お客様は全員男性。
格闘技経験者らしき方もちらほら見られましたが、どちらかと言うと「格闘技評論家」すなわち格闘技オタクが中心でした。
放映は、事前の特番を含めて、第1マッチからメインイベントまで4時間ほどの放映になりますが、放映前から予約で満席!
オープニング映像からメインマッチまで、闘う男の姿に緊張感と歓声が交互に湧き出て、あっという間の4時間でした。
試合入場前の雰囲気ですが、ロッカールームの選手の様子を見ながら試合の展開予想が始まります。
皆さん評論家なので、観る視点も鋭く「撃ち合いでは不利なので前半寝技に持ち込んだら・・・」とか「関節技対策はしているからあえて立ち技勝負に持ち込み・・・」とか思い思いの予想を話し合います。
そうこうしているうちにいよいよ選手入場です。
渡辺イッケイ氏らリングアナが選手の名を高らかに読み上げ入場となります。
選手にはそれぞれ入場テーマソングがあり、音と光で皆ド派手に演出されて入場してきます。
その時点から、お客様のテンションは爆上がり!
入場テーマ曲に合わせて手拍子が起こったり、妙な一体感を醸し出していました。
人は血を見ると興奮する⁉︎
ゴングがなると、全員セコンドです。
まるでお客様が選手を操るように、指示を叫び叱咤激励します。
パンチがヒットしようものなら「おお〜っ!」と低く野太い声が響き渡り、ラッシュ(パンチを連打させる)になると立ち上がって騒然な雰囲気になります。
巧みな寝技の攻防は力が入ります。
レフリーに「止めるな!止めるな!」とつぶやきながら皆さん握り拳です。
勝敗が決定した瞬間は、皆さんガッツポーズしながら乾杯(もしくは納得がいかずヤケ飲み)で盛り上がります。
そこで、私はある法則を見つけ出しました。
その法則とは、〝流血した試合ほどビールがよく出る〟です。
やはり、血を見て興奮するのでしょうか、流血した試合が終わるとやたらビールのお代わりが出ました。
私は試合中ずーっと(血が出ろ!血が出ろ!)と祈っていました。
今回はここまでになります。最後までお付き合いいただきありがとうございます。熱い男の戦いを観戦する模様が伝わったでしょうか。次回は、格闘技選手がご来店された時の様子などもお伝えできる範囲でお伝えしたいと思います。
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