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TikTokでダンス踊れば曲バズると思ってる奴、ちょっとこれ読め。

アーティストがTikTok撮影に積極的。
これはとても素敵な環境です。

『若者がわちゃわちゃふざけているSNS』なイメージもまだまだ根強い中
大の大人なアーティストがあろうことか『ダンス』を披露しTikTokにあげてくれる。
大変有り難い。

…当然"TikTokバズ曲制作のプロ"である僕が楽曲をバズらせる時……
アーティスト本人に……ダンスを踊ってもらう…….のか?




だが断る!!

…おっと思わずジョジョネタが出てしまいました。


僕らマーケターの仕事は
"アーティストを手懐ける事"でも"TikTokに動画を上げる事"でも
"曲をバズらせる事"でもなく

音楽とリスナーを繋ぎ・届ける事です。

例えアーティストがやりたがってても曲のために(そして最終的にはアーティストのために)NOと言えるくらい、
バズをうまく使い届ける施策を作り込むのが俺等の仕事だ。
…ってのがわざわざ露伴先生をオマージュして伝えたかったことです。


今回は、

  • なぜアーティストがダンスを踊ってもバズらないのか

  • どういう思考でTikTokを活用すればよいのか

を語ります。




TikTokバズは『CtoC』

まずはTikTokバズの前提を共有します。

TikTokで楽曲の拡散を狙う時通常のマーケティングと考え方が全く異なるのが、投稿者とリスナーの両方を巻き込まないといけない点です。

タイアップでも、Spotify攻略でも、MVでも、SNS広告でも、
""基本的には""リスナーが評価をする事を目指せば良い反面、

TikTokバズを狙うなら『投稿者(≒TikToker)』に使いたいと思ってもらわなければなりません。

これがCtoCの考え方に似ています。
CtoCとはConsumer to Consumerの略で、要するに『メルカリ』みたいに顧客同士がやり取りするビジネスのことです。


メルカリだと、

  • 出品者にとっても使いやすい(高く売れやすい)

  • 購入者にとっても使いやすい(安く買いやすい)

この両方を満たさなければいけないのがムズいわけですが、
同様に、

  • 投稿者(≒TikToker)が使いやすい

  • 曲のリスナー (+TikTokerのファン)が満足する

この両方に当てはまる曲を作らないといけないわけです。

正直この2つを満たす曲でないとTikTokでバズらせることは不可能です。


この2つを満たしていない曲を無理やりバズらせようとして
アーティストにダンス踊らせたり、インフルエンサーに案件依頼したりするのは、

安く買いやすいことに特化したメルカリで
『出品応援キャンペーン』を打ってる

みたいな滑稽さがあるわけです。
メルカリは出品者にも購入者にも使いやすいアプリだからこそ流行っているのであり、購入者しか満足しないアプリな状態でキャンペーンで一時的に出品者を無理やり増やしても、そもそも高く売れるアプリにしない限りは永続的かつ能動的に出品ユーザーは増えないじゃないですか。


つまり能動的にユーザーがダンス踊りたくなるような曲を作ってないのに、一時的にプロモーションでアーティストがダンスを踊っても意味がないわけです。

だからTikTokバズが活用できない新曲のほうが世の中には多いです。


「じゃあTikTokerが使いたくなる曲って何?」って話はこっちでしてるんで
興味あれば読んで下さい。



『楽曲 × UGC拡大経路 × 座組』がTikTokプロモーションの核

僕らのような
TikTokバズ曲制作を専門に研究している人の強みはここにあります。


  • そもそもTikTokerが使いたくなる要素の理解度が深い

  • どういうきっかけで流行り始めるかのパターンを沢山知っている


だからこそ、

  • 楽曲を聞けば瞬時にどのパターンでバズらせればいいか分かる
    (そもそもTikTokバズは狙えないもすぐ分かる)

  • 公式で上げるべき楽曲にフィットする動画の提案ができる
    (時にダンス以外も)


