そして…
英検1級を受ける日が来た。
大学を卒業し、これで通算5回目の受験となる。約5年が経過しようとしている。
英検の問題集をひたすら解くスタイルから、音読中心の勉強に切り替えた。加えて、語彙力強化(主にスキマ時間を活用)とライティング対策は継続的に行った。
そして試験開始。問題を解く順番を変えたのが良かったのか、ライティングは納得のいく内容で書き上げられ、読解にかなりの時間をかけられた。語彙問題は最後に、わかる問題から回答し、わからないものは消去法でやり切った。(語彙はやはり難しい…。最初に解かないで良かった。)
リスニングもまずまず…。とにかくやり切った。その一言だった。
その後、一旦英検の事は忘れ、仕事と遊びに集中した。そして、忘れた頃に試験結果をネット上で閲覧できる事に気がつく。
心臓がドキドキした。
結果を開くと、スクリーンに"2文字"が出現した。
"やった…。ついに突破した。"
しかし、ここで重大な事に気がつく。
"やっべ…、2次試験対策やってない…。"
翌日、書店に本を買いに走った。この時点で残り数週間。とりあえず、試験の流れを確認し、対策本で出そうなトピックについて学ぶ。幸いにもニュース記事は英語で読むなどはしていた為、全く知識がない訳ではなかった。
とにかく必死のパッチで対策した。仕事でどれだけ疲れていようが、対策し続けた。
そして迎えた試験当日。不思議に緊張しなかった。
今でも覚えているのだが、試験では、確か3つのトピックから1つを選び、即興スピーチをするのだが、恥ずかしながら、1つのトピックしかわからず、選択のしようがなかった。しかも、スピーチは時間内に終わらず、確か結論まで至らず、途中で打ち切られた。
頭の中では、"やばいよやばいよ"というどこかで聞いた事のあるフレーズが頭の中をぐるぐる駆け巡っていた。
しかし、この時すぐに開き直った。
"ならば、質疑応答で巻き返すまでだ。"
具体的には、試験官がストップというまで喋り倒す事にした(回答した)。私はとにかく諦めが悪い。
試験が終わった後、半端ない疲労感が襲ってきた。後悔は微塵もない。もし駄目でもまた2次試験から受け直したら良いやんか。
いつもなら結果は忘れた頃に見るが、今回は何度も英検のHPにアクセスした…。そのくらい早く結果を知りたかった。何度アクセスしたか、もう回数を数えるのも面倒なくらいアクセスしたと思う。そして、試験結果閲覧ができる日がやってきた。
サーバーが混雑しているかと思いきや、結果はすぐに表示された。
"合格"
"1級なんて受かる訳ないやん。"
私はこの言葉を何度聞いてきただろう。
"不可能なんてないよ。"
決して綺麗事ではなく、私はそう自信をもって答えるだろう。
そして、私と英検との闘いはついに終わった。