第五回

 やる気がでません。なぜか。第二回のジャズ回が読まれているからです。いや、読まれることはうれしい。しかし、僕はジャズフリークでもないし、そこまでジャズに詳しいわけではない。そうか、これはタグの問題。そう、ジャンルの問題なんだ。そう思いました。特にウケるような記事を書いたつもりはないけど、なぜか読まれているという事実は受け止めなくてはならない。僕は役に立たない記事を書く人間だ。それはブレちゃいけない。
 今回は僕の敬愛してやまない椎名林檎について書くよ。待ってた人はお待たせって感じ(いるかは知らんけど…)
 じゃあ書いていきましょう。あくまでオタク目線でね。今回は初期三部作から曲を抜粋して書いていきます。

名曲『ギブス』

 これを語らずして何を語るというくらいの名曲です。2000年代としては割と新しめなアレンジをやってるんですが、なによりこの曲がすごいところは転調を転調と感じさせないコードワーク。いわゆるCメロのところですね。一瞬部分転調が入るんですが、全く違和感がありません。メロディセンスというか、素晴らしい音のチョイスに脱帽ですね。
 楽曲全体の方向性はUKロックやグランジに近い音作りがベースになっていますが、コード進行の基盤はRadioheadの『Creep』ですね。C→Cmと進行するのはよくありますが、曲のキーまで同じにするとは…って感じです。好きなんでしょうね、Radiohead。

どうしても語らねばならない『茎』

 こいつはいまだに僕も研究対象として勉強している楽曲です。アルバムとシングルでバージョンが違います。それだけでも研究が捗ります。コード進行そのものは複雑ではありません。至ってシンプル、というかストレートなパンクロックみたいな進行です。そこに重厚なストリングスが乗ってくるわけなんですが、迫力があります。
 なぜコード進行が複雑でないのか。これはクラシック音楽を多少かじった方ならお分かりかと思いますが、クラシックではコード進行なんてものは特に重視されません。結果として解析すれば進行はありますが、わりかしシンプルです。もちろん複雑怪奇なものもありますが、『茎』においてはシンプルにメロディを押す感じのコード設計がなされています。何度聴いても完成度が高い。この時期の椎名林檎の絶頂なんじゃないかと思うほど完成度が高いです。

伝説『丸の内サディスティック』

 これは外せないでしょう。いわゆる循環コード進行です。キーはE♭のメジャーですね。四度メジャーセブンスで始まるのがおしゃれです。原曲というか元ネタはGrover Washington Jr. feat. Bill Withers 『Just The Two of Us』のコード進行と言われていますが、アレンジの元ネタは某ラジオでも言及していましたがEn Vogue 『Give It Up, Turn It Loose』でしょうね。聴いてもらえれば一発だと思いますが、En Vogueそのまんまです(笑)
 この当時は宇多田ヒカル以後だったりするので余計にR&B要素が強かったりします。ブラックな香りというか、グルーヴが完全にそっち。でもその中でファーストはしっかりバンドサウンドもやろうとしてるのがすごいなあと思います。その指向がセカンドのガンガンバンドサウンドに活きてくるんですね。

おまけ・東京事変『おいしい季節』

 筆者の一番好きな東京事変のポップチューン。コード進行聴いてるとね、完全にモータウン。グルーヴが違ったりストリングスでかき消されてるけど、完全にモータウンのベースラインなんですね。あえて似てるとするアーティストをあげるならジャクソンファイブ(笑)ってくらい雰囲気が似てる。
 メロディラインは言わずもがな林檎節なんですが、これはもともと栗山千明に楽曲提供したもので、のちに椎名林檎自身がセルフカバーする形になりますね。『逆輸入』のときだよね、たしか。あえてビートをのっぺりさせた、ともとれますが、この曲に関しては制作の性質上ちゃんとJ-POPをやる必要があったのだろうなと思います。ライブ版は鳥肌が立つくらい痺れましたね。


 はい、今回は以上です。
 役に立たないだろ?
 立たないよな、たぶん。知っても意味ないもんね、この情報(笑)
 こんな感じで意味のない情報をまき散らしていければと思います。楽しんでいただけたなら幸い、楽しくなかったならそれもまた幸いです。
 では次回またお会いしましょう。


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佐々木慧太
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