プレリ5回出たのでモダホラ3リミテ環境についてあーだこーだ(環境予想)
自己紹介と経緯(飛ばしてOK)
はじめまして、普段は気が向いた時、ごくごく稀にニコニコ動画でMTGのリミテッド動画を投稿しているkeitamaと申します。
ご存じの方も多いかと思いますが、2024/6/11現在、私の活動拠点であるニコニコ動画が利用できない状態が続いております。
本来、本記事で取り上げる内容は、動画という形でニコニコに投稿する予定だったものになります。
あくまで臨時的な措置、代替手段として急遽noteを用いる事になった為、
不慣れ故の稚拙な文章となる事をご承知いただけますようお願い致します。
前置き
コモン~アンコモンは全て把握している前提の内容となります。
その他各2色のアーキタイプ、メカニズム等
基礎的な部分の解説は全て省略します。
環境予想であるにも関わらず、妙に具体的、且つ語気が強いです。
これは決して確信をもって発言しているからではなく、
正確性を重視し、間違いを恐れて置きに行った内容を並べるよりも、
環境を理解し、予想しようとするプロセスそのものに私が価値を感じているからです。
内容を鵜呑みにするのではなく、
常に疑いの目を持って読んでいただけますと幸いです。
環境構造
(現時点では)中速
後述するが、アグロデッキとコントロールデッキが、
それぞれ幾つかの問題を抱えており戦績が芳しくない。
また、両面カード(MDFC)やフェッチランド等のフラッド受けによって、
極端な膠着状態が発生することは稀。
コンバット苦手なプレイヤー同士のエルドラージミラーとかでもない限り、
決着がつくのは結構早い。
重要だと感じているのは、
ミッドレンジデッキが環境の中心にいるから中速環境なのではなく、
アグロとコントロールが難しいが故に、
結果として中速環境になっているということ。
それぞれが抱える課題を解決できれば、
そのゲームレンジに環境も傾くと考えている。
アーキタイプ環境
1枚で勝敗を決定できるようなボムレアが少ない一方で、
低レアリティは非常にハイパワー。
主にコモン~アンコのシナジーを中心にデッキを構築するアーキタイプ環境となる。
三竦みの破綻(アグロorランプor……)
恐らくWotCが想定していた本セットのリミテッドにおける構図は、
楔3色3陣営を中心とした。
ティムールエルドラージ(ランプ)
↓有利
アブザン改善(ミッドレンジ)
↓有利
ジェスカイエネルギー(アグロ)
↓有利
ティムールエルドラージ(ランプ)
のシンプルな三竦みであったのではないかと考えられる。
しかしこの三竦みは殆ど成立しておらず、
実際の所はエルドラージVSエネルギーアグロとなる、以下の様な2大勢力の対立構図であると予想する。
ティムールエルドラージ(ランプ)
↑ 有利↘
五分 (青白↑、赤白↓) 改善
↓ 五分⤢
ジェスカイエネルギー(アグロ)
環境を定義するもの(クリーチャー・エルドラージ)
プレリリースシールドでは、
エルドラージ(赤緑・青緑)が他を圧倒する成績を残していた。
本来ランプが苦手とするエネルギーアグロ(赤白・青白)に対しても、
五分どころか大幅に有利であるという印象を持った。
これは本来エルドラージに対抗しうるエネルギーアグロが、
3色に跨ったアグロというシールドでは要求値の高いアーキタイプであるが故、デッキとして十分な強度を確保できなかった側面があると考えている。
また、フェッチランドを採用して3色に寄せる程、デッキパワーと引き換えにテンポが崩れるジレンマがアグロ戦略を難しくしており、
ピック構築、プレイング共に普段のリミテッドにおけるアグロと比べて習熟度による振れ幅がかなり大きいものである印象も強かった。
ドラフトにおいて、前者の問題は解決可能であり、
後者の問題も良く言えば伸び代があるということでもある。
ドラフトでは、両者の相性は段々とエネルギーアグロ側に傾くが、しかしそれだけではまだ有利までにはならないと考えている。
何故なら、この環境の代表的なアーキタイプは、
皆それぞれ対エルドラージにおいて何らかの課題を抱えているからである。
エルドラージが突きつける3つの難題
①アグロ
アグロが抱える課題は突破力。
エルドラージクリーチャーの多くは本体と共に落とし子を引き連れてくる。
これがマナ加速だけでなくチャンプブロッカーでも有る為、地上ビートで詰め切るにはどうしても時間がかかってしまう。
では空から攻めればどうか。
しかし試してみるとそれも難しい。
エルドラージクリーチャーはコモンから到達持ちが3種類(飛行1種類)
アンコモンまで手を伸ばせば更に1種類(飛行3種類)増える。
アブザン改善陣営が不人気になることを考慮すれば、
到達授与持ちのニクス生まれのハイドラも当然の様に採用されるだろう。
エルドラージに忖度しすぎである。
これらを対処する為に除去が必要となるが、
赤の火力で出せるのはは3~4点止まりでメジャーな到達持ちを焼くには惜しくも届かない。
