【すないぱー。】Hitの理由分析レポート〜TikTok今週の1曲[No.18 - 25/1-2]
こんにちは!
今回は「すないぱー。/ 『ユイカ』」についてのレポートになります。
今回も張り切って分析していきましょう!
執筆:スイ・山本慶太朗(株式会社ハイトリンク)
「すないぱー。」に注目すべき理由
そもそもなぜこの曲に注目すべきなのか?という前提ですが、
本楽曲はリリースから7ヶ月でTikTokでのUGCが合計10万を超えており、
これは国内ヒット曲でも2024年トップクラスの数値です。
ちなみに楽曲使用数(UGC数)はこちらの方法で確認できます。
↓↓
そして本楽曲はただUGC数がトップクラスというだけでなく、その認知獲得の経緯についても興味深く、リリースから5ヶ月経ったあたりで急にバズり始めているんですよね。
ただ単にバズった曲を分析するだけでなく、様々なバズパターンを知っておくことは「狙って曲をバズらせたい!」と思っている我々にとって非常に役立つ事例のストックになります。
というわけで、そんな「すないぱー。/ 『ユイカ』」ヒットの秘訣を本レポートでどこよりも分かりやすく解説いたします。
「すないぱー。」がヒットした最大の理由
まず端的に結論を共有させていただければと思いますが、
「等身大で普通の女の子が強く共感できる描写」
「クリエイターが憑依したいと思える可愛い女の子像」
これが「すないぱー。」ヒットの最もコアになる部分だと考えています。
UGCが伸びるということは、
・クリエイターがその曲を使いたいと思う理由
・視聴者目線でもそのコンテンツや曲を好きになる理由
この2つが揃っている必要があり、
今回のヒットに関してはそれが上記の2点を軸に広がっていきました。
特に描写への共感に関してはコメントにも表れているので一部記載させていただきつつ、ここから具体的な解説に入っていきたいと思います。
バズの始まりと広がるトレンド
まず始めに楽曲がUGC拡大によって広まった場合、どこを起点にバズが始まり、そのバズがどのようなきっかけでどんな場所に広がっていったのかを分析することが重要になります。
それを紐解くべく、弊社では【イノベーター理論】を用いて分析をしております。
イノベーター理論とはサービス等の市場での普及率を示すマーケティング理論の一つになります。
※詳しくは以下のサイトを参照ください。
今回もそれに倣い拡大経路の順を以下の3つに区分してリサーチいたしました。
それぞれの区切りは本家リリースから投稿までの期間で判断します。
ざっくり以下の通りの認識で今回は分析します。
(1)イノベーター
今回のイノベーターは過去のレポートでも複数回登場した、『ローカルカンピオーネ』さんというフォロワー100万人越えの男性二人組ダンス系クリエイターです。
一番最初 (2024/10/9)に投稿された動画の再生数は180万回を記録しています。
リリース (2024/5/4)から5ヶ月ほど経って、この曲を引用しての初めての大きなバズ。
こちらが「すないぱー。」ヒットの起点になったイノベーターであることは間違い無いでしょう。
ではこの楽曲がなぜ彼らに今更取り上げられ、そして伸びたのか?
ここを分析することが本楽曲ヒットの理由を紐解く最初の鍵ということになります。
①なぜ彼らが取り上げたのか?
最も重要なこの部分。実はこちらはご本人が教えてくださっていたので、その内容を見ながら解説していきます。
1, 印象に残るユニークな言葉選び
「歌詞が聞き取りやすく、キャッチーなワードであること。
振り付けしやすいし、みんなも覚えやすい」
一つ目のポイントはこれで、今回であれば以下が該当するかと思います。
「はい、午前8時20分!」
「ターゲットを目視しました」
「ガッツポーズ」
フリのイメージがつきやすく、動きが可愛くシンプル。
これは視聴者も真似したくなる (≒ たくさん見てもらえて伸びやすい) という点で、彼らが『取り上げたい!』と思う一つの大きな要素と言えます。
2, 共感性が高く等身大
「短尺なので壮大なもの、感動的すぎるものは向かない。端的に共感できる楽曲のほうがマッチ。真似してくれるのは圧倒的に女の子。彼女たちがかわいい、と共感して踊れるものを多く選んでいます」
彼らの言葉を踏まえて見てみると、
本楽曲は「ごく普通の女の子が恋する学生の青春」を謳った曲ですから、これが共感を呼びやすく特に女子ウケが良いと判断するのは妥当だと思います。
ーーーーまず本楽曲を起用した理由は上記の2つが大きいのは間違い無いでしょう。
②なぜこの動画がきっかけでアーリーアダプターに広がったのか?
