見出し画像

スポーツバー物語16 「FIBA W杯2023の感慨」

 パリオリンピックもあっという間に終わり、何か遠い昔のように感じられます。

 今回はオリンピックの話題ではなく、昨年夏に開催されました「FIBA バスケットボールW杯2023」から、2006年バスケットボール世界選手権大会を振り返ってみたいと思います。

いまだに涙が出る風景

 まずは昨夏、沖縄で開催された(フィリピン・インドネシア共催)「FIBA バスケットボールW杯2023」

日本代表は期待以上の活躍を見せ、3勝2敗で見事アジア1位を獲得、見事にパリオリンピックのチケットを獲得しました。

結果もさることながら、その試合内容や沖縄アリーナの体験も素晴らしく、また連日のテレビや新聞での報道に、「とうとうこんな時代が来たか」と、オリオンビールを飲みながら感慨深く涙したことがつい最近のように感じられます。

「レブロン!カーメロ!ウエイド!」

 一方で以前、日本でバスケットボールW杯が開催されたことをご存知でしょうか(当時の大会名称は世界選手権大会)。

その大会は、2006年、札幌総合体育センターきたえーる・浜松アリーナ、広島グリーンアリーナ、仙台市体育館で予選がおこなわれ、決勝ラウンドはさいたまスーパーアリーナで開催されました。

もちろん、優勝候補はアメリカ。

アメリカは、2002年アメリカで開催された前回大会にNBA選手を招集後、初の敗戦を喫し6位と惨敗。

2004年のアテネオリンピックでもアルゼンチンに敗れ(3位)ており、レブロン・ジェームス、カーメロ・アンソニー、ドエイン・ウエイドいった一線級を再招集した威信をかけた大会でもありました。

しかしながら、アメリカはまたも準決勝で敗れ屈辱の3位、金メダルを逃します。

では、そんな手負いのアメリカを破ったチームはどこか。

それは、「ギリシャ」でした。
(そのギリシャは決勝で敗れ2位、優勝はパウ・ガソルがいたスペイン、4位がマヌー・ジノビリを配したアルゼンチン)

そのギリシャは、この大会で画期的な戦術システムを披露します。

それが、現代バスケのスタンダードとなっている〝ピック&ロール〟です。

ギリシャには、天才といわれたPG(ポイントガード)パパルーカス選手と、筋骨隆々マッチョマン、スコーツャニーテスという瞬発力のあるC(センター)がいて、その2人が次々と〝P &R〟を仕掛け、得点を重ねていきます。

その魔法のような戦術に、相手選手はおろか観ている我々さえも度肝を抜かれました。

この時の戦術戦略が未だに世界のスタンダードになっているという事は本当に驚愕であり、いかにP &Rが優れたシステムであるかを物語っています。

「死ななくてよかった」理由

 なぜ、この大会までさかのぼったのかご説明させていただきます。

ケイタズバーではこの大会の全試合を放映していました。

おそらく、全試合を放映したのはケイタズバーだけでしょう。

まだバスケが世の中に認知されていない時代です、どれだけ宣伝してもバスケを観にくるお客様はいませんでした(涙)。

それでも私は流し続けました。

 それから時が経って18年。

今では、女子が銀メダルを獲得、男子もプロリーグができNBA選手が出現、自力でW杯を勝ち抜きオリンピックへの出場権をつかみました。

テレビでもバラエティー番組に選手が登場したり、日頃のCMでも目にすることができます。

まさか、生きているうちにこんな時代が来るなんて!
今、スポーツバーでバスケを流したら、きっと多くのお客様が来てくれることでしょう。

ロサンゼルスで初めてNBAを観戦した時、「あーもう死んでもいい!」って思いましたが、沖縄でW杯を観戦した時は、「あー生きてて良かった!」と思いました。

これからも、バスケットボールという競技が発展し、子どもたちに夢を与え「水、電気、ガス、バスケ」と、バスケが日常となる世界がくることを願っています。

いいなと思ったら応援しよう!