2回目のアメリカ遠征(ミネソタ)
もしもあなたがプロのコーチだったら、どんな選手をピックアップしますか?
私がもし、プロチームのコーチだったら、「基本に忠実な選手」をピックアップします。
なぜなら、世界一強いアメリカがそうしていたからです。
ミネアポリスってどこやねん
今回は2回目のアメリカ遠征について書かせていただきます。 場所はミネソタ州ミネアポリスというところです。
冬はすごく寒いらしく、雪が積もるため、それぞれのビルに空中遊歩道があり、3階くらいの高さでつながっていました。
なぜ、ミネアポリスになったのかというと、スーパーカンガルーズの〝ドク〟ことマーチン選手(故人)が、ミネソタ大学のコーチに縁があり、キャンプをコーディネートしてくれたのです。
正直、ミネアポリスはどこにあって、ミネソタ大学がどんな大学か全く知りませんでした。
日本とアメリカの規模の違いは言わずもがなですが、大学の規模にしても例外ではありません。
無知は怖し、ミネソタ大学のスポーツ施設は相当な規模でした。
・ジャグジーが完備されたトレーナー室。
・体育館ほどの広さのトレーニングルーム。
・ミーティングルームは小さな映画館のよう。
・試合後、記者会見のできるプレスルーム。
・ファミレス規模の充実したカフェ。
など、目を見張る規模のものばかりでした。
アリーナのフロアも変わっていて、何故かコートが中二階?になっているというか、ベンチが一段下がった変わった作りになっていました。
個人的に一番気に入ったのは、選手のロッカールームから、廊下を通りフロアに出るゲート。
壁に
「 Play hard ! Play smart ! Play together !」
の文字とともに、「手形」がペイントされていて、試合に臨む時、選手がその手形にハイタッチしてフロアに出ていくというのです!
私、こういうの大好きなんです!
早速、日本に帰った後、「スーパーカンガルーズバージョン Play hard! Play smart! Play together! Tシャツ」を作りました。
もちろん、心臓の部分に手形入りです。
これは、チーム内でも受け、しばらく自分の胸を叩く仕草が流行りました。
コーチは後のドリームチーム
キャンプでお世話になったコーチは、クレム・ハスキンス氏。
名前を聞いてピンと来た人はかなりのバスケットボール通です。
なんと!後にドリームチーム3のアシスタントコーチになる人物です。
もちろん、あのドリームチームに選ばれるとは誰も予想はできませんでした。
ただ、すごく人柄が良く、よくしゃべり、よく動くエネルギッシュな方という印象はありました。
ハスキンスコーチの他にも、2名アシスタントコーチがついてくれ、素晴らしい環境の中、非常に充実したキャンプとなりました。
買い物はモールオブアメリカへ
遠征でのもう一つの楽しみは、ショッピングです。
バスケットボール選手にとって、ショッピングは生活上、欠かすことはできません。
何故だかわかりますか?
それは、選手は身体が規格外なので、日本では十分なサイズの服やくつを選ぶことができないからです。
特に社会人として会社勤めをしている時代です。
通勤に使う革靴は日本ではほとんどサイズがありません。
体の大きな選手は、ここぞとばかりに、衣料品を〝爆買い〟します。
調べてみると、「モールオブアメリカ」という有名なショッピングモールがあるということでした。
コーチ陣からは「アメリカで一番大きなショッピングモール(当時)だから、ジャパンぐらいあるよ」とアメリカンジョークが出ましたが、全く想像できませんでした。
ゆとりを持って、休日の午後を丸々使ってショッピングの時間に当てましたが、それは間違いであると思い知らされました。
駐車場に着いたのはお昼前、各自、自由に昼食を取ってもらい、夕方集合する予定でいました。
ただ、その駐車場の広さから嫌な予感がしていました。
そして、モール入り口に着くと、その予感はまさに的中しました。
広いなんてもんではありません!
モールの中に、遊園地があるのです!普通に買い物している横に、でっかいジェットコースターが走っているのです!
夕方、集合時間になっても、誰も帰ってきません。
広すぎて回りきれない者、迷子になっている者、ジェットコースターに乗っている者もいました。
私は、集合点呼を諦めました。
選手にとっては、これ以上ない気分転換になりました。
ティンバーウルブスのトライアウト
ミネソタでは、さらに貴重な体験をすることができました。
NBAミネソタ・ティンバーウルブスのホームアリーナ「ターゲットセンター」で、シーズン前のミニトライアウトを見学できるというのです。
NBAのトライアウト⁉︎どんなメニューをするのか?皆興味津々で見学に行きました。
トライアウトコーチは、元ボストン・セルティックスのスター、ケビン・マクヘイルコーチ!
彼はミネソタ大学の出身で、引退後、ティンバーウルブスのスタッフになっていました。
トライアウトが始まりました。
そのメニューは・・・予想に反して、ある意味予想通り、基本的なメニューばかりでした。
コーチマクヘイルが、汗だくになってポストムーブのパス出しをします。
もちろん参加している選手は、そのメニューをすごいエナジーでこなしていきます。
約1時間ほどでしたが、特別な練習はひとつもなく、基本プレーが延々と続いて終了しました。
一見、派手なプレーが目立つアメリカでも、基本に忠実な選手が求められているという事でした。
今回はここまでです。
やはり、アメリカは規模が違う!でも帰国したら「やっぱり我が家が一番!」となるのはなぜでしょうね(笑)
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