web3のテクノロジーや仕組みは、挑戦の裾野を広げる
2021年にNFTブームが到来してから一転、ここ数ヶ月は一気に"冬"の市場へと移りました。
"冬"となってから、海外を中心にweb3スタートアップへの投資は一気に縮小しました。そして世間の反応も「web3ってやっぱりまだまだ流行り物にすぎないよね」という風に変わってきたと感じています。
このような状況だからこそ僕は、web3のテクノロジーや仕組みの本質、そしてそのweb3のテクノロジーや仕組みを使ってどんなことが実現できるのかについて、しっかりと提示していきます。
このnoteでは、僕たちmicroverseが事業領域としているweb3×エンタメという領域にフォーカスしながら、web3のテクノロジーや仕組みが実現できる未来について書いていきます。
なぜ、web3の世界で戦うのか?
僕がweb3の世界にきたのは2019年です。
当時、教授が教科書を読み上げるだけの授業の提供をする大学へ毎年200万円も支払って行く意味を見出せなくなったり、父親からの養育費がとまるという問題があったりとで、これまでの人生を深く見つめ直すようになっていました。
人生を振り返った時に、自分や自分の大切な人が、暴力やお金、家庭環境という自分自身に起因しないことが原因で、自分のやりたいことに対して高い壁を設けられることが多々ありました。
それでも日本はかなり恵まれていて、世界ではもっと過酷な状況があることも、当時知る機会がありました。
その結果、「誰に迷惑をかけるわけでもない、ただただ自分の純粋な想いに従って生きたいだけなのに、生まれた環境によって挑戦へのハードルの高さが違いすぎる」ということに、大きな憤りを覚えるようになりました。
そして僕はまず、お金のハードルをなくすべく、「私財で50歳までにミニマム1兆円の財団を作る」という目標を立てました。
その手段として、起業という道を選択しようと決め、いろんなサービスをリサーチしていく中で、VALUというサービスに出会いました。
VALUは、個人が株式のようなものを発行して資金や応援者を集めることができるサービスです。
僕が実現したいことの思想に近いこのサービスを調べていくと、ブロックチェーンというテクノロジーに出会いました。
そしてブロックチェーンを調べていくうちに、このテクノロジーは「誰でも多様な経済圏を作ることができるテクノロジー」だと解釈するようになりました。
ブロックチェーンの世界では、誰でも自由にトークンやNFTといった金融資産性のあるものを発行でき、思想や実現したいことに共感してくれる人を集めることができれば、誰でもどこからでも自身の経済圏を構築することができます。
このようなブロックチェーンの可能性に気づいてから僕は、"誰もがもっと自由に自己実現できる世界"を構築したいと思い、web3の世界にAll-inするようになりました。
そして、なぜ"エンタメ"領域なのか?
僕がエンタメ領域で事業を行う理由は
・エンタメは「誰かの明日の支え」になるものだから
・日本発、世界で戦える産業を作れる可能性があるから
の2つです。
それぞれについて、深ぼって書いていきます。
エンタメは「誰かの明日の支え」になる
僕はこれまで何度もエンタメに救われてきました。
周りの人に支えてもらいながら全力で挑んでも越えられない壁があった時に聞いた歌
自分の生き方に自信が持てずにいた時に、生き方の指針を教えてくれた漫画や舞台
僕は、誰でもどこからでも、覚悟さえあれば、なりたい自分になれると信じています。
そしてその道を歩んでいくときに、心の支えとなってくれるのがエンタメだと思っています。
エンタメは、生きるためのパワーをくれます。
誰かの明日の支えとなりうるエンタメには、自分の起業家人生の時間をbetする価値が十二分にあると考えています。
日本発、世界で戦える産業を
僕は山口県で生まれ、中高時代を広島で過ごした関係で、太平洋戦争についての資料に、幼い頃から多々触れてきました。
その資料の中には、今の僕の年齢(25歳)よりも若くして、日本のために、愛する家族のために、命を賭けた祖先の言葉が刻まれたものもたくさんありました。
そのような祖先の言葉の中には、日本や愛する家族の明るい未来を願う言葉がたくさん見られました。
さて、未来のために命を賭してくれた祖先が今の日本を見た時に、こんな日本を見たかったと言ってもらえるのでしょうか?
先進国の仲間入りはしたものの、その先進国の中では幸福度は最低で、経済も停滞気味で、未来に対して希望を持てる状況とは言い難いのではないでしょうか?