楽曲が使われた次には、その動画がある程度拡散され、他のクリエイターが使いたいと思うところまで漕ぎ着ける必要があります。
まずローカルカンピオーネの動画が伸びた理由としては、すないぱー。の持つ…
・王道可愛いを征く楽曲ダンス
・『ユイカ』本人のネームバリュー
これらがメインの女性視聴者層の反応を良くしたからだと考えますが、そもそも彼らはどんな動画でも投稿すれば大体数十万再生ほどは伸びます。
またそこから強制的にイノベーターを作り出せる強さがあるのでここはそこまで分析に値する箇所ではないでしょう。
(UGCが伸びた後に元動画の再生数が伸びたという可能性も高い)
むしろ重要なのはここからで、彼らが取り上げた曲でもUGCが伸びているものとそうでないものがある中で、なぜ「すないぱー。」はここまでUGCされたのか?
これは彼らが投稿した可愛い系楽曲をひたすら見ていくとわかるのですが、
結論「自分の (に合った) 曲だ!」と思ってもらいやすい曲かどうかが重要なポイントです。
例えば…
・Lovely Couple / CHIHIRO (6万UGC)
・Partner / 有華 (2.6万UGC)
・モンロー / 阿部真央(1.6万UGC)
などは彼らが投稿した可愛い系楽曲で比較的UGCが伸びているものになりますが、これらはパッと聞いた時に境遇がすぐ理解でき、それを自分と照らし合わせやすい。
特にLovely Couple / CHIHIRO はカップルの幸せを非常にわかりやすく謳った曲で、実際UGC見るとかなり多くがカップルの投稿です。
つまり「あ、これ私たちにぴったりの曲だ!」って思えばUGCするきっかけの1つになるということ。
逆に歌詞が英語で理解するのが難しいとか、あまりにぶりっ子すぎるなど、「クリエイターが自分の曲だ!と認知するのにハードルが高い曲」はローカルカンピオーネが取り上げてもUGCが伸びていない傾向にありました。
例えばaikoの「恋のスーパーボール」などはローカルカンピオーネのイノベーター動画の再生数も100万近く回っており、アーリーアダプターでもminamiなどの強いインフルエンサーが参加していますが、UGC数は3000に満たない数字で停滞しています。
これが伸びていない理由を1から分析していると1本レポートが書けてしまうので端的にいうと「詩的な表現が強すぎて"私の曲だ」と思わせる力が弱かったことが挙げられます。
「少しこもった熱が、さらに私の気持ちぐるぐる引っ掻き回してはかき乱す」
ここからどんな動画を作れば良いのか、思考をめぐらせにくいかと思います。(もちろんリバイバル曲だし、aikoさん自身がTikTokで強い影響力がまだないなど完全にすないぱー。と同条件で比較はできないのでそれだけが理由ではないことは明言しておきます)
それを踏まえて「すないぱー。」を見直してみると、確かに「片思いする女の子のシチュエーションや青春感に共感する」というのもありますが「そういう境遇にいる (つもりで投稿する) 自分は可愛く見える」というクリエイター側の憑依欲や満足感を引き出すことができるからUGCされたのだと思います。
さらに視聴者もそれを見て「可愛い!」となるし、歌詞に共感もできるのでwinwinで動画の再生数もUGCも伸びやすくなっているのです。
まずここまでがイノベーターが生まれた理由と、そこからUGCが広がっていった大枠の理由になります。
(2)アーリーアダプター
その後は「流行敏感女子界隈」にてUGCが波及していきます。
彼女たち「流行敏感女子界隈」は次期TOPインフルエンサー予備軍ともいえ、それゆえに「バズって革命を起こしたい!」といった欲求が強いです。
そのためバズりそうな曲・トレンドには敏感で、大手よりも早く楽曲を取り上げる傾向にあります。
ですから今回も大手のローカルカンピオーネさんが取り上げたのを見て、即座に見切り発車したという背景があると考えています。
とはいえ彼女らも当然ブランディングというものは大事にしているので、あまりにもイメージとミスマッチな曲は取り上げません。その点「すないぱー。」が持つ「張り切っていない可愛さ」(ダンス、楽曲内容共に可愛いアピールが露骨だったりしない) というのは問題なくUGCされるポイントだったと思います。
(3)アーリーマジョリティ
イノベーター登場から20日後、TopTikoker界隈にUGCが広がり始めます。
彼女らは文字通りTikTok内でトップの人気を誇り、彼女らに楽曲取り上げられるかどうか = TikTokトレンドになるかどうかの分岐点と言っても過言ではありません。
そして彼女らがUGCする決め手は「自身のブランディング・魅力を引き出せるかどうか」にあります。