こういう仕事が出来るわけです。

うちは初回相談無料なんで適当にアーティストにダンス踊らせる前に
(欲を言えば曲を作り出す前に)相談に来てくれよ

っていう宣伝なんですが、

とはいえじゃあダンス踊らせる以外にどんなプロモーションの手段があんねんって話を少し語ります。


結論僕らが見極めている要素は3つ。

楽曲 × UGC拡大経路 × 座組

この掛け算の相性が全てです。
ハンターハンターみたいになったのは偶然です。


楽曲

曲を要素を分解して考えましょう。
特に重要なのは『歌詞』『編曲(≒ジャンル)』『切り抜ける場所』
この3つ。
細かく言うとリズム感、mix、トラック数、コード、メロディなども重要ですがそれ語ると10万文字になるので一旦置いて最重要な3つの話をします。


まず歌詞は、
バズのきっかけ(イノベーター)となるTikTokerの界隈をターゲッティングします。

説明用に超わかりやすく言えば

  • 『美味しい』って歌詞なら『グルメ系TikToker』

  • 『ワンちゃん』って歌詞なら『犬系TikToker』

みたいな。
僕らはTikTokの界隈を約50パターンくらいに分類して、歌詞と相性のいい界隈とマッチングするわけです。気分は結婚相談所。

当然ここで相性のいい界隈が1つもなければTikTokバズがそもそも使えないねってなるわけです。非モテ乙!

こういうのを脳内でやってるよ。

続いて編曲。
マッチングの際の『足切り』『加点要素』として機能します。

『足切り』は界隈が好むサウンドになっているか、の審査です。
説明用に超わかりやすくいえば、

『美味しい!』って歌詞なのに編曲が『ヘビメタ』ならスイーツ専門アカウントだと使いにくいじゃないですか。

『加点要素』はその逆で、マッチした界隈が好むサウンドになってたらより使いやすいよねって感じ。
グルメなら映えるLofiサウンドとか万人受けするのでは。

ここを歌詞とギャップのあるサウンドにすることによって界隈の枠を飛び越えるバズを起こすテクとかもあるんですが、それ話すと10万文字超えるのでまた今度。


最後が切り抜く場所。
TikTokで使うのは6~35秒くらいなので楽曲のどの箇所を切り抜くかが超重要になってきます。

弊社ではこれだけを考察するためエクセルに100曲切り抜き箇所をまとめた
長大なレポートを先日作ったくらい深いんですが、
簡単に言えば

・その界隈で使いやすい始まり方をする
・歌詞と編曲が界隈とフィッティングしている

このあたりを意識して正解な切り抜き方をするといいです。



UGC拡大経路

先程はTikTok内での『0→1』をどう作るか?という話でしたが、

その後更に多くの人に使ってもらうには?
TikTokを飛び越えてストリーミングやYouTubeや売上に跳ね返すには?

などを考えるのがこのUGC拡大経路の設計となります。

今回も超わかりやすい例で行くと
『猫ちゃん可愛い』という歌詞で『キラキラポップサウンド』のサウンドの曲があったとすると

最初の界隈(イノベーター)は猫TikTokerになるかもしれませんが、
その後女の子TikTokerが猫耳を付けてダンスをしだしますよね。

(まあ僕の予想だと大抵の曲は順序逆だと思うけど)

これはフェーズに寄ってTikTokerの楽曲使用意図が異なる事も理由の一つです。

…のような感じで何処で火を付けてどう広げていくかを事前に設計する事が重要です。
もちろんこれ通りうまくいくこともあればそうでないこともあるのですが、事前にKPIを決めて拡大の様子を観察しておかないと、予算投下や本人稼働のタイミングをミスります。