そんな今の日本だからこそ僕は、今後30~50年くらい日本が再び世界に誇れる新たな"産業"の創出が必要だと考えています。
そして、新たな産業創出において、企業経営の定石に沿って考えると、日本の強みにフォーカスしていくべきだと考えています。
ある方々から伺った話ですが、シリコンバレーでは、日本が世界からリスペクトを持たれているのは「IP」「文化」「食」の3つだと言われているそうです。
僕らが事業領域としているエンタメの世界においてIPは、ビジネスの根幹をなすものです。
世界からリスペクトがあり、日本というブランドを活かせるIPやコンテンツという領域に、web3のテクノロジーや仕組みを持ち込むことで、新たなIP/コンテンツ創出を行う"産業"を生み出せ、30年後の日本の未来の一端になれるのではないかと考えています。
web3とエンタメが掛け合わされることで、どんな未来がくるのか?
現在僕らが手掛けているプロジェクトの一つを用いた具体的な話から入ります。
僕らは現在、web3のコミュニティから世界的なポーカートーナメントブランドの創出を目指す"CryptoPokers"というプロジェクトを運営しています。
このプロジェクトでは、WSOPやJOPTというような、ポーカーをやっている人なら誰でも優勝することに憧れを抱くようなポーカートーナメントブランドを作ろうとしています。(格闘技の世界でいうRIZINを作ろうというようなプロジェクト)
さて、このようなポーカートーナメントブランドと1から作ろうと思うと、
・ある程度まとまった資本を用意し、ポーカーのトーナメントの開催から始めていく
・ポーカーのトーナメントの開催自体にかかるコストだけではなく、ブランディングやPR、マーケティングにかけるコストも用意が必要
というようになります。
このようなことを、一個人や小さな集団が実施していくことは難しいですが、NFTやDAOといったテクノロジーや仕組みを使うと
・NFTの発行から入ることで、市場から運営資金を集めながらトーナメントの運営が可能(NFTの購入者に対しては「無料参加権の付与」などを行うことで、インセンティブを還元)
・PRやマーケティングにおいては、NFTの優先購入権やNFT自体を付与することで、DAO的なコミュニティ内からアンバサダーや拡散協力者を募り、コミュニティの力を使ってブランド構築/PRが可能
というようになります。
さらに、このような個人が主役となれるスキームを使っていくことで、今までは大手の稟議や製作委員会を通す必要性から実現できなかった尖ったコンテンツも市場と共創することが可能だと考えています。
実際に、これから下記のようなKUZUVERSEというweb3版カイジを生み出すような攻めたコンテンツもローンチ予定です。
まとめると、エンタメの世界にweb3のテクノロジーや仕組みを持ち込むことで、多様なクリエイターや事業者が新しく尖った創作をできるようになります。
さらに、創作の裾野が広がることで、日本から世界に羽ばたくようなIPやコンテンツが生まれる可能性もあがり、日本が今後30年輝けるようなエンタメ産業というものが作れるのではないかと考えています。
まとめ
NFTやトークン、DAOといったweb3のテクノロジーや仕組みは、資金集めや多様な役割を担う仲間を巻き込むコミュニティ作りを促進し、能力さえあれば世界中どこからでも誰でも自身のやりたいことに打ち込むことができる、"挑戦の裾野を広げるもの"です。
そのweb3とエンタメを掛け合わせ、誰かの明日の支えとなるようなエンタメを、日本から世界に向けて、たくさん生み出していきたいです。
もし少しでもweb3×エンタメの未来にワクワクしてくれたら、どんな関わり方でも構わないので、一緒にできたら嬉しいです。
長文、最後まで読んでくださりありがとうございました。
補足:microverseのこれから
microverseは、2023年2月、Pre-Series Aラウンドで、Genesia Ventures、B Dash Ventures、Cygames Capital、ギフティ、F Venturesから2億円の資金調達を実施しました。
今後もmicroverseは、web3の力を使った新たなエンタメ創出にAll-inしていきます。
この挑戦はまだまだ始まったばかりで、仲間が全然足りていません。
もしこのnoteを読んでいただき、少しでも共感してくださるところがあった方、ぜひ一度お話しさせてください。
そして、僕らと一緒に働きたいと思ってくださった方がいらっしゃれば、ぜひお待ちしてます。
一緒にweb3×エンタメの未来を作りましょう。
2023年2月 microverse CEO 渋谷 啓太