今回そのジャッジを突破した理由としては、
・楽曲が持ついやらしさのない純粋な可愛さ
・簡単で気楽に投稿できる振り付け
の2点が挙げられます。
まず1点目の「いやらしくない可愛さ」というのは非常に重要で、彼女ら (というかSNSに投稿する女の子全般の思想)は「自分の可愛いを見せたい」という気持ちがあります。一方で他人にどう見られるかというのも気にするため、あまり露骨すぎるものやぶりっ子感がすぎるものはどうしても心理的なハードルが高くなってしまいます。
これはつまり、イノベーターのセクションでもお伝えした「これ自分に合った曲だ!」と思ってもらえるかどうかの分岐点とも言えます。
その点「すないぱー。」は楽曲の印象が”恋する純粋な女の子”ですので歌詞への共感はもちろん、それを"自分の曲"として起用した時に自分が可愛く映るので、UGCのハードルを下げる大きなポイントとなっていたと考えます。
(これは流行敏感女子界隈の時も同じです)
2点目の「簡単で気楽に投稿できる振り付け」も同様で、まず簡単だからパッと撮って投稿できるというのもそうですが、フリがコンパクトで可愛いんですよね。
グッ!と女の子らしい天真爛漫なガッツポーズであったり、これがもし大きくジャンプしながら投げキッスするような大袈裟なものだったら、それはそれで可愛いかもしれませんがバズらなかった時に虚しく、言い訳が効きません。
ですが今回のようなコンパクトで可愛らしいフリであれば「とりあえず撮ってみた」が通用するので、こちらも心理的にUGCしやすいポイントだったと思います。
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これ以降はTopTikToker界隈、流行敏感女子界隈でぐるぐるUGCが回っていくような波及となり、王道可愛い系楽曲の最もベーシックな広がり方をしていきましたが、ここで補足として「すないぱー。」のバズらせをさらに加速させたもう一つのポイントを紹介したいと思います。
【+α セルフPRによるブースト戦略】
UGCを遡るとわかるのですが、今回一定のタイミングでユイカ本人が以下のような動画を投稿しています。
・本人もダンス踊って150万再生出す (イノベータ登場から10日後)
・ローカルカンピオーネと複数回コラボしてミリオン越え多数. (イノベーター登場から約1.5ヶ月)
これは何が起こっているかというと、ある程度UGCが拡大してきたタイミングで自分で再生数を獲得することによって、より「バズってる感」が出ます。
そしてその「バズってる感」が出た時に、これまで解説してきたような「楽曲そのものが伸びる理由」を持ち合わせていれば他のクリエイターも使いたくなるのでブーストがかかります。
つまり、ある程度火が燃えてきた時にさらに酸素を送るような行為が有効なセルフPRの使い方なのです。
(もし楽曲そのものに使われる理由がなければ、セルフでバズってもそれ以上広がらない)
特に今回はユイカ本人とローカルカンピオーネに集まってくる視聴者属性、UGC拡大の鍵を握る女性クリエイターに集まってくる視聴者属性、この2つが大まかに一致していたことから、このやり方でバズればどんどんその火は大きくなっていくような構造ができていました。
そういった条件を踏まえても「すないぱー。」のPR施策は非常に秀逸なものだったと言えるでしょう。
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このように分析してみると「すないぱー。」のヒットにはある程度必然性があった言えますが、ローカルカンピオーネの投稿、つまりイノベーター登場という第一関門のみ「運」要素が大きかったと思います。
それがリリースから5ヶ月もディレイがあってUGCが伸び始めた理由です。
逆に足りないピースがそこだけだとわかっていれば、案件依頼をするなどして狙ってこのヒットを作り出すこともできたのかもしれません。
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ここから普段のレポートシリーズであれば楽曲の音楽的特徴の整理に入るのですが、今回は趣向を変えて先に楽曲がヒットした本質的な理由をまとめるとともに、その時代とのマッチ・バズる曲を作るにはどうすればいいのか?見ていきたいと思います。
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時代の流れと共に紐解く、バズる曲に必要なポイント