青と白は有効な除去自体はあるものの、かなり数が限られている。
除去に恵まれた場合の青白でやっと有利と言えるくらいではないだろうか。
威迫や飛行といった回避能力を上手く機能させることが、
対エルドラージにおいては想像以上に難しい。
②ミッドレンジ
ミッドレンジが抱える課題は速度。
そもそもミッドレンジがランプデッキに対して不利である事は勿論*¹だが、デッキパワーで劣るだけでなく、エルドラージ陣営は豊富なマナ加速手段によって早期に高マナ域のカードを繰り出してくる。
それだけならランプなら当然の話とすればよかったが、その多くはキャスト誘発能力持ちで盤面に何らかの干渉を行い、唱えたそのターンにはこちらの動きを抑え込みに来る。
即効性のあるカード群で構成されるエルドラージ相手に、シナジー形勢に準備を要するミッドレンジでは間に合わない。
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*¹ 構築勢はピンとこないかもしれないが、
それは構築環境のミッドレンジデッキが大抵除去ビートだからである。
リミテッドにおいて除去を豊富に揃える事は容易ではない。
③コントロール
この環境にコントロールが存在するとすればそれは青黒になると思われるが、青黒コンの抱える課題は対処能力。
エルドラージ陣営はキャスト誘発能力持ちが多く、
打消し呪文や除去では完全な1:1交換にならないケースが非常に多い。
加えて落とし子を展開してくる為に、コスト要求カウンターを躱して呪文を通す事に長けている。
勿論壁クリーチャーで止まるサイズではない。
一見平等なジャンケンに見えた環境も、
実際はエルドラージだけがグチョパを使える事によってほぼ破綻していた。
というのが、プレリリース終了時点で私が抱いた感想だった。
各色評価
2色評価(左右差有り)
Tier1
赤緑、青緑
Tier2
青白、緑白、赤白
Tier3
黒緑、白黒
謎
赤黒、青黒、青赤
各色解説(簡単に)
・赤緑&青緑(エルドラージランプ)
大体はここまで述べた通り。
赤緑型は軽量火力でアグロに強く、青緑型はドローソースで同系に強い。
マナカーブ通り順番に叩きつけるだけで勝てる環境の王者。
・青白(エネルギーフライヤー)
到達持ちを如何に捌くかが課題の色。
デッキ強度自体は十分あるので、少ない除去をちゃんと確保する事と、
打ち所を間違えない事が重要。
・緑白(改善アグロ)
2大勢力のメインカラー2色を両方使う関係で、
要求値が高い事を除けば優秀なアーキタイプ。
流石にエネルギーアグロと比べると速度は落ちるがその分パワフル。
緑の低マナ圏にマナ加速が優先されるエルドラージとは棲み分ける事が出来そうだが、問題は白の方。
アグロ向けの白のカードは青白や赤白との奪い合い。
改善テーマ唯一のアグロでエルドラージに抗える為、黒タッチで他の改善テーマのマルチやレアをつまみに行くのがほぼ既定路線になるだろう。
本記事サムネイルの様な再現性の高いスーパーコンボも存在する為、
流れ次第では強気に突っ張るだけの価値があると考えている。
(プレリで2ゲーム連続で決められて負けた)
・赤白(エネルギー地上ビート)
環境最速ではあるものの、本来狩る対象であるランプデッキが固すぎて有利対面が非常に少ない。
ティムールカラーは絆魂が存在しない色である為、
対エルドラージは受け止められてしまう前提で本体火力の評価を上げ、
最後に焼き切ってしまうのが最も現実的なゲームプランだろうか。
・黒緑(改善ミッドレンジ)
速度もパワーもエルドラージに勝てないので一切良いところがない。
挙句緑のカードは大人気のエルドラージ陣営が全て持っていくので別にカードも余らない。
黒ベースならもっと他にやりようがある。
とまぁ散々ボコボコに貶してはみたが、
立ち位置が絶望的に悪いだけで、別に弱いかというとそうでもない。
見た目通りのシナジーとパワーは確かにあるので、
マルチがいっぱい出ているならやぶさかではない。
・白黒(改善ミッドレンジ)
大体は黒緑と同じ理由で同じ評価。
しかしこちらはエルドラージと色被り無しで、白の防御的な札を取る分にはエネルギーアグロとも競合しない。
これだけ聞くと黒緑よりまだマシに感じるが、コモンアンコのマルチが絶望的に弱い上にゲームプランとも噛み合わない。
マルチは両方とも青白がタッチで使う方がまだやれそうで、本当にこの色をやる理由が見いだせない。
リリースして直ぐに不人気になると思うので、研究する価値はあるけど…。
勝利報告お待ちしております。
謎枠
ここからはプレリリースの経験だけでは評価が難しいと感じた色。
要求値が高かったり、普通に組むと弱いためにシールドでは評価されなかったが、ドラフトでは可能性があるんじゃないかと思った物を置いている。
要研究対象で、この中からメタゲームが進んだアリーナオープン等で使える懐刀を見つけたい。
・赤黒(アーティファクトアグロ~ミッド)、青黒(フライヤービート?)
