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エッセイ万歳①ー『ちょっと不運なほうが生活は楽しい』

はじめに

エッセイは、大人の作文と言う人がいるが、言い得て妙で、小説や新書、専門書などと違って、肩肘張らずに読めるのが良い。そして、短編が連なっていることがほとんどなので、途切れ途切れ読んでも、内容が分からなくならないのも良い。
そんなエッセイだけれど、エッセイは著者の世界の切り取り方や独特の言い回しによって良し悪しが決まるような気がしていて、素晴らしいエッセイを読んだときには、その著者に対して畏敬の念を抱く。
このnoteでは、そんな素晴らしいエッセイに出会えたときの胸の高鳴りを書いていけたらと思う。


『ちょっと不運なほうが生活は楽しい』を選んだ理由

このエッセイは、アンガールズの田中さんの本だ。ちなみに私が持っている本は、幸運なことに田中さんのサイン入りのもので、ちょっと嬉しい。
この本を選んだきっかけは、アンガールズのpodcast「ジャンピン」がきっかけである。ジャンピンのリスナーのことを番組内では「リトルジャンガ」と呼ぶが、私も気づけば、「リトルジャンガ」である。なぜ、「リトルジャンガ」になったのか。その理由は、田中さんの気配り力の高さに惹かれたからである。「ジャンピン」の中で、田中さんは、リスナーがいつでも新規参入しやすいように時事ネタをなるべく控えたり、相方の山根さんが少し分かりづらいことを言ったときにはすぐにフォローを入れてリスナーが置いてけぼりにならないようしている。
そんなことがきっかけで、私は田中さんのことが好きになり、田中さんの初のエッセイ集『ちょっと不運なほうが生活は楽しい」を手に取ったのである。

お気に入りのエピソード・・・「待て! そこの新選組!!」

この本には22のエピソードが収められていて、田中さんとお母さんのエピソードがその核となるのだろうけれど、そして私もそのエピソードは、心に沁みたのだが、あえてここで紹介したいのは、田中さんと事務所の先輩ビビる大木さんとのエピソードである。
まだ売れていない若手の田中さんと、当時すでに売れていた大木さんとの関わり合いを描いたもので、いつもお世話になっている大木さんに少しでも報いたいとする田中さんの健気な献身がユーモアを交えて描かれるエピソードだ。
話のオチまで言ってしまうと、このエピソードが台無しになるので詳述はしないが、このエピソードにここまで私が惹かれたのは、自分にもお世話になっている人に少しでも報いたいという気持ちがあるからなのだと思う。今の私は、売れないバンドマンのような生活をしているが、多くの人にお世話になっていて、その人たちには自分出来る限りのことをしたいと思っているし、いつかは「売れて」最高の恩返しをしたいと思っている。そんな自分の気持ちにも気付かされたエピソードであったし、田中さんの真面目さ・優しさも伝わる話だったのではないだろうか。

おわりに

こんな形で初めてのnoteを書いてきてしまったが、まだまだ胸が高鳴ったエッセイはあるので、次からも折りを見て更新していけたらと思う。
ここまで読んでくれてありがとうございました。



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