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マネジメントとは何か?前編

 高校、大学でのマネージャー生活が終わり、いよいよ実業団チームでのマネージャー生活が始まりました。今までのマネージャーとは全く違った、マネジメントを実践する場となります。

マネジメントとは何か?

 私は、マネジメントの基本は、まさしく「人・物・金」だと思います。基本的な「人の管理、物の管理、お金の管理」ができれば全体の〝流れ〟が見渡せるからです。

 この〝流れ〟に「時間の管理」が横軸としてプラスされれば、物事はスムーズに進むと思います。

 「人・物・金」の中で、学生の時と決定的に違うのは、「お金の管理」です。今回はこの「お金の管理」について書いていこうと思います。

まずは計画ありき

 実業団になると、金額の桁や使い方が違ってきます。日本リーグは、日本全国で行われるため、遠征費がかかります。ウェアーや用具も数が違います。学生時代より、2〜3桁多い予算を計上し、執行して行かなければいけません。

 そこで鍛えられたのが「事業計画」と「活動計画」です。チームの活動目標を掲げて、
・強化計画、試合のための遠征や強化合宿
・人員計画、チームの編成やスカウト計画
・地域貢献計画、バスケットボール教室などのボランティア計画
の柱を立てます。

そして時系列で
・長期計画、5年間の計画
・中期計画、3年間の計画
・短期計画、1年間の計画
を練り、そこに必要なお金を乗せていきます。

 そして、出来上がった計画や予算を社内で説明して回るんですが、胃が痛くなるほど緊張しました。会社から何を突っ込まれても、納得させる答えを準備しておかなければなりません。

 毎年度、予算を作成する時期は体育館の事務所に泊まる覚悟でいましたし、実際、泊まり込みの年もありました。

出す側と使う側との関係

 チームが円滑に活動するためには、この事業計画・予算計画こそが重要です。ここにチームが活動する目的や存在する意義、目標などの魂が込められていなければ、充分な予算を勝ち取ることはできません。

 すなわち、お金を出す側を唸らせ納得させるような、計画を準備をしておくのです。お金を出す側に安心を与え、使う側は責任を持つ信頼関係が築けてこそ、チームは活動できるのです。

お金は「どう使うか」

 細かくいうと、お金は「いくら使うか」ではなく、「どう使うか」。社内でお金を使う意義が説明できない場合、たとえ1円でもお金はおりませんでした。

 その代わり、「目標を達成するために、これだけ必要なんです!」という明確な理由と熱い思いがあれば、役員さんは、「この金額で足りるのか?」と優しく後押ししてくれました。

 これを我々は「生き金(いきがね)」と呼んで、泣きながら使わせていただきました。

バブルがはじけて大変だ!

 私が入社した年、世の中では「バブルがはじけた」年です。2500人いた新入社員は、次の年には500人に減りました。予算も年々減額されていきます。

 まず最初に減らされたのは、交際費。いわゆる接待費というやつです。接待の申請審査が厳しくなり、束でもらっていたタクシーチケットも無くなりました。

物の真価を見抜く

 シビアになったおかげで、物の真価がわかるようになりました。このお店のこのサービスでこの値段・・・。サービスは金額ではありませんが、自分が考えてる金額より高い安いを繰り返すのち、その業界の相場がわかるようになってきました。また、信頼できるお店かどうかも判断できるようになりました。

 実際、以前書いたように高級クラブでは、ママさんや黒服さんと相談しながら金額を合わせていく〝裏技〟もこの頃学びました。ここにも、単なる店と客ではなく、人としての信頼関係があったように思います。

信頼関係というパイプ

 今回のキーワードは、信頼関係です。「お金は信頼関係というパイプの中を流れている」イメージでしょうか。
ということは、その逆も真なり。お金持ちになろうと思ったら、人から信頼されることですね。

 最後まで、ご拝読ありがとうございました。

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