改善陣営が不甲斐ないせいで、黒は完全に浮いた位置になっている。
しかしそれこそが赤黒と青黒の可能性であり、この2つは共通してほぼ黒ベースでの運用を前提にすることで、完成度の高いエルドラージ相手にも渡り合えるポテンシャルがあるのではないかと個人的に期待している。
エルドラージ相手でも安心の豊富な確定除去群はそれら全てがダブルシンボルで、挙句には沼をカウントするドレイン除去まである。
これらが高い参入障壁となるお陰で、1パック目の流れさえ良ければ飛び込みやすい。
黒の確定除去で大型エルドラージを捌きつつ、
赤黒はアーティファクトシナジーを使って殴る。
青黒は落とし子を無視できるフライヤーで殴る。
青白以上に青白のやりたいことができる気がしないでもない。
しかしやろうとしている事がこの2つは似通っている上要求値は高い為、
恐らく共存は不可能。
卓1絶対アーキだと思っておくのが良い。
なお、青黒3ドローコントロールはテンポが悪すぎて一切期待していない。
(シールドでダメな時点で、更に高速なドラフトで勝てるとは思えない)
・青赤(エネルギーコントロール・エルドラージ)
二大勢力の両陣営に挟まれた色。
纏まりが無い癖に色だけ強いので、両陣営からめっちゃ引っ張られて両腕がもげる。
1パック目だけやれそうな雰囲気を出す癖に、2パック目以降流れが悪くなるシチュエーションが多発するのが目に見えている。
青赤エルドラージはエルドラージなんだからそりゃ強いが、
エルドラージを目指すなら緑から入らない理由が見当たらない。
態々緑を空けるなら、軸足は青や赤ではなく白や黒に置くべき。
ここら辺の話はスタートカラーの項で触れるが、サンダージャンクションで白から入っても緑白や白黒を組むのが難しいのと同じ理由だと言えば伝わるだろうか。
卓読みが上手い玄人が乗りこなしてハイブリッドでも組むのかもしれないが、我々凡人は触らなくてもよいのではと考えている。
各色評価は以上
8ドラ卓許容数の内訳
卓内のプレイヤーがそれなりに協調できた場合を想定すると、
平均的な8人卓の内訳は恐らくこんな所だと思われる。
パターン1
2エルドラージ
2エネルギー
2改善
1赤黒
1青黒
環境初期のイメージ。
エルドラージ決め打ち安定。
ここから改善が減ってエルドラージが混み合う。
パターン2
3エルドラージ
2〜3エネルギー
1~2改善
1赤黒
0~1青黒
決め打ちが増えてくるイメージ。
エネルギー3人はかなりきつい予想。
パターン3
3エルドラージ(タッチ黒)
2エネルギー(タッチ黒)
1緑白(タッチ黒)
1黒ベース
1愚か者
さらにメタゲームが進んだ結果。
愚か者が向かった先の競合が共倒れ。
大体はエルドラージ決め打ち勢による4人エルドラージになる予想。
ドラフトスタートカラー評価
緑>白>黒>青=赤
その色に軸足を置いているアーキタイプのTierとほぼそのまま連動している非常にシンプルな予想。
ここまで読んでくれた人にはしっくりくる筈。
エルドラージに入るためには緑へ行きたい。
エネルギーや緑白のアグロに入るためには白へ行きたい。
赤黒ファクトや黒ベースができるなら黒へ行きたい。
青赤から入ってもエルドラージとエネルギーの狭間でピックがふらついたり、そもそも何処へも行けなかったりと難しい。
ここまでの環境予想が当たっていればこの評価もきっと当たる。
余談(BO3シールドのススメ)
最後に少しだけ。
冒頭で触れた通り、本環境はレア依存度の低いアーキタイプ環境であると予想している。
そしてエルドラージが圧倒的故にほぼ破綻しているとはいえ、メインストリームの楔3色3陣営は三竦みの様に相性差が存在しており、デッキ強度と同程度にこの有利不利が勝敗を左右する認識を持った。
エンチャント、アーティファクト等、特定のカードタイプを利用したアーキタイプと、それに対する溶融等のクリティカルなサイドカードが存在する事も大きい。
そこでプレリリースのBO3シールドでは
・十分な完成度のエルドラージが組めるプールならミラー意識強めのエルドラージ一本槍で戦う(ミラーの先手だけアグロも使う)。
・エルドラージが組めないプールでは他のアーキタイプを使いつつ、サイド後は対戦相手や先後を鑑みて積極的なスイッチ(アグレッシブサイドボーディング)を行う。
この2プランを強く意識して取り組んでみた。
それなりに感触は良かったので、幾つかサンプルデッキを載せて本記事を終える。
普段はアリーナオープン予選でBO1を選択している人が多いと思うが、サイドボーディングで差を付けやすいBO3シールドを極めてみるのはいかがだろうか。
読んでくれた人はありがとう!
遥かなるモダンの地平線の彼方へ……行ってらっしゃい!