就活、転職での自己分析「価値観」の探し方 Part2
これから自己分析を始める人への入門ガイド。
Part 2では自分の価値観を見つけるための具体的なやり方を紹介します。
価値観を見つけるための目的については、Part1を見てみてください。
ではいきましょう!
価値観を探す全体像
1. 質問に答える
2. 答えを「なぜなぜ」分析する
3. 価値観の種をグルーピングする
4. 近いグループを近くに、遠いグループは遠くに配置する
4. すべてのグループを1本の矢印でつなぐ
自己分析では、質問に答えるということをやります。
これは自分で内省をすることに、慣れていないときは、非常に有効です。
しかし、1つ落とし穴があって、質問への答えがそのまま価値観を表していると勘違いしてしまう点です。
実際は答えを深く分析する過程で、具体化と抽象化を行い、価値観を見つけることができます。
しかし、その分析方法についてはよくわからない方が多いと思います。
なので、今回は分析方法も丁寧に説明をしたいと思います。
質問に答える
自分を形づくっている感情や出来事に気づくために、その具体的な出来事を思い出すきっかけとして、質問が役に立ちます。
まずは、下の質問に答えて見ましょう。できれば、マインドマップのアプリを使いながら、やることをおすすめします。
僕が使っているアプリはMind nodeです。
Q. あなたの成功体験は何ですか?
成功体験とは、あなたが目的を達成できたことや、本気を出して取り組んだことなどです。
例えば部活で優勝したことや、受験で志望校に合格したことなどがあります。ダイエットに成功した、インターンシップでの体験など、あなたが頑張ったこと、人にも自信を持って語れるようなことが当てはまりやすいですね。
あなたはどんなときに、成功することができましたか?成功したときは何を感じましたか?どんな行動をして、心はどんな状態でしたか?どうすれば、またその状態になれますか?
Q. これまで読んだ本で好きなものは何ですか?
どうしてその本が好きなのでしょうか?ファンタジー小説や自己分析本などどんな本が好きなのでしょうか?
Q. あなたが憧れる人は誰ですか?
その人はどんな生き方をしていますか?どうして憧れるのでしょうか?どんな人に憧れやすいのでしょうか?
あなたがその人のようになるには、どうしたら良いでしょうか?
Q. あなたがやる気を出したり、触発されたりする出来事は何ですか?
心に火がつくというのは、あなたの価値観をそそられた可能性が高いです。あなたは、どういう状況で燃えるのでしょうか?
なぜなぜ分析する
質問に答えてると、具体的な本や出来事、人物が挙げられていると思います。
では、もっとも大切な分析方法について説明します。
「なぜ」を10回以上繰り返して、深く分析する
質問の答えは、具体的すぎたり、理由が乏しかったりと、あなたを構成している価値観の本質にはたどり着きにくいです。なので、深堀りをする必要があります。そのためには、なぜを繰り返すことが大切です。
そして、10回というのにも理由があります。それはもう何も思いつかないという状況になるのが、だいたい10回程度だと思います。最初の段階では、うまく答えることができないため、ふんわりとした回答になります。
たとえば、
「好きな本は何ですか?」
→ 「メモの魔力」
「なぜ好きだったのですか?」
→ 「初めて自己啓発で強く心に残ったから」
という具合で、なぜ好きなのかも自分ではあまりわかっていない状況です。
なので、なぜ心に残ったのですか?というように、深く理由を掘っていくために、10回という目標を上げています。
もちろん、10回以上やってもいいですし、10回に満たなくても大丈夫です。ただ、もう答えが出ないところまで質問を続けるということです。
1回目:これまで読んだ本で好きなものは何ですか?
→ 前田裕二さんの「メモの魔力」
2回目:なぜ好きなのか?
→初めて自己啓発で強く心に残ったから
3回目:どうして心に残ったのか?
A. 前田裕二さんの圧倒的な熱量をその本に感じたから。
4回目:この本の何に熱量を感じたのか?
A. 前田さんは幼いころに両親をなくすという壮絶な経験をしていて、メモを取ることで人生を切り開くというストーリーと覚悟が強く印象に残ったから
5回目:なぜ人生を切り開くというところに共感し、印象に残ったのか?
A. 自分もうつ病から立ち直った経験があり、その時の大変さやマイナスからプラスへ進化するときの喜びを強烈に覚えているから
6回目:どうしてマイナスからプラスへ進化することが印象に残るの?