ここから「なぜこの楽曲がヒットしたのか?」そして「どうすればバズる曲を作れるのか?」という最も重要な部分をまとめていくのですが、その上で前提としたいのが「時代の流れ」です。
ウケる音楽が時代によって変わっていく以上、楽曲単体の分析でなくヒット曲全体の流れを見て”今”バズらせるならどんな曲がいけるのか?という視点が重要になってきます。
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(1)等身大の女の子の共感できる可愛さ
ここまでも解説してきたように「すないぱー。」がどの界隈においても共通してUGCされる理由になっていたのが「等身大で普通の女の子が強く共感できる描写」です。
具体的には「とある女子高生が毎日学校に行って、好きな人と会い逡巡する」という至って普通の青春です。ですがこの”至って普通”というのが重要で、普通だからこそ多くの女の子が感情移入でき、それがSNS上ではエンゲージメントの高さ、再生数の伸びとして返ってくるわけなんですよね。
そしてこの感情的な需要はいつの時代も変わらず共通のものです。
例えば過去5年以内をメインにバズった曲をランダムに並べてみても、
・ポケットからきゅんです!/ ひらめ
・ミライチズ / 夜のひと笑い
・貴方の恋人になりたい / チョーキューメイ
・男の子のために可愛いわけじゃない!/ 星乃夢奈
・金曜日のおはよう / HoneyWorks
など多くの女の子が感情移入できる「シチュエーション的な萌え」を謳った曲というのは常に求められていて、恒久的にウケることがわかります。
そのシチュエーションというのに若干の差別化は必要ですが、ベースとして「等身大で共感できてキュンキュンできる曲」ならまだまだヒットが狙えるのではないでしょうか。
その際に「"自分の曲"として起用した時に可愛く見えるコンセプト」かどうかというのも押さえておきたいポイントです。
(2)わずかな時代へのチューニング
一方「女の子の共感」という感情とは別軸で、上手く時代にチューニングしているなぁという部分も見受けられます。
その別軸の時代の流れというのが「タイパ」になります。
音楽に限らずTikTokを始めとしたショート動画市場では、以前に比べてより強く多くのフックがあり、より簡単に満足できる動画でないと伸びにくくなってきている傾向にあります。
だから冒頭で小細工を増やそうなどといった話ではなく、重要なのは「短時間で満足できるタイパの良さを視聴者が求めるようになっている」という大衆心理を理解することです。
なぜならそれは可愛い曲などの系統とは関係なく成立してしまう事実だからです。
そして「すないぱー。」においては
・10秒以内という曲尺
・時間進行で作る複数オチ構造
というのがタイパを良くするエッセンスとして組み込まれていたのですが、これについては次の楽曲構成のセクションで解説していきます。
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ひとまず「等身大で普通の女の子が強く共感できる描写」「"自分の曲"として起用した時に可愛く見えるコンセプト」というのがこの楽曲Hitのコアで、そこへの感情的な需要ははいつの時代も変わらない、ということを覚えておいていただければと思います。
タイパを上げる楽曲構成
それでは早速、先ほど触れた構成の話をしていきます。
TikTokでバズるからには、その短い時間の中でより視聴者が見たい!と思える仕掛けも施しておきたいところです。
そして今回は「タイパ」という面に着目してその秀逸さを解説していきます。
①10秒以内という曲尺
「すないぱー。」はロングverとショートverが存在し、
10万UGCのうち約5.5万UGCを占めているのは
「はい!午前8時20分 〜 机の下でガッツポーズ」
という9秒尺のショートverです。
単純にこれはUGCヒット曲の中でもかなり短めな尺と言え、短いということは視聴者からすれば飽きずに視聴完了できるケースが多くなります。
視聴完了率が上がれば動画は優遇されることが多くなり再生数が伸びやすくなります。
再生数が伸びれば、クリエイターはUGCしたくなるので楽曲の認知も広がります。
「だから曲は短くしよう!!」
…ということをお伝えしたいわけではなく、あくまで視聴者が共感できる内容、伝えたい描写があった上で、それがより短い時間で表現できるのであればそれは若干有利かもしれないね、というニュアンスの話になります。
②時間進行で作る複数オチ構造
また残りのUGCの大半を占めるロングverは尺が約17秒ですが、ここは複数オチ構造というテクニックで視聴者の感情に寄り添っていたと言えます。
そもそも複数オチ構造とは何なのか?
