〜ガイド記録2(実践編)〜
その日はやってきた。
天気は良い、いや良過ぎる。(暑い!!)
これは適度に休憩を入れないと、熱中症になってしまう…、そんな暑さだった。
そんな中、汗だくになりながらゲストが宿泊されているホテルにお迎えに行く。
念の為、15分程前にイン。旅程を睨めっこし、イメトレをしていた。
すると、ゲスト登場…。
旦那さん、体格が良い…。
奥さんは笑顔が素敵な方だ。
簡単に自己紹介し、出発…。
電車、バスを乗り継ぎ、まずは清水寺へ。
産寧坂等の坂、清水寺の狛犬で十八番のジョークを飛ばしつつ、様子を見る。温かく見守ってくれているようだった…。(ジョークは控える事にした)
清水の舞台については、過去に飛び降りる人がいた話、その生存率について話したりする。ガイドブックには載っていないはずなので、しっかりと聞いてくれていた(はず)。
音羽の滝では、3種の滝について説明。
飲めるなら、どれを飲んでみたい?と定番ネタを入れる。やはり、この話は受けがよい。
伏見稲荷大社では、千本鳥居等、写真撮影がしたいと思われたので、できるポイントを見つけ、ご夫妻の写真をとる。やはり、ここは人気が高い。
寺田屋を経て、いよいよ月桂冠へ。
一番緊張するポイントだった。
酒蔵を見学に行く。英語音声がなかったので、スタッフの方が話す事を通訳していく…。これがなかなか難しい。正直言って説明が拙い部分もあったかと思うのだが、真剣に話を聴いてくれる姿を見て、嬉しかった。
そして、お酒の試飲。楽しんでくれた様子。
その後、昼食。
おそらく暑さで疲れているはずなので、ゆっくりと食事を楽しみ、ギリギリまで休憩を取る事にした。
ご主人のご厚意で、日本酒も頂いた。冷酒が身体に染み渡る…(仕事中ですが)。ここまでのガイドを労ってくれているように思えた。
世間話をしていると、これまでに何度か日本に来たことがあり、ご主人は空手の段持ち!らしい。なるほど、ガタイの良さの理由がわかった。
ちなみに、私と同じ位の息子さんがいるらしい。
その後、東福寺へ。疲れも見える為、ゆっくりのペースで回る。
そして全ての行程を終え、ホテルに到着。
ホテルに着くと、記念撮影。
すると、"ちょっと待っててね"と、奥さんが部屋に戻る。
少し待つと奥さんが何かを持ってきて、私に手渡す。
Tシャツとお菓子、そしてキーホルダーだった。
お土産で持ってきていたのか、初めから渡すつもりだったのか…。ガイドのお礼のようにも思えた。ほんまに素晴らしい1日だった。
キーホルダーは今でも鞄につけて持ち歩いている。
それを見るたびにご夫婦の事を思い出す。
ご主人とはFacebookで繋がっており、私が写真などを投稿すると、"いいね"してくれたり、誕生日のメッセージをくれたりする。私も"いいね"やメッセージを送る。"スウェーデンに来る時は教えてね"と言ってくれる。嬉し過ぎる。
こんな素敵な関係を築けるガイドでありたいと強く思った。