ラフティングnote.5~100万円の札束の薄さ!?~
前回の続きです。ラフティングのガイドになる為にオーストラリアに渡豪すると決めた大学生の私です。
現地で仕事をしようと思っていたわけですが、流石にすぐに収入があるような生活は無理だろうと考えていました。
なので私は大学生活の4年間でバイトをして海外渡航費用を貯めていたのです。
ラフティングのガイドになろうと決意したのは大学4年生の時ですが、海外に行く事自体は大学入学前から決めていたので、バイトは大学1年生の頃からやっていました。
漠然と「とりあえず100万貯めよう」と決心しバイトを始めたのです。
1年生の頃は弁当の工場。2年からはファミレスの皿洗いをしていました。時間帯は夜でしたね。
大学の時は体育会系のサッカー部に所属していたので、練習は週6日で普通にしっかりとやっていました。ですから当然バイトに入る事が出来る時間帯は夜しかありません。
大体21時から深夜1時~2時頃まで働いていました。
昼間は授業を受け、放課後はサッカー部の練習、そこから大学のトレーニングセンターで筋トレ。大学でシャワーを浴び、そのままバイトに向かうというのが日々のルーティーンでした。
週4日くらいはバイトしていましたが、思ったよりお金はなかなか貯まりませんでした。サッカー部では毎年のようにユニフォームやジャージを購入していましたし、夏の合宿費などもまあまあかかったので、バイト代からそれらを捻出するとあっという間に無くなってしまいます。
本格的に貯まり始めたのは4年生になって授業もほとんどなくなり、部活を引退してからです。
最後の半年は急ピッチでバイトの時間を増やし渡航費用を頑張って貯めました。
その甲斐もあり卒業時には目標としていた100万円を無事に貯めることが出来ていました。正確にはもう少しあったかもしれませんが。
そして、いよいよオーストラリアに渡航するとなった時にそのお金をオーストラリアの現地の銀行に送金する事にしました。
渡航前にあらかじめ現地の銀行に口座を作っておいたので、その口座に貯めた100万円を入れておこうと考えたのです。
たしか日本に現地銀行の支店があり、そこの口座に現金を振り込んだと記憶してしますが、なんにせよとりあえず貯めた100万を現金で下し、違う銀行まで自転車で持っていったのです。
その時、生まれて初めて100万円の札束を自分の手に持ったのですが、その時に印象は、
「100万ってたったこれだけ・・・!?」
「厚みも大したことなく、結構薄いな」
というものでした。まあ、100万なので厚さとしてはせいぜい1センチ程度でしょうか?
薄いのは当たり前といえば当たり前なのですが、当時の22歳の私にとっては100万は4年間のバイトの血と汗の結晶です。大金です(100万は今でも大金ですが)
自分の中では「結構な大金を渡航費用として4年間頑張って貯めてきたのに、それがこんなにも薄いものなんだな・・・」というのが当時の私の正直な感想でした。
とは言っても大事な渡航費用で、オーストラリア現地に行ってからのしばらくの生活費にもなる重要な100万円です。
自転車で運んだわけですがどうやって運んだのか記憶にありません。ポケットに入れて運んだのか、バッグに入れていたのか?
でも、とりあえず口座に入金するまでは間違っても失くさないように、盗まれないように細心の注意を払っていたのは言うまでもありません。
でも、確かに思ったより100万の札束は薄かったのですが、それを見たときにその薄さ故に「あれだけ頑張って貯めたお金がたったこれだけ・・・」という思いが自分の中に浮かび上がり、逆にお金の価値というものがよりしみじみと実感できたと記憶しています。
自分が稼いだお金だからこと実感できたと思うのですが、と同時に自分にそれまで仕送りしてくれた親の有難さというものもその時強く再認識しました。
物事の価値というものは自分の力で手に入れてこと初めてその本当の価値が分かるのかもしれません。
他の人から単にもらっただけの状態だと、それを手にするまでの過程というものがそのままそっくり抜けてしまっている場合が多いです。
仮にその過程を聞いたとしても、本当に心の底から実感するのは難しいと思います。
『百聞は一見に如かず』って事でしょうかね。
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