わかりやすい例としては「1週間の歌」などが挙げられます。
月曜日は〇〇、火曜日は…と続くことによって頻繁に面白いポイントがやってくる、つまり複数のオチが詰まっているから飽きずに視聴を続けられるというのが複数オチ構造です。過去にバズったものだと「なあぜなあぜ?」も同様の構造ですね。
これに対し「すないぱー。」でも…
17秒という尺の中で時間を使ったストーリー描写を行うことで、
・8時20分何が起こる?→ 好きな人見つけたんだ!→ 9時40分は何?→ あ、嫉妬しちゃったのね…!
という興味の持続を呼び起こしています。
当然「1週間の歌」などに比べてストーリーのオチが視聴者にとって占める割合は多くないと思うのですが、あくまでエッセンスとしてここも視聴を続けたくなるポイントになっていたんじゃないかという仮説になります。
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ここまでの分析から結論づけられるのは、
・等身大で普通の女の子が強く共感できる描写 (=恒久的な感情の需要)
・タイパをよくする仕掛け (=時代へのチューニング)
という2つの側面が最大のヒット要因だったということです。
そこを大前提としつつ、
・ボーカルを強調する音数の少なさ
→ 歌詞がすっと入ってくる
・健気な少女っぽいボーカルアレンジ
→ 学校の青春、JKの世界観をより際立たせる
などといった全体の編曲も噛み合っていたというのが筆者の見解です。
一通りヒットの秘訣が分かったところで、最後に「このヒットによって得られた恩恵」と「再現性」についてまとめ、バズらせの知見とその後の繋げ方を確固たるものにしていきましょう。
このヒットによって得られた恩恵
まずはYouTubeのMVが約500万再生に到達し、ランキング上位50位以内にもランクインしています。
そしてその影響も後押しし、大規模ライブの開催が決定しました。
チケットの売れ行きもかなり順調なようですね。
ここまでの成果につながった理由は
・「すないぱー。」以外の過去ヒット曲等の積み上げ
・TikTokで感情移入した恋の続きを見られるフルMV
といった流れに一貫性があったからというのは見落としてはいけませんが、
いずれにせよ今回のTikTokバズが大きな礎になったのは間違いありません。
どうやって曲をバズらせるのか?
最後に今回のようなヒットを自分たちで再現するために重要なポイントをまとめていきます。
・女の子の共感はいつの時代も正義
→ 世の中の女の子がどんなシチュエーションに共感するのか、キュンキュンするのかを探り、その描写を明確にした楽曲であればチャンスはあると思います。そしてポイントは「等身大で普通」であること。またクリエイター側が「自分の曲だ!」と思ってもらえるようなコンセプトの曲であることも重要なポイントですね。
・UGCされやすいポイントを仕込む
→ キャッチーなフレーズ、可愛い振り付けができそうな歌詞、その楽曲がTikTokという媒体の中で流れた時に映像として可愛くなる姿が想像できるかどうか。同じようなメッセージ性や描写でもその視点一つで細かな言葉のチョイスが変わってくると思いますし、それがイノベーターに取り上げられるかどうかという第一関門突破の鍵にもなります。特に知名度のないアーティストにとってこれは重要なことです。
・変化する大衆心理に寄り添った楽曲構成
→ 今回の場合そもそもの尺や、その時間帯で何が起きるのか?という興味の持続を担う時間描写がそれに該当します。
ここで重要なのはそういったテクニックを詰め込もうという意識ではなく、大衆の心理が今現在どうなっているのか?という把握です。それが分かればあとはそこに寄り添うためにどんなテクニックを使うか。この思考順序が大切です。