A. うつ病以外でも体型のコンプレックスがあってそれを乗り越えた経験から、自分に自信を持つことができたから
7回目:どうして自信を持てたことが印象に残っているの?
A. 自信を持てる様になってから、「自分なんて、、」という思考がなくなり、自分を好きになれることができて、人生が楽しくなったから
8回目:どうして自分を好きになると、人生が楽しくなったの?
A. 自分を好きになると、それが自信になった。自分なら何でもできると強く信じる事ができ、とにかく行動することが得意になったから
9回目:どうして行動すると人生が楽しくなったの?
A. 今まで押さえつけていた気持ちなど、心に正直に生きることができて、毎日が充実したから
10回目:どうして心に正直に生きると毎日が充実するの?
A. 自分の信念や想いを貫いた行動によって、心が満たされることを感じたから
最初はこの本に熱量を感じたというような浅い言葉だけでした。
でも、「なぜ」を繰り返すだけで、自分の信念や想いを貫く行動が、自分の心を満たすという価値観かもしれないことに気づきました。
自己分析では最初から深い言葉で答えようとするから書きづらいし、考える時間が苦痛になってしまいます。言葉は頭に思い浮かんだもので大丈夫です。少しずつ「なぜ」を繰り返していけば必ず階段を降りていくことができます。
ここから、「信念」や「想い」という言葉が自分の価値観の種であることがわかりますね。
このように、価値観の種になる言葉を20個以上探してみましょう。似たような言葉であっても大丈夫です。「なぜ」を繰り返す過程で見つけたキーワードも個数に入れましょう!
価値観の種をグルーピングする
20個以上の価値観の種が見つかっているなら、次は似たような言葉を同じグループでまとめてみましょう。このときにマインドマップがとても活躍します。
そして、グループに名前をつけてください。新しく価値観を表す名前をつけ直しても良いですし、グループの中で一番大きな力を感じる言葉を選んでも良いでしょう。
この名前が価値観になります。
だいたい5、6つくらいのグループになると思います。多すぎると訳がわからなくなるので、これくらいでおさまるようにしておきましょう。
近いグループを近くに、遠いグループは遠くに配置する
次はグループを距離を意識して配置します。価値観の中でも強く結びつきそうなものは近くに、遠く離れていそうなものは遠くに配置します。例えば、自立と挑戦という価値観はなんだか近いような気がします。安心と熱中は遠いような感じもします。直感的に決めて大丈夫ですので、距離をイメージして配置してみましょう。
すべてのグループを1本の矢印でつなぐ
最後のフェーズです。ここでは価値観グループを1本の矢印で結ぶ、つまり人生の価値観ストーリーを立てます。
どの価値観が起点になって、ゴールの価値観に向かって流れていくかをイメージしてみてください。
価値観の起点は、日常生活をどのように過ごしたいかが起点になります。起点の価値観は、自分の考え方しだいで満たす事ができるものにしましょう。
自分で満たすことができるようにするためには、価値観を具体的な行動に言い換えてみます。
例えば僕の場合、「今を生きる」という価値観が起点に感じました。でもこのままではどのような行動を取れば、価値観を満たす事ができるかイメージできません。
なので「シングルタスク」という価値観に言い換えて見ました。一つの期間に1つのことにのみ集中するシングルタスクで「今を生きる」を満たす事ができます。
しかも、「シングルタスク」であればどのような行動を取ればよいかイメージできますね。
例えば食事中はテレビやスマホを触らずに、食べ物や会話を楽しむということや、会議中は会議にのみ集中するために、他のアプリはすべて閉じておくなどです。このように、具体的な行動をイメージできる価値観を起点になるよう、言葉を言い換えてみましょう。
価値観のゴールとは、どんな人生だったら終えたときに幸せを感じているだろうかということです。僕の場合は魅力のある人生を送りたいです。自分で人生に魅力を感じられると、とても幸せだと思います。
なので、矢印の先は「魅力」になりました。
このように、価値観を1本の矢印で結びつけてみると、どんな人生を生きたいのかを明確にすることができます。
そして、最終的に僕の価値観は下から上へ、このようなストーリーになりました。
具体的な行動までイメージすることができるので、日々の悩みが減って、充実した一日を送ることができるようになります。
最後に
価値観さがしはとても時間がかかることです。僕は2ヶ月かかりました。それでも、探し終わってからは、日々のモヤモヤが解消されました。夜になって、今日も何もしなかったなというような心に穴が開くことがなくなりました。
あなたも、毎日を楽しく充実して生きるために、価値観さがしをしてみてはいかがですか?