地域貢献 愛されるチームに①
前回は「スカウト」について触れましたが、今回は「地域貢献」について書いてみたいと思います。
地域貢献こそがチームの存在意義
私は「地域貢献」こそが、チームが存在している意義だと思います。
なぜなら、地域こそが会社でいう株主であり、地域とつながることで応援され、チームの存在する価値が産まれるからです。
私がマネージャーになるまでは、スーパーカンガルーズは、〝雲の上の存在〟でした。地元はもちろん、指導者や生徒・学生との関わりがなかったからです。
従業員の士気高揚から企業PRへ
それには理由があります。
昔の実業団チームは「社内の従業員の士気高揚」を目的としており、社外にはあまり目が向いていませんでした。
しかし、Jリーグが発足した頃から、各スポーツチームは、会社の広告宣伝のため、人事部統括から企業スポーツ部として、社長直轄の組織になりました。
各社とも、バブルもはじけ、企業スポーツチームの存続が危ぶまれると、こぞって対外的な企業PRに力を入れ出したのです。
一時、流行語の様に使われた「コーポレートアイデンティー」というやつです。
それまでも、バスケットボール教室などは全くなかったわけではなく、選手やOBに縁のある土地や、自治体などからの依頼はありました。
ただ、私は、子どもたちにバスケットボールを教えてファンになってもらうのに、出演料をもらうことに抵抗を感じていました。
同時に単発ではなく、継続的に行う必要性も感じていました。
そんな時です。当時のLAレイカーズのHCパット・ライリーの著書に、COP(コミュニティ・オーナーシップ・プロジェクト)がありました。
地域の住民が「我らがチーム」とオーナーの様に感じる様な地域貢献プロジェクトの話です。
「これだ!」と思いました。
全試合の2/3をホームゲームに
当時、日本リーグのシステムは、全試合の1/3がホーム(大阪を中心とした関西での試合)1/3がアウェイ(対戦チームのホーム)そして、1/3が中立地での試合となっていました。
ということは、この中立の試合を支配できれば、2/3をホームゲームにすることが可能になります。
そう、シーズンが始まる前にその土地に乗り込み、バスケットボール教室を実施してファンを作ってしまおうという、なんとも単純な計画でした。
具体的な内容は次回からお知らせします。
実はこの計画はあらゆるところで効果を発揮することとなりました。詳しくは次回をぜひお読みいただきたいです。
今回もご拝読ありがとうございました。
参考文献:「ザ・ウィナーズ (洋題:The WINNERS)」パット・ライリー著 野沢博史訳
#地域貢献 #従業員の士気高揚 #ホームゲーム #コーポレートアイデンティティー