例えば声が可愛くて人気がある女性声優アーティスト本人がダンス動画をリリースのタイミングで上げるとブランディングとして『アニソン』なイメージが付くので、仮に楽曲がアニソン界隈とは真逆の界隈がイノベーターとなる時起用を忌避され拡大が鈍化することなどがあります。
であればある程度拡大した後に「みんな踊ってくれてありがと〜歌ってる本人だよ〜」みたいな感じで後からダンス動画上げるほうが良いんですよ。

最初の設計の通りうまくいくことはありませんが、
最初から『どうなったらどうする』というシナリオは決めておかないと成功率が落ちます。


座組

これは別にTikTokに限らず汎ゆるプロモーションに共通することだと思いますが、アーティスト本人の強みややりたいこと、アーティストのフェーズやリリースの狙い、プロデューサーや会社間の関係値、予算と人脈 などなどを総合的に考慮した上でどうTikTokを活用するかを決めようぜって話です。当たり前過ぎてすみません。

ただ結構ここで止まることがあって、
例えば楽曲的には最高にTikTokウケする感じで、イノベーターとなる界隈とアーティストの相性もよいのに、事務所からアーティスト本人のTikTok稼働がNGとなる場合など想像できます。
 ※実際にあった例ではないですよ

その逆にアーティスト本人が普段からちゃんとTikTokアカウントを育てている場合などは無料でセルフUGC作りまくれるのが最強なのでそこを施策に取り入れたりしたいですよね。



…ってな感じで概要は考えています。

要するにアーティスト本人がダンス動画を上げることは素晴らしい事なんだけど、意味がない曲で打つならその予算をもっと適切な所に割り振ったほうがちゃんと届く楽曲になるし、意味がある曲でも適切なアップするタイミングもあるわけです。

脳死でリリースタイミングでダンス踊った動画を出すこと=TikTokバズ対策ではないと分かってもらえたら嬉しいです。


公式と一般アカウントは見られ方が違う

最後に余談として
ダンス動画を公式アカウントで上げるの愚策かもよって話をしたい。


・公式アカウント(レーベル公式とか)
・アーティスト本人のアカウント
・一般アカウント

 →それぞれ同じ動画を上げても反応が全く違う

なんですよ。


視聴者視点に立ってみましょう。
公式アカウントには『期待』を持って視聴者はみます。

「公式なんだからクオリティ高いものを上げるに違いない」
「公式なんだからきっちりかっちりしたものを仕上げるに違いない」


こういう"潜在的な期待"があるわけです。

この期待を『上回る』か『下回る』かしなければ動画は伸びません。
上回るとはユーザーが想像したものよりも超高クオリティなもの。
下回るとはユーザーが想像しもしなかったしょうもない動画です。
期待通りのものを提供されると想像通りすぎてがっかりするわけです。

つまりレーベル公式垢で「ダンス動画」を上げるのは、
視聴者からすれば期待通りなわけです。

なぜなら視聴者はレーベルがバズらせようとしている(儲けようとしている)ことは分かっているので、ある種PR動画と同じようなニュアンスで動画を見るからです。
もちろん「公式がそんなダンスやっていいのかよwww」と思われるほど変なダンスを考案したり出来るなら話は別ですけどね。
ポプテピックとかくそみそテクニックのブランディングはそういうのですよね。

アーティスト本人垢は運用方針に寄って一般垢と公式垢の中間のような立ち位置になりますのでキャプションの文面や撮影の仕方で一般垢感をブランディングしていく必要があります。

TikTokは動画1本1本が勝負で0→1が作りやすいプラットフォーム。既存のフォロワー数が多い公式垢から上げるからと言ってそんなに優遇は掛かりませんので公式垢からイノベーターを目指すダンス動画を出すのはデメリットデカいと思います。

新規に一般ユーザーっぽいアカウント作るか、TikTokerとのコラボ動画という体でその人のアカウントで上げるほうがプロモーション感払拭され再生ちゃんとされます。

参考までに!


ここまで読んで
『弊社にTikTokでバズる曲の制作や施策考案を依頼したい!』
と思ってくださった方是非お問い合わせお待ちしております!

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