サービスリリースでコーポレートブランドをねじ曲げる。フードカンパニーと思われていた株式会社おかんが、「ハイジ」というSaaS事業をリリースして大きく変わったこと。
フードカンパニーと思われていた株式会社おかん
株式会社おかんは、ぷち社食サービス「オフィスおかん」を運営しているフードカンパニー。
こう認識いただいている方も多いんじゃないでしょうか?
おかげさまで、オフィスおかんの導入企業は累計で1,500を突破し、ANAグループなど有名企業を含む、多くの企業、業界で導入され、認知いただいているサービスに成長しました。
最近は山手線や東北新幹線でも広告映像が流れたり、掲示されていたりすることで、認知度はさらに向上しています。
また、1,500ものお客様に対応してきた過程で、オフィスに向けた配送網とシステムの構築はかなり進んでおり、オペレーションの秒単位での改善や、需要予測の精度も向上しています。つまり、オフィス向け (BtoE領域) に最適化されたサプライチェーンが、オフィスおかんの強みにもなっています。
そのため、株式会社おかんの次の一手は、そのサプライチェーンを活用し、オフィス向けかつ従業員向けに別の商品を販売するのではとイメージするのが自然な流れです。
そんな私たちが、2019年の1月末に「ハイジ」というアセスメント※サービスのβ版をリリースしました。
フードは関係なく、オフィス向けの商品販売でもない領域です。
HR領域のSaaS、流行りの表現だとHRtechです。
この時、「え?おかんがなんでHR?」という声と、
「なるほど、そういうことだったのか」という声の両方がありました。
※アセスメント=定量的に評価すること。
株式会社おかんがHR領域で新規事業を開始した理由
みなさんが会社を退職する時は、理念への共感や仕事内容へのやりがいなど「モチベーター」と呼ばれる要因が理由になるか、健康・家庭との両立など生活基盤の安全性や同僚との関係性など「ハイジーンファクター」と呼ばれる要因が理由になるか、このどちらかに必ず分類されます。
※アメリカの有名な臨床心理学者フレデリック・ハーズバーグの理論です。
厚生労働省の統計結果を基に計算すると、日本における自主都合退職の約8割は「ハイジーンファクター」に関する問題が理由になっています。
ハイジは、この「ハイジーンファクター」に特化し、離職を引き起こす問題を可視化できるサービスです。
なぜ、株式会社おかんがこのサービスを開発することになったのか?
オフィスおかんは、
* 食事から生活習慣を良くして健康的に働けるようにするために
* 自宅での食事準備などの家事負担を軽減して両立して働けるようにするために
* 食事をきっかけに同僚との人間関係良く働けるようにするため
つまり、ハイジーンファクターに関するいくつかの要素を解決するためのソリューションサービスという位置づけです。
既に問題を把握しており、その解決に目が向いている企業が利用している傾向にあります。
すると、そもそも問題を把握していない企業には、問題を把握してもらう必要があります。
私たちは、オフィスおかんのことをフード事業と捉えておらず、ソリューション事業として捉えているからこそ、上流工程に着目し、アセスメント事業を次のアクションとして選んだのです。
オフィスおかんの時点で、HRに関する課題を解決するソリューションと定義していたので、私たちにとっては既にHRカンパニーのつもりだったとも言えます。
「ハイジ」というSaaS事業をリリースして大きく変わったこと
私たちはHRカンパニーのつもりだったけど、世の中からはフードカンパニーと見られていた。
これが私たちのモヤっとした部分でした。
それが「ハイジ」のリリースによって明確に意思を表明できました。
私たちはフードカンパニーとして、オフィスおかんの横展開をしながら事業拡大をするのではなく、HR (特に働きつづけられない問題)に関する課題を、上流の問題特定(アセスメント)から下流の問題解決(ソリューション)まで取り組む HRカンパニーとして事業拡大をするということを。
結果として、「え?おかんがなんでHR?」という声と、
「なるほど、そういうことだったのか」という声の両方があがったわけです。
これらの反響があったということは、ある意味成功だったと思っています。
ちなみに、ハイジの導入に関する引き合いも日々いただいていますが、オフィスおかんとは違った企業からの引き合いも多く、そういった点でも意味を感じています。
スタートアップが事業を立ち上げ、市場に受け入れられるプロダクト・マーケット・フィット(PMF)まで到達するためには、とにかくプロダクトの作り込みが必要だと思います。でも、一定規模まで到達すると成長スピードが鈍化します。
事業がキャズムを超え、大きな市場を形成するためには、その事業が持つ意味や社会的意義を適切に社会に伝え、理解してもらう必要があります。これがコーポレートブランディングだと思っています。
例えばオフィスおかんも、ただの食事提供の業者だと思われていたら、キャズムを超えることができません。HRの課題を解決するためのソリューションとして理解されてはじめて、今まで利用しようと思わなかった企業に利用されるようになります。
現在のブランド(社会的認知)は、十分な市場規模となる理解をされているか?小さな市場にとどまってしまう認知をされていないか?私たちはこういった問いかけを自分に投げかけていました。
コーポレートブランディングの観点では、これから2の手3の手を打って、より強くメッセージングしていくつもりです。
株式会社おかんがSaaS事業にチャレンジしてぶち当たっている課題
アセスメント事業をSaaSという方法でチャレンジしているのは、安価に多くの企業に利用いただいたいから。そして、データを蓄積することで強みが増すから。シンプルな理由です。
これまでのフードカンパニーのイメージからは、こういったtechie(テッキー)なイメージはありませんでした。
※実際はテクノロジーがオフィスおかんのサプライチェーンを支えているので、エンジニアチームもあるのですが。
その結果、SaaS事業を立ち上げていくためのタレントが全然集まっていません。
ハイジ専属の、エンジニアも、デザイナーも、ディレクターも、セールスも、マーケティングも、カスタマーサクセスも、全然いません。プロダクトオーナー、事業責任者もいません。
今は、専任のディレクター1名と、兼任のエンジニア1名、デザイナー1名の体制です。
深刻な課題です。
ハイジにはとても大きな可能性を感じさせられてます。
労働人口が減少している日本において、雇用や離職に関する課題とニーズは日に日に増していますが、採用ではない定着や離職という観点でのサービスはまだまだ不足しています。
そして、ハイジは色々な企業、色々な業界においての離職を阻止するためのデータを蓄積していきます。世の中をみても未だあまり統計的なデータを収集できていない領域です。
ハイジは、働きつづけることができるための前提を作るインフラになり得ると信じています。
株式会社おかんは、ハイジをキッカケに大きな変化が始まっています。
そんな重要な事業「ハイジ」を一緒に立ち上げていきませんか?
一緒に社会課題を解決できる仕組み、インフラを作っていきませんか?
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